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ハスクバーナ・ゼノア株式会社|クローズアップ不動産戦略

  • 2025年10月30日

オフィス、物流施設、R&D、工場といった拠点を再編、変革の先に描く「センター・オブ・エクセレンス」への道。

川越本社川越本社
工場解体 返却用地工場解体 返却用地
テクニカルセンターテクニカルセンター
狭山事業所 物流センター狭山事業所 物流センター

330年以上の歴史を誇るスウェーデンのハスクバーナと、1910年創業のゼノアを源流とする日本法人「ハスクバーナ・ゼノア株式会社」。安定した農林業機械市場の中で、同社はバッテリーシフトや自動化といった変革の波に挑み、国内拠点の再編を進めてきた。新たに始動した川越・狭山の二拠点体制を核に、部門の垣根を越えた連携で「センター・オブ・エクセレンス」を目指す取り組みを聞いた。

生産本部長 青木 祐介氏生産本部長
青木 祐介氏
人事・総務部 部長 西村 直三氏人事・総務部 部長
西村 直三氏

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330年の歴史を受け継ぐ、日本法人の歩み

BZ空間■本日は、御社の拠点戦略と未来への展望についてお話をお聞きできることを楽しみにしておりました。まず御社の事業内容や歴史についてお聞かせいただけますでしょうか。

青木氏■はい。ハスクバーナ・ゼノアは、330年以上の歴史を持つスウェーデンのハスクバーナグループと、1910年創業の東京瓦斯電気工業を源流とするゼノアが統合し、2007年に誕生した会社です。我々のルーツである東京瓦斯電気工業は当初、街灯に使われるガス灯の心臓部である「マントル」という部品を製造していました。そこから事業を発展させ、戦時中は、中島飛行機など飛行機関連工場が集積していた立川に拠点があったことから、飛行機のエンジンを製造していました。その技術的な背景が、現在の主力製品である手持ち式農林業機械(チェンソーや刈払機)の生産へとつながっています。

当時は立川の他に横浜の追浜にも工場を持っており、米軍から委託を受けて軍用車両の修理を行っていました。その事業を起点に様々な特殊車両を製造するようになり、その過程で大手建設機械メーカーからの建設機械用部品の製造を受託するようになりました。さらに「部品の製造だけではなく、建設機械そのものを製造しないか」という話に発展し、大手建設機械メーカーのグループ企業となったのです。

過去には自動車やバイクなど多岐にわたる製品を製造していましたが、すべての事業が必ずしも順調ではなかったため、1960年代から70年代にかけて、本格的に農林業機械の分野に注力するようになりました。

BZ空間■2007年、ハスクバーナ社と統合されたのはどのような経緯だったのですか?

青木氏■建設機械を手がける親会社本体と、農林業機械を手がける我々とでは、事業領域が完全に分かれており、グループ内でのシナジー効果が生まれにくい状況でした。そのような中、ハスクバーナ社から当社の技術を買いたいという申し出がありました。実はハスクバーナ社は当社と事業の変遷が似ていて、銃器の製造からスタートし、キッチン用品やオートバイなど様々な製品を手がけたのち、我々と同じ農林業機械の分野に事業を特化させていきました。事業内容が近いためシナジーが見込めることや、我々が同業の専門メーカーの傘下に入ることで、培ってきた技術や販売力をより活かせると判断し、統合に至りました。このような経緯で、我々の事業ポートフォリオの中でも、特に競争力の高かった農林業機械事業が中核として残った形です。

ハスクバーナ・ゼノア株式会社

バッテリーシフトの波への対応が喫緊の課題

BZ空間■現在の日本の農林業機械の市場規模や動向、御社の市場シェア、ライバル企業についてはいかがでしょうか。

青木氏■手持ち式農林業機械の市場規模は、大きく成長することもなければ、急激に縮小することもない、安定した状態が続いています。当社は長年、国内市場で1位、2位を競うポジションにおり、他社とチェンソーや刈払機などで競合しています。

