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森ビル|平成のオフィスマーケットを振り返る

圧倒的な存在感で東京の最先端を走ってきた。
平成の時代を経ても、なお挑戦し続ける街。

森ビル 執行役員 営業本部 オフィス事業部 森 賢明氏

 

森ビル
執行役員 営業本部 オフィス事業部
森 賢明

アークヒルズから始まり、集大成の六本木ヒルズへ

平成の折り返し地点、平成15年に竣工した六本木ヒルズは、開業から現在に至るまで、国内外のトップ企業の日本における重要拠点に相応しい場を提供してきました。六本木ヒルズの歩みを振り返るうえで、多彩な都市機能を一つの街に融合させたコンパクトシティとして、新しい都市モデルを形成したアークヒルズの存在に触れないわけにはいきません。

日本初の民間による大規模再開発として誕生したアークヒルズは、昭和61年に竣工しました。当初、テナントの大半を占めていたのは外資系金融機関です。その背景には、外資系企業に対する規制緩和と、それに伴う外資系金融機関の日本市場進出の増加、拠点の規模拡大がありました。急増するオフィス需要に対し、当時のオフィスマーケットは供給が追い付かず、そこにワンフロア約1,000坪というメガプレートを供給したのがアークヒルズだったのです。

最先端設備を備えたインテリジェントビルであり、オフィスや店舗、レジデンス、ホテル、ホール・スタジオから構成される複合施設。なにより「住む」「働く」「遊ぶ」のすべてを網羅した「24時間都市」としての機能が、他にはない特色でした。戦後日本では、都心部に中小規模のオフィスビルが乱立し、郊外に開発されたニュータウンから往復2~3時間かけて通勤するのが一般的。この移動に費やされる時間ロスを解消する職住近接の先駆けがアークヒルズだったわけです。また、港区には多くの大使館が立地し、外国人居住者も多かったことから、元々外資系企業に馴染みの深いエリアでした。これらの要素が外資系企業のオフィスニーズにマッチし、多くの企業誘致に成功したといえます。外資系企業をテナントに持つようになり、我々も外資系企業がオフィスに求めるニーズを直に汲み取ることができるようになりました。そして、アークヒルズで得た知見が、その後の六本木ヒルズに繋がっていきます。

外資系企業からIT企業まで、選ばれ続ける理由

平成15年、「文化都心」をコンセプトとする新しい街として六本木ヒルズが誕生しました。世界の主要都市やそこで活躍するプレーヤーを見て、「文化」こそが都市の成長の原動力であると考え、その象徴としてタワー最上層部に森美術館をはじめとする文化施設・森アーツセンターを設置。アートとインテリジェンスが融合した「アーテリジェント・シティ」を標榜し、世界中から人が集まり、異文化交流の中から、新しいアイディアや情報が発信される拠点となりました。最上階までオフィス用途に使うことを至上とした従来型のオフィスビルのあり方にも一石を投じ、開業から現在に至るまで営業上最も大きな差別化ポイントとなっています。

入居テナントとしてまずターゲットにしたのは、外資系企業でした。ゴールドマン・サックスさんと当時のリーマン・ブラザーズさんが、アークヒルズから拡張移転で入居を決めてくれたのは大きなトピックでした。ほかにも当時台頭してきたIT企業の誘致も実現しました。六本木ヒルズの開業は、新築ビルが大量供給された、いわゆる「2003年問題」の年と重なります。景気後退と相まって借り控えが広がり、六本木ヒルズのリーシングも苦戦が予想されました。しかし完成後は一転、圧倒的なインパクトの大きさから契約は順調に進み、1年後には満室に近い状態になりました。

六本木ヒルズが外資系企業に選ばれた理由の一つに、ワンフロア面積約1,300坪のメガプレートがあります。この規模は今でも都内最大級ですし、超高層ビルに限れば、いまだ類を見ない規模でしょう。メガプレートは外資系企業に限らず、社内コミュニケーションを重視する企業のニーズも満たすものでした。当時、入居されたお客様と話をすると、「社員が同じ空気を吸っている感覚が大事」という発言をよく耳にしました。ワンフロアへの集約を志向する企業は今でも多く、むしろ増える傾向にあります。

