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賃貸物流倉庫・大型貸し倉庫の記事

地元物流事業者の戦略 物流センターでのビジネス展開

山九株式会社
福岡支店 支店長 山根 徳男
副支店長 朝長 英一郎

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アジアへの玄関口として海外物流と国内物流をつなぐ

当社の創始者である中村精七郎は、大正の初めに、今なら300億円ほどとなる私財を投げ打って博多湾築港に貢献しており、博多港とは非常にゆかりの深い人物です。中村汽船という会社を作り、呉の造船所への石炭輸送や、八幡製鉄所の鉄鉱石輸送などを請け負っていましたが、現地での荷役作業を請け負う会社として設立したのが山九です。

山陽と九州を意味する社名の通り、その後、九州をベースに事業展開。昭和34年には本社機能を東京へ移し、首都圏や関西圏へも、広く拠点展開を行っています。事業としては、物流事業、プラント操業、プラントメンテナンスの3つが主な柱。なかでも私ども福岡支店は、物流事業をメインにビジネスを行っています。

福岡の物流は、なんと言っても中国を中心とするアジアへの物流が中心です。私どもは早くから中国に進出しており、現在、中国での現地法人は11を数えます。現地法人を通じてお客様とのネットワークを築き、アジアとの玄関口としての立地を生かした物流事業の展開が最大の競争優位性です。同時に、私どもは東京を核とする首都圏、関西圏、名古屋圏の開発にも力を入れており、そういった国内ネットワークと、中国を中心とする海外ネットワークをつなぐことで、今後の事業拡大を図っていく考えです。

点在する物流拠点を集約し最新型物流施設を開発

こうした事業展開を図る目的から、博多港を中心に点在していた既存の倉庫を集約し、新たな物流センターを開発したいという構想は、10年ほど前からありました。加えて、箱崎ふ頭で所有していた倉庫は既に築30年以上を経過し、当初は斬新だったランプウェイ方式も、取扱荷物にコンテナ貨物が増えるにつれて、使い勝手が悪くなってきていました。このような古い倉庫を改修するよりも、今必要とされる最新型倉庫を新たに作ったほうがいいだろうと考えたのは、ごく自然ななりゆきだったといえるでしょう。

新しい拠点を開発するにあたっては、香椎浜パークポートやアイランドシティを含め、港湾エリアを中心に検討しました。そのような折、箱崎ふ頭で借りていた倉庫に隣接する土地を、同じ地主さんから購入できることになり、そこに延床面積8,000坪の倉庫を開発することにしました。既存の5,000坪の倉庫と合わせれば、13,000坪規模の一大拠点になります。トータルで運営できるスケールメリットが大きな魅力でした。

自前で倉庫を作ったのは、自分たちで開発することで物流ノウハウを蓄積したいと考えたからです。また、どうせ作るなら、現在福岡で主流の3,000坪や4,000坪クラスを作るのではなく、少なくとも8,000坪クラスの倉庫を作りたい。倉庫が小さければ、それに見合う仕事しかできませんし、今後、取扱量を増やしていくためには、ある程度の大きさの倉庫が必要だと考えたわけです。

流通加工から梱包まで幅広いニーズに応える多機能倉庫

山九株式会社 福岡物流センター

今回新設した福岡物流センターは、4階建の倉庫棟と、平屋の梱包センター、4階建の事務所から構成されています。その開発のコンセプトは、「多機能」です。 まず、使い勝手と利用効率を追求した構造が特徴です。コンテナ貨物に対応したプラットフォームと、その裏側には低床バースを設置。倉庫の面積を広く取ることで、フォークリフトの運転や、床上での細かな作業を行いやすくしています。また、多層階倉庫の上下の連携を高めるため垂直搬送機を設置。床置式の台車も、そのまま上階へ上げることが可能です。

倉庫のもう一つの機能が、温度管理です。15℃前後で定温管理できる部屋が2室あり、化学品や食品、精密機械などの取り扱いを想定しています。また、その上の階を中2階にして、温度管理した状態で流通加工を行えるようにしています。

梱包センターは、コンテナ用の梱包作業に対応するため、10トン規模の天井クレーンを2基設置しています。従来は、梱包といえばプラント関係の大型設備を梱包して輸出するケースが多く、当社も北九州に所有していた大型梱包センターで行っていました。ところが、時代とともに九州発の荷物の種類も変わってきており、最近では熊本や佐賀に進出した液晶関連や半導体メーカーからの小型製品や、自動車関連の部品メーカーや製造設備メーカーからの製品の輸出が多くなってきています。そういった製品は、小ロットでコンテナに詰められて輸送されるため、コンテナ用の梱包がこれからの主流になってくると思われます。当社の梱包センターも、これらのニーズに対応するものとなっています。

山九株式会社 福岡物流センター内部

このように、荷物の保管だけではなく、いろいろなサービスを組み合わせてお客様に提供していくのがこの施設の狙いです。これは、ある程度の大きさの倉庫だからこそ実現できたことだと思います。特に梱包については、福岡では同業者が少ないこともあり、「山九さんは梱包もできるんですね」とこれまでお付き合いのなかったお客様からも声をかけていただけるようになりました。当初は輸出コンテナ向けの梱包を狙っていましたが、ふたを開けてみれば、輸入コンテナの開梱の仕事の話なども舞い込むようになり、仕事が確実に広がっています。

荷役作業の統合で作業品質が高レベルで平準化

物流拠点を集約するということは、荷役設備を集約するだけでなく、そこで働く人を集約したり、事務所を集約したりすることでもあります。物流センターの新設にあたり、これまで各事務所に分散していた営業部や業務部を統合したことで、情報交換をスムーズに行えるようになりました。現在、九州の本部は北九州にありますが、福岡物流センターの状況次第では、将来的にここに本部を設置することも考えられると思います。

山九株式会社 福岡物流センター

また、働く人が集約されることで、サービスの品質向上にもつながっています。どういうことかというと、拠点が分散していた頃は、現場によってお客様から求められる仕様が異なるため、お客様への対応やサービスの質がまちまちでした。ところが、現場が1ヵ所に統合されることで、現場のスタッフや責任者の交流が増え、より質の高いレベルに全体的に引き上げられたのです。現場が集約されることで、荷役作業の効率化が図られるだけでなく、作業品質が高いレベルで標準化されたことは、大変意義深いことだと思っています。

これを機に会社としても、クオリティマネジメントシステムやお客様への情報提供サービスなど、新しいシステムをまずコア部門に導入し、全社的に水平展開していく取り組みを積極的に行っていきたいと考えています。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2008年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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