近年の市場全体の大きなトレンドとしては、自動車業界と同様に、手持ちの農林業機械もエンジン製品からバッテリー製品へのシフトが急速に進んでいます。これにより、従来は直接の競合とは考えていなかった電動工具メーカーが強力なライバルとして新規参入してきました。特に、ガーデニングや家庭菜園を楽しむ一般の方々が、手軽に扱えるバッテリー製品を選ぶ傾向が強まっており、この層で急速に台数を伸ばしています。我々としては、これまで通りプロユーザー向けの製品開発を主軸としつつも、市場のバッテリーシフトの波にどう対応していくかが喫緊の課題です。

西村氏■市場のもう1つの変化として、日本の農業従事者の高齢化と、それに伴う農業経営の「組織化・大規模化」が挙げられます。小規模農家が減り、農地を集約して農業を営む企業が増えていけば、当社の主力である手持ち式機械の需要は徐々に減少していくでしょう。

しかし、これは裏を返せば省力化・自動化のニーズが高まっているということであり、我々はこの状況をチャンスと捉えています。そこで現在力を入れているのが、「オートモア」という自動芝刈り機です。これは自動で部屋の掃除をしてくれるお掃除ロボットの芝刈り機版のような製品で、5年ほど前から日本市場に導入しました。ヨーロッパやアメリカではすでに普及していますが、日本でも徐々に市場が形成されつつあり、当社が国内トップシェアを獲得しています。新たな顧客として、定期的な芝刈りが不可欠なゴルフ場やサッカー場、飛行場といった広大な土地を持つ施設に注目しています。

青木氏■近年では、ソーラーパネルを設置する発電施設からの需要、雑草からパネルを保護するために「オートモア」を導入いただくケースなども増えています。

BZ空間■つまり、土と草がある場所であれば、どこにでも御社のビジネスチャンスが眠っているということですね。爆発的な成長はなくとも、社会にとって常に必要とされる、非常にサステナブルな事業領域であると。

西村氏■おっしゃる通りです。補足ですが、当社はこれまでご説明してきた農林・造園業機械の他に、2つの事業を展開しています。1つは建設機械・産業機械事業で、解体現場で使われるコンクリートカッターや、人による作業が危険な場所で活動する解体ロボットなどを扱っています。コンクリートカッターは、当社の主力製品であるチェンソーのカッター技術を応用して開発したのが始まりです。それを建設業界に販売する中で、「こういう機械はないか」とお客様からの要望に応える形で、徐々に製品ラインナップが増えていきました。

もう1つは、「ガルデナ」というブランドを展開するガーデニング事業です。一般ユーザーがご家庭で庭いじりを楽しむためのハサミやスコップ、灌水システムなどを専門に扱っています。グループ全体として、プロユーザーだけでなく、一般ユーザー向けの市場も重要視する方針を打ち出しており、その戦略の一環として、一般家庭での庭の手入れに特化した製品ラインナップを持つガルデナ社をM&Aで傘下に収めたところから始まっています。

ハスクバーナ・ゼノア株式会社

川越から狭山へ、国内拠点再編の軌跡

BZ空間■多岐にわたる事業を展開される中で、国内での拠点体制はどのように変わってきたのでしょうか。

青木氏■当社の製造拠点は元々、東京の東大和市にありました。長らくその地で生産活動を続けていましたが、2000年に当時所属していたグループ企業内での再編があり、グループが使用していた埼玉県川越市の工場(敷地面積10万㎡)が空くことになったのです。そこで同年、東大和市にあった農林業機械工場と、埼玉県加須市にあった建設機械工場を、この川越の地に統合したのです。

その後、2007年に農林業機械部門がハスクバーナ社に買収された後に、建設機械部門は別会社となり、生産ラインも他に移管されました。川越工場は農林業機械部門単独で使用することになりました。

我々が使っていた土地と建物はハスクバーナグループとなった後、以前所属していたグループ企業との借地契約が満了する10年後の2017年までに返却する必要がありました。ところが2015年、この土地を購入し、引き続き当社に賃貸してくれるという新しいオーナーが現れたため、我々は川越の地に残り続けることが可能になりました。また、10万㎡という土地は私どものオペレーションには広大すぎることもあり、その契約変更時に敷地の半分(5万㎡)にサイズダウンして工場建屋の改築とサイトの再編成を行いました。

