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企業庁開発用地

時代の変化とともに的確に方針転換
理想的な発展を遂げた、工業・物流集積地

千葉県企業庁 地域整備部
土地分譲課 工業・物流系分譲室 矢吹 良介

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地の利のメリットとプラス・アルファ

羽田・成田の両空港へのアクセスが良く、高速道路のインターチェンジ(舞浜ランプ)至近、最大の商圏・東京に隣接するうえ、大区画の敷地――といったメリットが評価されている浦安市千鳥。人気が人気を呼ぶ形となって、2003年頃から大型の物流施設の進出が相次ぎ、活況を呈してきました。最近の流通業界の業績回復、また不動産証券化の流れと時代の波に乗り、地価も上昇基調となっています。

千鳥は交通アクセスの良さが強調されていますし、事実、企業進出の際、そこが一番の決め手となっているのは確かです。しかし、その他にも、県主体の開発であるため権利関係がきれいで、取引の手続きが簡単・明瞭でワンストップ。また、これまで県が保有してきたことから土壌汚染などの心配がないといった点も、進出を後押しする要素として挙げることができるでしょう。

ことに、まとまった土地を取得しようとすると、地権者が複数であるケースが多く、契約まで長い期間を要すことも多々あります。資金的にも時間的にもロスが多く、事業計画を予定通り遂行できないことになりかねません。契約時にしても、電波法や道路交通法、都市計画法など、工場・物流拠点進出に関連する様々な法的問題がクリアになっていることは、民間同士の取引に比べ、手続きの手間に格段の差があることは明白です。近隣住民との折衝や説明会の開催といった手数も不要。企業庁からの土地購入の利点は、決して手数料がないことだけではありません。

造成に関しても、県が行っているので安全性が確保されていますし、事前の調査・確認も容易にできます。そして、昨今問題となっている土壌汚染。一度汚染された土地は転売が難しくなり、また、所有者には汚染の除去等が義務づけられ、その費用は多大なものです。知らずに入手してもこの費用は負担しなければなりませんから、そういったリスクをみても、公の土地、県が開発し所有してきた土地の安心感というのは、見逃せないメリットだと考えます。

時代の趨勢とともに変化する土地利用

もともと、千鳥を含む浦安地区の工業用地としての歴史は、1963年、鉄鋼需要の増加を見込み、東京湾の埋め立てが認可されたところから始まります。

1950年代後半からの高度経済成長にあって、東京湾の水質汚濁が問題になり、浦安で行われていた漁業の漁獲高が減少。漁民の間で生活問題が論議されるようになりました。そのプロセスで、埋め立て事業を推進し、その補償をもとに生活の安定を望む声が高まってきました。県として、漁民の転職先や就労場所を確保しなければならなかったことも一因ですが、東京近郊に鉄鋼業集積地が必要とされていたという時代背景もあります。1961年に交渉が妥結、1963年に浦安地区の埋立免許申請、1965年に工事着手。この時造成された土地が、現在のディズニーランドと、鉄鋼流通基地として整備された鉄鋼通りです。

そして第二期が千鳥。1972年11月に公有水面埋立免許を取得、同年12月から工事に着手しましたが、この時の開発には予納分譲方式を採用しました。この方式は開発前に募集を開始し売却するため、その収入を造成費に充てられるというメリットがあります。

その後、オイルショックを経て産業構造が著しく変化。重厚長大産業だけでは工業団地が成立し得なくなってきました。そして1995年当時、鉄鋼流通業以外からの立地希望が多くなり、土地需要に対する要望も多様化していたことから、同年、正式に立地業種を「流通・加工・業務」に拡大し企業誘致を行っていきました。この時期が物流施設集積地としての変革期ではないでしょうか。その後に進出された企業のほとんどは、物流拠点として活用することを検討されていると思います。

進出企業の高い満足度、住工分離にも一役

開発当初と比較すると、荒川河口橋の開通で国道357号線が東京へと直接つながり、また、舞浜ランプも開設されるなど、交通アクセスは格段に向上しています。逆に、交通渋滞を心配する進出企業もあったのですが、どうやら大丈夫なようです。地元サイドとしても、急激な物流機能の集積に、「交通問題は大丈夫か」という懸念を持っていましたが、一般の交通ラッシュと物流の搬入・搬出の動きはほぼ逆になるため目立った問題はなく、企業進出は歓迎という声が大きいのです。入居している企業の評価は「都心に近く便がいい。進出してよかった」というものであり、千鳥は県が開発した案件の中でも、最も成功した例の一つと言っても過言ではないでしょう。

