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賃貸物流倉庫・大型貸し倉庫の記事

日通総合研究所小松氏・赤尾氏が語る物流マーケット

物流変革期の真っただ中、景気の後押しがある今こそ、物流戦略の見直しを。

小松 隆 氏

株式会社 日通総合研究所
経営コンサルティング部 部長
主席コンサルタント
小松 隆

赤尾 幸彦 氏

株式会社 日通総合研究所
経営コンサルティング部
シニアコンサルタント
赤尾 幸彦

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国内では数少ない、物流専門の民間シンクタンク

当社は日本通運の子会社として設立以来、物流のシンクタンクとして50年以上の歴史を誇っています。当社の業務は、主に官公庁や諸団体の依頼による調査研究業務と、民間企業の依頼によるコンサルティング業務や教育業務の2種に大別されます。

後者のコンサルティング業務は30年程前から本格的に開始したものです。従来は日本通運のお客様に対して、物流コスト改善や業務効率化を拠点レベルで進めていく案件が大半でした。しかし2000年以降、3PLが一般化し始めた頃からでしょうか、物流を経営の重要な課題として捉えた上で、自社の物流の全体像やあるべき姿を再構築したい、という依頼が目立って増えてきました。「物流のあるべき姿」というフレーズは、今や当社のコンサルティングを象徴するキーワードと言っても良いかもしれません。このような案件の多様化と共に、日本通運との取引の有無とは関係なく、様々な企業から直接案件を受託して、第三者的な立場で顧客企業の課題解決を目指すケースが拡大しています。

3PL事業者選定の企画・評価支援業務も、そのようなテーマの1つです。3PL事業者選定コンペのプレゼンに立ち会う際、日本通運と鉢合わせになり、気まずくなることもあります。しかしその場合には、当社はお客様の一員として参加しているので、当然ながら評価はあくまでも客観的かつ公正、厳正に行っています。このような取組姿勢は、多くのお客様から評価と信頼をいただいているものと確信しております。

生産拠点の海外移転により、国内の物の流れに大きな変化

近年、荷主企業、特にメーカーから、経営面から捉えた全社的な視点での物流ネットワークや、施設のあり方についてのご相談をいただくことが多くなっています。その背景にあるのが、生産拠点の海外移転に伴う物の流れの変化と言えます。

以前は海外から原材料を調達し、港に入った荷を工場へ運び、完成品を保管倉庫に運んで、そこから国内流通拠点や、輸出のために港へ運ぶというのが一般的な流れであり、当然、ロットも大きなものでした。ところがこの10年、特にリーマン・ショック以降、生産拠点を海外に移す動きが活発になり、国外で生産された完成品だけが、必要な量だけ国内に流通するようになったのです。工場が少なくなったため、原材料および完成品を保管する倉庫もいらない。大量の荷が入るわけではないため、これまで使用していた港に近い倉庫はスペースが余っています。必要なのは一時ストックするためのスペースだけであり、それも、より消費地に近い立地である必要が出てきました。生産の場所が変われば、物流のあり方も当然変わるわけです。

3PL事業者への“丸投げ”の弊害。企業内にノウハウが蓄積されず

当社では、半期に1度、荷主企業へのアンケートに基づく物量の短観を発表しています。それによると近年、国内の物流量は確実に減少しており、今後もその傾向が続くとみられています。一方、ECの進展により小口の配送数は拡大しており、こちらは今後、さらに増加が見込まれています。つまり、我が国の物流には、主に製造業に代表されるBtoBの大口と、通販が主のBtoCの小口という2つの大きな流れがあり、それぞれに合わせた物流ネットワークや、拠点のあり方が存在しているのです。こうした状況下、荷主企業には、経営の観点から、さらなるコストダウンや効率化、グローバル化に向けての新たな物流戦略を立案しようという考えが生まれます。そしてそのために、これまで発注してきた3PL事業者に新たな提案を求めたり、時には業者自体の見直しを考えたりするのですが、ここで問題となるのが、「ネットワークをどう変えればいいかわからない」「物流要件や入札要件が作れない」といった荷主側のノウハウの不足です。

確かに企業は本業に集中し、物流などはアウトソーシングするというのは、業務効率を上げる上で正しい選択でした。しかし、重要であるマネジメントの部分まで、いわゆる“丸投げ”をしていたため、社内に物流に関するノウハウがほとんど蓄積されていない企業が、意外にも多いのです。当然、新たな提案を受けてもその良し悪しを判断できないので、改善案の立案・RFPの作成に加え、提案を受けた内容の評価まで支援してほしい、そういったご相談が増えてきている状況です。

荷主様の物量と流れを分析。最適な拠点のあり方を提案

こうしたご依頼をいただき、物流改善・3PL事業者の選定をお手伝いする際、我々はまず、スコープ(対象となる業務・エリア・モード等の範囲)を固 め、その範囲における現状把握を綿密に行います。具体的には、その企業様の荷の物量がどれだけあって、どのように流れるのかなどを独自に分析します。そし て、その結果に、荷主企業が重きを置いている、例えば、コストダウンであったり、BCPであったりといったポイントと照らし合わせます。その上で、施設は 適正か、それとも変えるべきなのか。分散しているべきなのか、あるいは集約させるべきか、集約するにしてもネットワークは今のままでいいのか。どうすれば 最も合理的なのかということを判断していきます。

例えば以前、ある企業から合理化についてのご相談を受けました。同社はこれまで、 事業部門ごとに荷の種類が違うからという理由で、近距離に、倉庫を別々に設けていたのです。当社としては当然、商品特性や作業内容などを合理的に考えて1 つに集約することを提案し、物流を全社的に管理するようにご提案しました。周りから見れば当たり前のように見えることでも、1つの企業内でそれぞれの部門 に物流担当部署があると、その壁を越えて情報交換をし、さらにそれぞれの業務を見直すのは、なかなか難しいのが実情なのでしょう。

