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賃貸オフィス・事務所の記事

オフィス計画(前編)世間一般のオフィスは何㎡ <オフィス計画編>

オフィス標準の導入と世間値

オフィス移転を考える際、検討事項として第一に挙げられるのが、“実際のところ、どのくらいの面積が必要なのか”ということだろう。これは、施設計画の根 幹を成し、企業の生産性、競争力を左右する重要なテーマであるが、個々の企業の事情によって解答は1つではない。では、自らにとって適正な解を導くために は、まず何が必要なのか。

文 パワープレイス株式会社 マーケティング部室長 小谷 江

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企業にとってのファシリティマネジメント

現代の企業は、エコロジーやコンプライアンス、PLといった社会的責任の拡大や、バブル崩壊後のデフレ、地価の下落、グローバル化といった経済状況の変化、そして情報技術の進展により、過去の成功体験や従来のビジネスプロセスが通用しなくなり、ビジネスの在り方の変化を迫られている。その中で、ビジネスのスピード、品質向上、コストダウンを図るため、企業は様々な方策を実行に移している。近年、ファシリティマネジメントに対する企業の認識が高まっているのもその一端である。

過去には施設管理者の仕事は営繕が中心だったかもしれない。しかし、社会が変化した今、その仕事の範囲は広がり、かつ重要性が増したため、部署内で完結できるものではなくなっている。このため、施設作りには経営者、財務部門、人事部門、総務部門、情報システム部門、ユーザーなど、それぞれ見方が異なる立場の関係者から出される要件を、全体として最適化することが求められる。施設管理者は、これら個々の要件を理解・認識しながら計画を行い、説得をする材料を用意しなくてはならない。施設計画を推進するためには、広範囲な知識と高度なスキルが要求されるのである。

一方、新しいワークスタイルに対する取組みを行っている企業は、決して少なくないことも、また事実である。SOHO、アクティビティ・セッティング、フリーアドレス・オフィス、モバイル・オフィス、ユニバーサル・オフィス等々(注)、近年様々なオフィス形態が生まれている。その成果は、仕事とプライベートの両立であったり、オフィス運営費の低減、仕事の成果物品質の向上、プロジェクトの期間短縮であったりと華々しい。先進事例を見習い、自社でも実践したいという声は、いずこともなく湧き上がっていることだろう。

ただし、これらの取組みは、まだ始まったばかりに過ぎない。事実、先進的なオフィス作りに取り組んでいる企業でも、実験的なものであったり、特定の部門のみに限られるケースが多く、企業内の標準として運用されている大部分のオフィスは、一見普通のオフィスであることが多い。なぜなら、新しいスタイルのオフィスでは、軽量コンパクトなノートPCや無線LAN、会議室やワークスペースの予約システム、構内PHSやIP電話など最新のIT設備を必要とする。さらに、仕事の進め方、勤怠管理、人事評価など従来型の仕事のやり方とは異なる運営手法も必要になる。加えて、そこで働くワーカーも新しいオフィスの使い方に慣れなくてはならないし、新しいワークスタイルに気持ちよく移行しなくてはならない。これだけ多くのことをクリアするには、相応の労力とカネ、時間がかかるのである。一気呵成に新しいワークスタイルに移行できるものではない。それでも、多くの企業が社会の変化に合わせ小さな改革を積み重ねており、着実に変わってきている。窓側の管理職席のひな壇を減らしたり、更衣室を廃止して共用のコート掛けにするなど、新しいオフィスの運用ルールやレイアウトルールなどを、オフィス標準として定める動きが活発化している。

SOHO :(Small Office & Home Office)
小規模オフィスや家庭へ仕事の場を分散することにより、多様化するワーカーニーズへの対応、通勤や移動時間の合理化、環境負荷の改善などを図ったオフィス形態。

アクティビティ・セッティング:
個人執務スペース主体に構成されてきたオフィスを、業務機能の観点から見直し、共用の機能スペース(ドロップインやプロジェクトスペース、コンセントレーションコーナーなど)により構成したオフィス形態。

フリーアドレス・オフィス:
個人毎の執務デスクを共用の執務デスクに置き換えたオフィス形態。多くの場合は在籍者数よりも少ない席数に設定することにより、不在時の空席、オフィス面積の合理化を図る

モバイル・オフィス:
移動時間の有効活用、機会損失の低減を図るため、車内、航空機内、公共施設などで仕事ができるようにしたオフィス形態。

ユニバーサル・オフィス:
組織改変や、異動時のレイアウト変更にかかる工事費用や計画費用、業務停止期間の短縮を図るため、機能スペース(会議室やコピー室など)やデスクの配置を均一化することにより、レイアウト変更の際はデスクを動かさず、人のみが席を替わるオフィス形態。

オフィス標準

オフィス標準の導入は、施設改変時の計画にかかる時間とコストの合理化や、オフィス機能の担保、ワーカーに対する処遇のレベル維持、部門間の公平性 維持などを目的として、ファシリティマネジメントの最初の取組みとして行われることが多い。しかし前述の通り、そこには企業の経営戦略、文化、財務方針、 人事戦略、地域性など様々な要素が関わるため、標準を決めるにも担当者や施設管理部門の一存では決めることのできないテーマであり、本格的に行うには決し て簡単な業務ではない。施設管理者が単独で計画を進めてしまった場合、人事戦略や情報システム戦略などと整合が取れなくなり、折角の投資の効果も半減しか ねない。