そして2025年、新たに狭山事業所(埼玉県狭山市)を開設し、生産・物流の機能を移転しました。創業以来、生産、開発、オフィスが常に同じ敷地内にあった我々にとって、生産と物流が別の場所に移るのは今回が初めての経験です。

ハスクバーナ・ゼノア株式会社
ハスクバーナ・ゼノア株式会社

生産合理化と安全確保の観点から、拠点再編の決断へ

BZ空間■今回の拠点再編プロジェクトがスタートするきっかけや、当時、会社として直面していた課題は何だったのでしょうか。

青木氏■きっかけは、2020年にハスクバーナグループ全体で打ち出された「バッテリーシフト」という戦略です。今後、エンジン製品に対する新たな研究開発投資は縮小され、多くの経営資源をバッテリー製品開発へと集中させていく方針が決定されました。これに伴い、世界に7つほどあったエンジン製品の生産工場を再編・統合する必要が生じました。このグローバルでの生産再編の一環で、川越工場で生産していたエンジン製品の一部が中国の工場へ移管されることが決まり、工場の生産量が減少することが見込まれたのです。

加えて、この川越工場は築55年以上が経過しており、建物自体にかなりの老朽化が進み、メンテナンスコストの増大や従業員の安全確保の観点からも重大な懸念事項として指摘されており、「川越の拠点をどうにかしなければならない」という強い危機感が今回のプロジェクトの始まりです。

BZ空間■生産合理化というグローバルな要請と、従業員の安全確保という企業としての宿命的な課題、その2つが同時に突きつけられたわけですね。その解決策として、移転、改築、縮小など様々な選択肢があったかと思いますが、どのように検討を進めていったのでしょうか。

青木氏■社内でも様々な意見が交わされました。例えば、営業部門からは「優秀な人材を確保するため、オフィスを都内に移したい」という要望がありました。これからバッテリー製品に注力していくにあたり、必要となる電気系の専門知識を持つ優秀な技術者が、川越という立地では集まりにくかったからです。

一方で、2015年に新築したばかりのテクニカルセンター(R&D施設)をどうするかも問題でした。この施設は製品の性能試験などを行う特殊な設備を備えており、手放すのはもったいない。また、ものづくりの会社として、生産と開発は近くにあるべきだという考え方も根強くありました。あらゆる選択肢を検討した結果、本社機能と研究開発機能を川越に残し、生産と物流を外に移すことにしました。従って、工場は解体、敷地内の食堂と体育館があった厚生棟をオフィスに改修、テクニカルセンターのオフィス部分も改修が決まりました。また、今回の拠点再編に伴い、借地面積5万㎡のうち75%をオーナーに返却し、残りの25%を継続してお借りすることにしました。

ハスクバーナ・ゼノア株式会社

「Landcube狭山日高」への、物流拠点誕生の背景

BZ空間■生産と物流の新たな拠点として、「Landcube狭山日高」を一棟借りされました。これは当初からの狙いだったのでしょうか。

青木氏■いえ、必ずしも一棟借りにこだわっていたわけではありません。複数候補を比較検討した中で、たまたま同物件が面積などの必要条件に合致したということです。BTS(ビルド・トゥ・スーツ)での新築も検討しましたが、旧川越工場の土地オーナーとの契約上、2025年までに移らなければならないこと、また、外資系企業は長期にわたる不動産所有や賃貸借契約を避ける傾向があることから、竣工までに時間がかかり、長期契約が前提となるBTSは現実的な選択肢ではありませんでした。また、マルチテナント型物流施設も探しましたが、適切な立地とサイズの物件がありませんでした。

BZ空間■Landcube狭山日高の4階建7,000坪強という面積は、現在の事業規模に適正なサイズだったのでしょうか。

青木氏■現状ではオーバースペック気味ですが、5年後を見据えた事業計画をもとにこの面積に決めました。契約開始時点での倉庫の使用率は90%程度ですが、5年後の契約満了時には96%に達する見込みで、適正サイズになると想定しています。