また、EC系の企業でサービスレベルを上げることで売上を向上させたいという場合、一例ですが、受注から出荷、出荷からコンシューマーへの到着までの両方のリードタイムを短縮するための施策などが必要でしょう。

あ る保険会社では、お客様からの申込書などの書類を、全国の支店から社内ネットワークを利用して本社に送り、一括で管理していました。しかし東日本大震災以 降、BCPの観点から、他拠点でも書類等の発着・事務処理・保管等ができる機能を備えるようになりました。今後は用紙などの在庫も多拠点化していく予定だ そうです。保険金の支払いを絶対に止めないためには、2拠点化によるネットワークの二重化が不可欠だったからです。

一方、同じ BCPといっても、物流拠点を湾岸エリアから内陸へ移転させようと考えていた企業もありました。しかし、既存の物流施設には多くのワーカーがいるわけで、 その人たちが何時間も離れた地域に通勤することを希望するはずがありません。移転を考える上では、こうした現実的な点も加味した対応でなければ意味がない でしょう。

このようにして、お客様にとってあるべき物流戦略や拠点のあり方を考慮した上で、お客様にとって、そこにあるべきだといえる最適 な物流拠点を提案し、3PL事業者の提案を判断する上での基準にしていただきます。もちろん、その場所に必ずしも最適な施設が確保できるとは限りませんの で、エリアの微調整は必要になります。しかし、こうした判断材料が、新しいネットワークを構築する上で、どれぐらい期待効果がみられるかを算出するベンチ マークになるのです。

3PL事業者のプランには、手持ちの物件があるからという理由で「ここが物流適地」として提案してくるケースが往々に して存在します。ですから、一見よさそうに見えても、必ず裏取りをする必要があり、そのためにも、自社の物流における最適な立地を把握しておくことが必要 不可欠なわけです。また、もちろん物件の仕様や大きさ、人集めがしやすい地域なのかといった調査も重要となるでしょう。3PL事業者に対しては、作業人員 の調達方法や、実際の教育の手法などについても提案をしていただき、その内容を荷主企業の業種や優先順位に照らし合わせて、ポイント評価することになります。

業界によって異なる施設に対するニーズ

物流施設に関しては、立地については幹線道路やインターチェンジ・核輸送モードのターミナルなどに近いか、荷物の出入りの便がいいかどうかが重要で す。また、建物自体の仕様でいえば、どんな構造か、荷重は耐えられるか、免震構造か、セキュリティレベルはどうか、必要なトラックバース数は確保できるの かなどの点が、一般的に重視されます。それ以外の要件については、業種(取り扱う商品など)によって異なります。小売り系で流通加工の手間がかかるために 人員が多く必要なら、確保しやすいエリアかどうかが重要ですし、施設自体がきれいで、CVSが近いことにこだわる企業が多くなります。また、マルチテナン ト型の賃貸施設なら、複数のテナントのコントロールができているかもポイントでしょう。特にEC系の企業の場合、出荷件数が多いので、トラックバースの数 や、トラック待機場所が確保できるかといった点も見逃せません。

一方、在庫保管型の施設を希望するなら、多少古くて汚くても、コストが抑えられればそれでいいといった選択もあり得ます。とはいえ、あまりにも古いようであれば、「これで荷主企業の要件が満たされますか」と追及せざるを得ないでしょう。

設 備面の仕様については、本当にピンからキリまでありますが、どんな仕様がいいのかは、何を扱うか、あるいはどのように施設を活用するかによって異なりま す。例えば、流通加工として施設内でPCの組み立てをする企業の場合、手元の照度を確保するために、BTSで施設を開発し天井高を低くしました。あるいは リペアパーツの倉庫ですが、修理部隊が常駐していて、庫内の一部をオフィスのように活用している企業がいらっしゃいました。こちらも、明るさや執務環境を 考慮して、大幅な変更を加えざるを得なかったのです。

確かにこうした変更は、作業効率を上げる上では有効かもしれませんが、その施設を出る ときには、原状回復のため余分なコストがかかることになります。マルチテナント型の施設なら、なおさらでしょう。経営環境が悪化して、施設の集約や移転を したいと思っても、そのコストがネックとなって実現できないことも考えられます。ですから、最初の時点で、その企業に合った施設を選ぶことが重要なのです。

景気回復が見込める今こそ施設・ネットワークの再構築を

ここまで、多くの荷主企業が抱える問題点と、それに対する我々の考え方、実際に作業をする3PL事業者の選定支援方法などを述べてきました。繰り返しになりますが、今日、物流が大きな転換期を迎えていることは間違いありません。

景 気の良し悪しにかかわらず、荷主企業からいただくお話で多いのは、やはりコスト削減を目的としたものです。と言っても、必ずしも業績が悪いからということ には限りません。効率化、合理化を推し進め、無駄なぜい肉をそぎ落とし、先進的な物流に移行することで、結果的にコスト削減を図ろうというものです。

一 般論で言うと、経営的に見れば本業が優先され、これまでは製品(商品)部門個別の最適化などが先行し、全社横断的な視点に立った物流部門の改善などは後手 に回りがちだったと言えるでしょう。また、企業の成長期や事業の拡大期などのイケイケの状況では、物流に関してはあまり考慮されず、後付けになりがちだっ たのも事実です。

しかし、業績が上がっている時だからこそ、いずれ訪れるであろう次の低迷期を見据えて、ある程度の資本を投下するなど、大 胆な物流改革も可能だといえます。物流が大きな変革期を迎える中、景気が上向いている今こそ、積極的な全社横断的な物流改革を実行するのに最適なタイミン グではないでしょうか。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2014年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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