私が過去に関わったあるプロジェクトで、営業部門のフリーアドレス・オフィスを作った際に、情報システム更新のタイミングが、施設計画と合わなかったこと がある。情報システム部門では予算申請にノートPCを想定しておらず、ノートPCは数人に1台しか配布されないという事態が起こった。これでは事実上フ リーアドレスなどできるわけがない。しかも、構内PHSが同じタイミングで導入されたが、運用ルールの作成が遅れたため、営業の外出時にかかってきた電話 を探して事務員がウロウロしたり、着信音が同じで誰の電話が鳴っているのか分からないなど、不満が続出した。現場は混乱し、有名無実のまま失敗のレッテル を貼られてしまうという痛い経験となった。施策側の足並みがそろわないことによる、現場への影響は大きい。しかも、一旦決めた標準が企業内で定着するには 数年の期間が必要であり、定着できずに看板倒れに終わった例を過去何件も見てきた。

では、何が原因か

私のオフィスデザイナーとしてのこれまでの経験から言えば、多くのワーカーは普通のオフィスを知らない。企業の施設管理者でさえ、そうであることが 多い。「私たちのデスクは1.6m幅ですが、世間的にはどうなんでしょうか」、「ウチの事務所は狭いので、机と机の間隔が2mしかなくて恥ずかしい」など と“普通”を気にしたり、驚くような顧客の言葉を耳にすることは意外とある。これは、多くの日本のワーカーが、転職やインターンなどで他企業を知る機会、 他のオフィスで働いた経験を持たないことが多いためだろう。

そのため、ユーザーは自分たちの要求が過剰なのか、控えめなのか判断する根拠に乏しく、施設管理者は計画のグレード感に自信を持てず、財務や情報 システムなどの関連諸計画は歩み寄りどころを探りかね、経営者は答申を受ける判断材料が不足する、ということになる。このことは、オフィスを語るうえでの 共通言語が、もっと必要であることを意味している。

施設管理者が計画を語るうえでの最も基本的な言語は何だろうか。「数字」である。施設作りに関わる誰もに通じ、説得力を持つ。金額、収容人員数、 面積、収納量、期間等々……施設計画は、数字で語られなければならない。無論、美観や働きやすさ、品質など、数字では表現しづらい事柄もあり、それらを軽 視することはできないだろう。しかし、数字で表現できない事柄は、それを説明する相応のスキルと、説明を受ける側の理解するスキルを要する。施設管理者 は、まず数字を押さえておくべきである。

「パワープレイス 施設面積データベース」

オフィスの面積に関するデータは、世の中にいくつかある。当社(パワープレイス(株))でも、過去には、顧客施設管理者からの問合せに対し、公的に 入手できるアンケート調査結果などを引用し答えてきた。しかし、顧客の用途は、役員会資料や上司への報告書であり、リアリティのある確かな数字であること を求められていたものの、その数字は我々としても感覚的にリアリティが高いとは言いがたく、ジレンマを抱えていた。

 そのため、当社では現在、これまでの経緯から施設管理者が指標として扱うことのできる数字の重要性を鑑み、顧客企業に対する設計事例から用途別面 積等のデータを採取し、独自の「施設面積データベース」としてまとめている。この結果、従来の公的に入手可能なアンケート調査結果とは異なる数字となった が、リアリティ、正確性ともに高いものと評価されている。

パワープレイス施設面積データベース / 収納量の世間値

レイアウト図面と図面固有の数値は顧客企業に対する守秘義務対象であるため、統計的に処理した数値のみを提供しているのだが、前述の通り、施設計画を行う 際の比較対照の「世間値」として広く活用されている。もちろん、当社自ら顧客に説明するための資料として活用していることもあり、精度には非常に気を遣っ た。施設面積データベースの特徴は、以下の通りである。

地域を限定
首都圏に限定することにより、地価に起因する賃料、建築費の間接的に反映された施設面積のリアリティを向上。
規模を限定
執務席50席以上の施設に限定することにより、平均値が小規模オフィス寄りに広くなることを防止。
一般に、小規模なオフィスほど一席当たり面積は広くなるためである。
データ収集者を限定
施設を理解したオフィスデザイナー自身が、CADを用いて集計することにより、
面積計測精度を向上させ、数値採取基準のブレを防止。
図面を限定
施設全体が網羅されている図面のみに限定し、データサンプルの精度を向上。
一席当たり数値
一人当たり数値に比べ、オフィス形態の違いによる余剰席、共用席の多寡のバラツキに影響されにくいため、
面積評価の公平性が高い。

オフィスを計画する際に最もよく出てくるワーカーの不満として、次の3つが挙げられる。すなわち、「オフィスが狭い(もしくは、何かしたいが面積が足りない)」、「書類の収納スペースが少ない」、「会議室が足りない」といったことである。無論、充分に広いオフィスへ移転すればそれですべて解決するのだろうが、施設管理者としては、そのような安易な結論を導くことはないだろう。ならば、何らかの方法でワーカーと経営者を説得しなくてはならない。そこで引き合いに出されるものの1つが、前述の「世間値」である。「パワープレイス施設面積データベース」には、当然この3つの課題に応える数値も含まれている。当社ホームページを通して配布しているので、是非活用していただきたい。

施設計画をまとめるには

施設計画の共通言語として、「世間値」の重要性を説明してきたが、もちろん、これを振りかざすだけでは計画を進めることはできない。私はこれまで多くのオ フィスを見てきたが、企業毎に実に多様なものであった。世間値が大切なことも事実だが、オフィスの在り方は企業毎に異なることもまた事実である。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2004年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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