BZ空間■これまで自社工場で生産から保管まで一気通貫で行ってきた御社にとって、今回の賃借による物流施設はどう受け止められたのでしょう。

青木氏■実は、これまでも自社倉庫だけではスペースが足りず、外部倉庫を2ヵ所借りていたので、倉庫の賃借自体に抵抗はありませんでした。また、2000年の東大和から川越への統合移転を経験したことで、新しい環境に合わせて生産業務を組み立ててきたという成功体験が社内に蓄積されていたのも大きかったです。ちなみに今回、これまで借りていた2ヵ所の外部倉庫もすべて狭山の新拠点に統合しました。

ハスクバーナ・ゼノア株式会社

ABW導入で部門の、垣根をなくした新オフィス

BZ空間■今回の拠点再編プロジェクトはどのように進めていったのでしょうか。

青木氏■2024年に、各部門からメンバーを集めた社内プロジェクトチームを発足させ、川越と狭山の各サイトの分科会方式で活動してきました。その中で、新しいオフィスのあり方を議論するために社内でワークショップを数回開催し、現状の問題点やコミュニケーションの取り方について話し合ってきました。その結果、新オフィスでは、部門や場所に縛られることなく、社員同士の連携を強めながら、価値が創出でき効率よく働ける場所を自由に選べる環境を目指すことになり、ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)の導入を決めました。

その背景にあるのは、コロナ禍による在宅勤務の普及と、度重なる工場再編・縮小による人員減です。オフィスに全従業員分の固定席が必要なのか、という議論が起こり、効率的なオフィス運用のためにも、単に席を自由に移動できる「フリーアドレス」ではなく、その日の仕事内容や目的に合わせて働く場所を選ぶことができる「ABW」という考え方をCBREからご提案いただきました。仕事に集中したい日は個別ブースを利用し、チームで活発に議論したい日はオープンなコワーキングスペースを利用する、といった具合です。

西村氏■もう1つの背景としては、我々が長年抱えてきた縦割り組織の弊害、すなわち「横の連携不足」という明確な課題がありました。拠点再編を機に、オフィス内の物理的な壁や仕切りを取り払うことで、部門間のコミュニケーションを活性化させたいという狙いがありました。実際に、旧オフィスでは各部門の執務室が完全に分割されており、部門間での交流が少なく、お互いの顔もよく知らないことも珍しくありませんでしたが、新オフィスになってからは明らかに交流が増えたと感じています。

BZ空間■研究開発部門ではどうでしょう?働き方に変化はありましたか。

青木氏■以前は研究開発部門のメンバーが占有していたテクニカルセンターに、現在は市場で発生した製品の不具合や技術的な問い合わせに対応するサポートの部隊も行き来しています。これにより、開発担当者と市場の最前線でお客様の声に接している担当者が直接コミュニケーションを取り、製品の品質改善や新製品開発に迅速につなげられるようになりました。

西村氏■ABWの考え方は、1つの拠点内だけでなく拠点間にも適用されています。例えば開発担当者が午前中は狭山の物流拠点で打ち合わせをし、午後はそのまま狭山のオフィススペースでデスクワークを行う、といった柔軟な働き方が可能になっています。

ハスクバーナ・ゼノア株式会社
ハスクバーナ・ゼノア株式会社

オフィス構築で浮き彫りになった、社内文化の違い

BZ空間■今回のプロジェクトを推進する上で、どのような点に苦労されましたか。

青木氏■そうですね、今回のプロジェクトはグローバルな生産再編が発端だったことから、生産部門の主導で進めていったのですが、グローバル企業ゆえに各部門の責任者は海外にいて、部門間の調整が困難を極めました。例えば、私の直属の上司は中国工場の工場長、営業部門のトップはアジア・パシフィック地区の統括、開発部門のトップはスウェーデン本国にいます。そのため、スウェーデン本社と日本のやり取りだけでなく、世界各地に散らばる各部門の責任者に対して個別に説明し、コンセンサスを形成していく必要がありました。ただ、これに関しては、スウェーデン本社とも連携があるCBREにご協力をいただいたことで、本社とのコミュニケーションも円滑に進めることができました。

