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東京納品代行株式会社

ファッション関連特化で進展を続ける東京納品代行。
顧客の販売支援までを視野に入れた物流拠点戦略。

服飾衣料品の納品代行という、独自のビジネスモデルで市場を開拓し、業界 最大手のポジションを獲得した東京納品代行が、昨年11月、市川塩浜に同社としては最大規模の物流センター「東京ベイ・ファッションアリーナ」をオープンさせた。同センターが持つ意義と、これまでの拠点との違い、今後の物流拠点戦略を営業本部本部長の嶋田亮司氏にうかがった。

東京納品代行株式会社
営業本部
本部長 嶋田 亮司

ファッション関連に特化した物流のリーディングカンパニー

1970年、アパレル・ファッションメーカーが直接、百貨店に納品するの が当たり前だった時代に、仕入検品・納品業務を代行するという、当時としてはベンチャーともいえるビジネスモ デルに特化して設立された東京納品代行。以来、「ファッションを心で運 ぶ」をモットーに、現在でも扱う商材 の90%以上が、靴や帽子などの服飾雑貨を含めたファッション関連商品で占められている。

提供するサービスも、顧客ニーズ の変化に合わせて流通加工、在庫管理などにまで業務領域を拡大。22百貨店79店舗から指定納品代行業者の指定を受けている。また現在では、 国内メーカーのみならず海外からのインポートブランドまで手掛け、提供先も量販店や大型SCなどに拡がっている。

「商品がお客様の手に届く、販売にいちばん近いところまでを代行することを目指しています」と語る同社営業本部本部長である嶋田亮司氏の言葉通り、百貨店のバックヤードでの作業や店舗間の配送業務、催事や展示会への搬出入業務などの上流の作業も代行しており、売上高は142億円 (2014年3月期)に達しているという。

ECにシフトするファッション業界そのサポートに不可欠な大型施設

その同社が、2013年11月、約17,000坪の規模を持つ大型物流センター「東京ベイ・ファッションアリーナ」を構築した。場所はアマゾンや楽天など、数多くの物流施設が立ち並ぶ千葉県市川市、市川塩浜駅の真向かいだ。

同社はこれまで、都心から30分以内で移動できる江戸川区や江東区を中心に、9つのセンターを運営してきた。都心に近いのは、ファッションの商圏は東京を中心とした関東圏に集中していることに加え、百貨店サイドから「実際に手に取って商品を見たい」という要望が強いため、その拠点は自ずと都心近くとなっていた。ただ、そのほとんどは、2,000~5,000坪の中小規模の拠点である。

そのような中、2007年、物流大手センコーとの業務提携を経て、さらには2009年にセンコーが資本比率を高め当社がセンコーの連結決算対象の子会社になったことで、念願であったよ り大型で機能面の付加価値の高い物流センター構築が可能に。2010年の計画スタートから3年の時を経て実現を迎えた。同社がそれほどまでに大型センターを渇望した背景には、ファッション関連市場の変化がある。百貨店の低迷や、リーマンショック後の経済 環境の悪化により、ファッション関連商品全体の売り上げが衰退した。そこでメーカーサイドが新たな販売チャネルとして注目したのがEコマースである。事実、ファッション関連の小売業におけるECの市場規模を比較すると、11年の1440億円に対し、12年は1750億円と、121.5%の拡大しており、他のどの業界よりも高い成長率を示しているにもかかわらず、総売上に占めるEC化率は1.33%であり、今後、ますます進 展が期待される分野なのである。

「当社は、荷主であるメーカー様と小売店様の中間の立場で、どちらからのアウトソーシングも請け負い、両社のニーズを聞いて、バランスを取りながらサービスを構築するのが特徴です。EC化はメーカー様の要望によるものですが、新たな販路を拡大するためには、それに見合った規模の施設が必要不可欠なのです」。

ファッション物流に特化した戦略的物流拠点

新センターは鉄骨造の4階建で、1階と3階にトラックバースが設けてある。2階建の物流センターが2つあるイメージで、縦移動はエレベータを利 用して極めてスムーズだ。天井高は 各階とも6m以上あり、仕様としてはマルチテナント型のそれである。基本 設計はオーナーである三菱商事によるものでBTSではないが、着工前から賃貸借契約が決まっていたことで、B工事C工事の段階から、同社のニーズに合わせで構築できたという。

「この施設は、当社のこれからの施設の在り方を示す旗艦センターと位 置づけていることもあり、どんなお客様の要望にもお応えでき、どんなお客様がいらしても恥ずかしくない、機能的かつおしゃれなイメージを打ち出しています。当社の未来を指し示すシンボリックなものにしようというのが テーマでした」。

ICカードによる入退館チェックに加え、退館時には手荷物検査も実施している。加えて、監視カメラは外周・館内を合わせて111台も設置している。基準以上のセキュリティを行っているのは、顧客企業の信頼性を高めるた めだ。

そのゲートを入ると商談スペースがある。その奥にあるのが、このセンターの目玉の1つである撮影スタジオだ。約55坪のスペースがあり、窓以外の天 井・壁・床はすべて“白”で統一されている。商品をすぐにでもEコマースで販売したいという顧客ニーズに対応して、設けた施設である。時間貸し、日割 り貸しが基本だが、商品の入出庫やリストとの照合、しわ伸ばしなどの撮影 サポートから、サイトにアップするための画像の加工や原稿作成など、周辺作業も一括して提供されるという至れり尽くせりのサービスだ。