外資系企業のBCPに対する意識は当時から高く、自家発電施設も大きな評価をいただきました。BCPへの意識が高いテナント企業は、独自に非常用発電機を設置して災害時のリスクに備える場合もありますが、我々は街全体として安定性の高い中圧ガスを燃料とする自前の発電施設を持つことで、「どんな場合にも電力の安定的供給を確保」できるのが強みです。この点では、現在も唯一無二の存在です。非常時のバックアップ電源をどうするかは、外資系企業がオフィス選定で最も重視する事柄の一つです。一方、多くの企業がその重要性を認識し始めたのは平成23年の東日本大震災以降のこと。図らずもこの震災をきっかけに、六本木ヒルズのBCP対策が改めて評価されることになりました。

また、今では珍しくないセキュリティゲートですが、これも我々が最初に導入しました。平成13年の米国同時多発テロの直後に外資系企業の要望を受けてアークヒルズ、続いて六本木ヒルズに導入したものです。

アークヒルズ同様、六本木ヒルズでも、多様な都市機能を集約した職住近接のコンパクトシティを実現しました。BCPやセキュリティ対策に積極的に取り組み、安全・安心なオフィス環境を提供するだけでなく、快適に暮らせる住環境やアートやエンターテイメントを楽しめる文化施設もあり、働き、住み、憩い、楽しむ豊かなライフスタイルを提案しています。この点も、外資系企業の入居の決め手の一つになっていると思います。

開業当時と比べて、テナントの顔触れは大きく変化しています。IT企業躍進の象徴とも言えるヤフーさんや楽天さん、コナミさんなどの企業は、入居時はそれほど広いスペースではなかったものの、企業の成長に伴い建物内で増床をくり返し、やがて拡張のスピードに我々の供給が追い付かなくなると、より広いスペースを求めて転出していきました。一つの建物で供給できるスペースには限りがあるため仕方がないことではありますが、見方を変えれば、大きな成長の可能性を秘めた企業を誘致できた証拠とも言えます。成長企業の転出で空室が出始めた頃、追い打ちをかけるようにリーマンショックが発生。それによりマーケット全体が冷え込み、空室解消に苦労しました。ただ、ヤフーさんなど国内IT企業が転出した後の空室を埋めたのは、グーグルさんやアップルさんなど外資系IT企業だったのです。世界の名だたる企業が日本の拠点を六本木ヒルズに置き始めているのは、注目に値する現象です。これらのケースも、文化的要素、巨大フロアプレートやセキュリティ、電源バックアップなど六本木ヒルズ独特の魅力が評価されたものです。

“街”の運営で、独自の魅力を追求し続ける

森ビル

六本木ヒルズの開業から15年が経ちました。その間にもマーケットには最新ビルが大量に供給され、競争は激しくなっています。ただし、建物のスペックは、この15年間でそれほど変わっていません。ハードで差が出ないのであれば、勝敗を決めるのはソフトの部分でしょう。我々は、オフィスワーカーや来街者、居住者など六本木ヒルズの利用者にどうすれば満足していただけるかを常に考え、ソフト面を進化させてきました。

最大の特長は、六本木ヒルズを構成する様々な施設を一つの街として運営するタウンマネジメントです。例えば六本木ヒルズの自治会には、居住者だけでなく、オフィスで働くワーカーや、商業店舗やホテルの従業員など六本木ヒルズを構成する人たちが参加しています。毎月1回開催される自治会主催の街の清掃イベントをはじめとする様々な活動を通して、皆で一緒に街を育んでいます。また、商業施設のテナントに対しては、従業員向けホスピタリティ研修を定期的に開催しています。六本木ヒルズ全体でおもてなしの品質を高め、来街者に満足して帰っていただきたいという想いがあるからです。

六本木ヒルズを舞台に先端テクノロジーの実証実験にも積極的に取り組んでいます。米国のライドシェア企業Via社と連携したオンデマンド型シャトルサービスの実証実験では、森ビル社員が出勤時、外出時、帰宅時に利用することで様々なデータを取得し、サービスの有用性や発展性を検証しています。交通インフラのみならず様々な都市課題を解決するための実証実験の場を提供できるのも、我々が“街”を運営しているからといえます。

働き方改革が叫ばれるなか、今後は街全体をワークプレイスと考える企業が増えていくのではないでしょうか。優秀な人材を確保できるかどうかは、そこにかかってきます。ワーカーが働きたいと思う環境を提供できるよう、また、来街者や居住者にとっても魅力的で居心地の良い街になるよう、我々はこれからも挑戦し続けます。

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上記内容は BZ空間誌 2019年春季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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