BZ空間■西村さんはいかがでしょう。

西村氏■個人的な話になってしまいますが、私が入社したのが2024年12月1日で、まさにこのプロジェクトの渦中でした。入社早々、状況もよく分からないまま青木と一緒に契約の打ち合わせに参加することになり、個人的には大変でした。ただ、会社全体で見ても難しい時期だったと思います。当時は、グローバル戦略転換に伴う組織再編が進行中で、会社を去る社員がいる一方で、残る社員は新しい拠点への移転準備を進めなければならないという、非常に混乱した時期でした。

そうした中で新しい働き方を議論するワークショップを開催したわけですが、縦割りの組織文化が根強く、全社的なコンセンサスを得るのに苦労しました。例えば旧本社では、1階と2階に分かれていた人たちが、ABWの考えのもと、突然、一緒の空間で働くことになるので、細かい話かもしれませんが、備品の使い方ひとつでも考え方の違いが露呈しました。

BZ空間■そうした課題が表面化すること自体が、ABWのような新しい働き方を導入しようとしたことの成果、とも言えそうですね。

西村氏■おっしゃる通りかもしれません。新オフィスに引っ越してからまだ3ヵ月ほどしか経っていませんが、各部門のカルチャーのすり合わせと、新たな「ハスクバーナ・ゼノア文化」の醸成は、今後も時間をかけて進めていくべき重要なテーマだと考えています。

ハスクバーナ・ゼノア株式会社
ハスクバーナ・ゼノア株式会社

「センター・オブ・エクセレンス」への展望

BZ空間■新しい拠点体制がスタートしたばかりでまだ道半ばかと思いますが、最後に今後の展望についてお聞かせください。この新たな拠点を核として、今後どのような発展を遂げていきたいとお考えですか。

青木氏■当社はハスクバーナグループの日本法人として、国内市場の販売を担っています。日本の農業や林業の現場には欧米とは異なる独自の環境やニーズがあります。グローバル企業の一員でありながらも、日本のマーケットに合った製品を、我々の開発部門が企画し、新たな生産拠点で製造し、営業部門がお客様に届けていく。この「日本発のものづくりサイクル」を確立することが最も重要だと考えています。

その実現に向けて、我々は今回の再編を機に「センター・オブ・エクセレンス」というコンセプトを掲げました。これはお客様を中心に据えて、営業、開発、生産、バックオフィスといった全部門がお客様のために連携して価値を提供していく、という考え方です。新しいオフィスでは、長年の課題であった縦割りの壁を壊し、有機的な横のつながりが生まれるような職場環境を整備しました。このハードを最大限に活用し、部門間でのシナジーを生み出し、本当の意味での「センター・オブ・エクセレンス」を実現していくことが、今後の我々の課題であり、挑戦でもあります。

西村氏■そうですね。その成果として、5年後の物流倉庫が計画通り満床になっていることを期待したいです。もう1つの期待としては、新しいオフィスは、今後の人材獲得においても大きな魅力になるはずです。川越という立地は都心に比べれば不利な面もありますが、そうはいっても、オフィスがきれいで駅からも遠くない、近くに研究施設と物流施設もあるという職場は魅力なのではと思います。最新の働き方を取り入れた魅力的な環境をアピールすることで、優秀な人材を惹きつけ、会社の未来を担う新しい力を育てていきたいと考えています。

BZ空間■壮大な歴史を礎に、大きな変革を乗り越え、明確なビジョンを持って未来へこぎ出そうとされている力強い意志を感じました。本日は、誠に貴重なお話をありがとうございました。

ハスクバーナ・ゼノア株式会社
企業名 ハスクバーナ・ゼノア株式会社
施設・所在地 川越本社・テクニカルセンター
埼玉県川越市南台1-9
狭山事業所 物流センター
埼玉県狭山市広瀬台2-2-8
CBRE業務 共通:基本計画案作成、プロジェクト予算案作成支援、マスタースケジュール案策定支援
工場再編:T&T によるプロジェクトマネジメント、ロジスティクス・アドバイザリー
倉庫再編:プロジェクトマネジメント、新拠点の賃貸仲介、ロジスティクス・アドバイザリーによる庫内レイアウト
新本社オフィス構築:プロジェクトマネジメント、ABW導入に向けた働き方調査・コンサルティング
解体工事:プロジェクトマネジメント、土地オーナー協議支援

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上記内容は BZ空間誌 2025年秋季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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