もう1つの目玉が、倉庫2階に設置されたQC(品質管理)の作業場。同センターでは、商品の入荷から入荷加工、配分・ピッキング、出荷加工、出荷という「商品管理」はもちろんだが、加えて、検品・検針などの「品質管理」も提供している。作業場内にはX線を利用したものから、コンベアタイプ、ハンディタイプなど各種の検針器が並ぶ。また縫製用の10台以上のミシンの他、プレス用の全自動スチームBOX、バキューム付の仕上機、汚れ落とし用のスプレーガンなどが用意されている。また、インポートブランドの商品に、国内流通向けに指定された仕様を表示する洗濯ラベルやケアラベルの発行機まで備えられている。

一般の3PL事業者であっても保管機能と配送機能は持っているが、品質検査や撮影は外部に委託するのが普通だろう。ただ、その分、移動のコストと時間にはロスがある。それを1ヶ所ですべて完了できるのは大きなメリットであり、まさにファッション関連商 品に特化した物流センターならではの設備といえる。「当社には、ファッションの物流を基軸としたビジネスは 全部やってしまおう、という考えがあり、単なる商品の保管や配送だけでなく販売支援の物流を目指しているのです。その意味でこのセンターは、ここだけですべてが完結する戦略的物流拠点なのです」。

もちろん配送についても、隣駅の二俣新町に同社のトラックターミナルがあり、100台以上のトラックを使って集荷や納品を行っている。つまり、同セン ターを利用する荷主は、入荷から商品管理・品質管理・配送までのすべてが完結できるのだ。加えて、BtoCのEコマースには、大宅配業者と提携して、システム的な連携を実現している。

さらに同センターで特筆すべき点は、外部の企業に一部のスペースを貸していることだ。1社はEC関連の会社で、80名ほどが常駐するオフィスで、センターのワーカーとは、入退館時以外は動線が分かれるように配慮されている。もちろん独自のICカードによるセキュリティが施されているほか、社員の休憩室なども、別に確保されている。

もう1社は、かねてからのビジネス パートナーだったコールセンターで、 顧客を紹介し合ったり、共同で業務請負の提案もしているという。

利便性の高い立地でワーカーを容易に確保

流通加工のための作業が多い物流センターでは、どこでもワーカーの確保が重要課題になっている。特にファッション業界の物流センターは、マテハンによる機械化やシステム化が難しく、人力に頼るところが大きい。アナログ作業が排除できないため、どうしてもパートタイマーの人数が必要であり、多くの企業が人集めに苦労している。

だが、東京ベイ・ファッションアリーナに関して言えば、その心配はないようだ。最寄駅の「市川塩浜」駅はJR武蔵野線、京葉線の2路線が利用できるため、交通の便は極めて良好。しかも、施設があるのは駅前なのだ。「パートさんからは、雨が降っても濡れないセンターと言われています。周辺には物流施設が多いため、当初は採用が難しいのではと思っていましたが、計画していた人数はすぐに集まりました。南行徳、行徳の各駅も近いことから、東西線沿線から自転車で通勤している人もいるようです」。

施設内に休憩室を設けるのは当然のこと、働きやすさに配慮して、全館冷暖房を完備している。

顧客ニーズを見据えた拠点戦略親会社との協業でさらなる拡大へ

現在、ファッション業界の物流拠点に対して求められる機能は二極化している。1つは低価格商品向けの徹 底的な効率化(大型化、機械化、省力化)を実現するセンター。もう1つは、 多少コストがかかっても、今売れるものをすぐに出荷できる、都心に近い 高機能な施設だ。同社には、すでに成田に10,000坪規模の物流センターが ある。狙いは航空貨物で輸送される インポートブランドで前者に属してお り、東京ベイ・ファッションアリーナは 当然、後者に属する。また、成田には 来年、もう1つの物流センターが開業を控えている。

「当社の基本戦略としては拡大路線を目指しています。今後の開発エリアはまだ決まっていませんが、市場のニーズに合わせて、高付加価値型か ローコストオペレーション型かを選択する予定です」。

先に触れた通り、ファッション業界のEC進出が今後ますます拡大し、大手ECサイト同様、即日出荷・翌日配送のニーズが高まれば、都心近郊にならざるを得ない。また、同社のターゲットとしている低価格のインポートブランドが増えれば、物流コストが抑えられる遠隔地になる可能性が高い。

一方、経営面でも海外ブランドの動向が気になるところだ。これまでは、生産拠点として捉えられてきた中国や東南アジア各国が、近年の経済成長により、海外有名ブランドにとっての新たな市場として注目されている。これにより、以前に一度、日本市場から撤退したブランドが、今度はアジアの拠点として日本に再進出する動きも出ている。また、小規模のインポートブランドの動きも活発になり、プレイヤーの数は確実に増加してきている。

こうした流れに呼応してか、親会社のセンコーも「ファッション物流」を成長戦略の柱として捉え、今年度ファッション物流営業本部を設立した。「海 外との物流はセンコーに、国内での流通は当社と役割を分担しながら、 お互いの強みを発揮していきたいと考えています」。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2014年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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