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歓迎される物流ファンドの上場

国内初の物流特化型J-REIT、その誕生の背景と特徴

スタンダード・アンド・プアーズ
ストラクチャードファイナンス部 主席アナリスト 大室 友良

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物流ファンド上場を市場&投資家は歓迎

J-REIT市場が誕生して4年半を迎え、7月中旬には22銘柄、時価総額は約2.5兆円に達しています。不動産市場はややオーバーヒート気味であり、ファンド間の物件取得競争の激化による購入価格の高騰などから、利回りの低下が懸念されています。そうしたなかで、今年5月に上場した日本ロジスティクスファンド投資法人は、  物流施設"という新たなアセットタイプに特化したファンドであり、市場や投資家が待ち望んでいた展開といえるでしょう。

先行するオフィス系のJ-REITが、外部成長を達成しセカンドフェーズを迎えつつあることや、市場の過熱感が周知の事実となっていることも、初の物流施設特化型J-REITへの投資を促すインセンティブになりそうです。その意味で、非常にいいタイミングの上場だったと思います。

また、その背景としてあるのが、物流業界における3PL(サードパーティロジスティクス)の潮流でしょう。これは、今後加速することはあっても減速するとは考えられません。物流の構造改革に伴って、物流不動産が投資家の手に移っていくことは必然的な流れであり、課題の一つである市場データ等の整備も、物流ファンドの増加と共に進んでいくものと思われます。

米国では、1980年代終わり頃から物流施設に特化したREIT(インダストリアルREIT)が登場しました。今ではインダストリアルREITは米国REIT市場の10~15%を占めるまでになっており、機関投資家に認知されています。日本においても、今後複数のファンドが上場して情報が開示されていけば、透明性も高まり、市場で十分な割合を占めるアセットクラスになるものと思われます。

物件自体の評価が難しいアセットクラス

ただし、これまでのオフィスやレジデンスといったアセットクラスとは、扱うプレーヤーがまったく異なりますし、一般投資家にはまだ馴染みの薄い市場です。また、物流業界には独特の商慣習が残っていることから、運用会社には物流に対する高いスキルやノウハウ、物流業界に対する広範なネットワークが求められるでしょう。物流ファンドではオフィスやレジデンス以上に運用会社の運用能力が重要になります。また、オフィスやレジデンス以上にテナントの信用力やその物流戦略に左右される面もあり、ファンドの判断に不可欠な物件そのものの評価がなかなか難しいといえます。その点では参入障壁が高いアセットクラスという側面を有しています。

テナントとなるメーカー各社において、物流はビジネス戦略上のコアであり、業種・業態、企業によっても物流戦略上の最適立地や物流施設のスペックが異なります。特にBTS(ビルド・トゥ・スーツ)型の物流施設の場合、キャッシュフローの安定性や競争力を評価するには、テナントの中長期経営計画や物流拠点戦略上、対象施設がどう位置づけられているのかといった点まで把握する必要があります。

こうしたことから、日本において物流業界に精通する総合商社をスポンサーとするファンドが、トップを切ってJ-REITに上場したことは、当然の流れではなかったかと思います。米国では3PLを前提にした汎用性の高いマルチクライアント型の物流施設がREITの中心になっていますが、BTS型でシングルテナントだからリスクが高いとは必ずしも言い切れません。運用会社のスキルやノウハウによることはもちろんですが、その施設がテナントの物流戦略のコアとなっており、テナント自体にも信用力があり、長期契約を結んでいるならば比較的リスクは少ないと見ることができます。また、BTS型でシングルテナントであっても、ファンド全体として物件数が多ければポートフォリオ全体のリスクは下がります。日本ロジスティクスファンドの場合、上場時の物件数は6物件と少な目ですが、無借金でスタートしており、今後物件を増やすことでリスクヘッジを図っていくものと思われます。

すでに物流不動産の賃料データなどが整備され、投資家にも投資対象として認知されている米国と、市場データが未整備で物流改革も道半ばの日本とでは、投資家を惹きつける戦略が異なっていても不思議ではありません。日本の場合、物流不動産の市場データが少ない上、商業施設のように売上高や月坪効率といった賃料の妥当性を判断する基準も定まっていませんから、運用会社の能力やテナントの信用力をアピールしたほうが投資家には分かりやすいという面があるのは事実といえます。

運用会社の運用能力と物流施設の質が決め手に

大東物流センター

今後、J-REIT市場における物流特化型REITの割合が米国並みになるかどうかは分かりませんが、第二、第三のファンドが上場する可能性は高いものと思います。J-REITの中心が今後もオフィスやレジデンスであることは変わりませんが、これらのアセットクラスは競争が激しく差別化も難しくなっていますから、補完的な存在としてリテール(商業施設)や物流施設、また、それ以外のアセットクラスが投資対象として登場し、選択肢が増えることは投資家にとっても望ましいことでしょう。

J-REIT市場全体では、今後5年間で40ファンド程度、時価総額にして5兆円規模になるのではないかと予測しています。その後は、米国で起こっているように上場ファンド間における統廃合が起こるでしょう。投資家の選別の目は厳しくなり、投資家本位のつくり込みや十分な情報開示をしていないものは淘汰されていくと思われます。物流不動産セクターでは、運用会社の運用能力と物件自体のクオリティが最大の決め手となりますが、加えて、それをいかに投資家に分かりやすく伝えるかもポイントになってくるに違いありません。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2005年秋季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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