ちなみに千葉県企業庁では、同地以外にも工業用地を所有し、企業訪問などをして誘致努力を重ねているのですが、千鳥に続いて習志野も完売。松崎、関宿、成田周辺もこれにひき上げられる形で誘致が進んでいます。やはり、交通アクセスが良い場所から決定しているようです。

現在、千鳥でわずかに残っているのは、浦安市が住工分離を行うため確保した市内工場移転用地のみです。ここについては、現在移転を希望する企業に対して、順次分譲手続きを進めているところです。

内規を見直し投資マネーにも対応

昨今、時代の変化に合わせ進出条件を見直した点として、土地の取得者と使用者が異なるケースが挙げられます。これまでは、企業庁の内規で取得者と使用者が同じであることを必須としていました。つまり、土地を購入し自前で建物を建て、そして自らがその場所を使ってビジネスを展開することが条件だったわけです。

しかしながら、この条件は、最近のビジネススタイルにそぐわなくなってきています。分譲地を購入した企業が物流施設を建設し賃貸する、あるいは特定目的法人を設立する、証券化する、投資マネーが入るなど、土地取得にあたって様々なシチュエーションが現れてきています。こうした潮流にフレキシブルに対応するため、規制の見直しが必要でした。

もちろん、「何でもいいから進出を」ということではありません。きちんとした計画を持ち、スキームがあるというのが前提です。このような対応も、近年の積極的な企業進出につながっていったのではないでしょうか。 昨今、時代の変化に合わせ進出条件を見直した点として、土地の取得者と使用者が異なるケースが挙げられます。これまでは、企業庁の内規で取得者と使用者が同じであることを必須としていました。つまり、土地を購入し自前で建物を建て、そして自らがその場所を使ってビジネスを展開することが条件だったわけです。

より良い環境を創造していくために

千鳥の販売は終了しましたが、これからは、より良い事業環境を創造していくことが重要になってきます。

同地は準工業地域ですが、あくまで物流と、鉄鋼・加工業に照準を合わせ開発された場所ですから、法律上は可能とはいえ住宅やマンション建設はふさわしくないでしょう。的確に規制しなければ、乱開発の懸念もあります。せっかく住工分離を行い、その施策に則って移転してきた工場の隣に、マンションが建設されてしまったのでは意味がありません。また、企業誘致にあたっては、地元への還元メリットも考慮していますから、全く異なる用途で使用されたのではその目的が果たせません。そのため、当初は取得後10年間、もし契約通りに土地利用がなされない場合は、県が土地を買い戻すという規約を設け、土地の転売や転用に規制をかけていました。また、転売目的の取得を防ぐことも必要でした。

しかし、10年というのはあまりにも長く、時代の急激な変化に追随できないのも事実です。そこで、この規制期間を5年に短縮し、さらに、事業計画通りに操業を開始すれば、5年を待たなくても、この特約を抹消することも可能という条件にしたのです。

ある程度の規制がなければ、良好なビジネス環境は保てません。厳しすぎれば、進出企業の自由な営業活動の妨げとなります。土地を所有した企業が、転売先の業種が限定されているため動けなくなるのであれば、経営上の足かせでしょう。この時代に、同じ業態、業容で企業を永続させることは難しいですから、資産の流動性は確保しなければなりません。また、流動性を高めなければ、土地に魅力がなくなり価格も低下してしまいます。環境の保全にあたって、これらのバランス感覚が、考慮のしどころです。

今後の規制は、都市計画法や浦安市の条例で行うことになりますが、現段階では住宅、マンションの建設は不可となっています。ホテルやレジャー施設がどうなるのかなど、具体的な使用目的については、浦安市との話し合いが必要でしょう。

他方、工場や物流施設以外の利用として、浦安市のクリーンセンター、斎場および学校給食センターが立地し、また地元の公共交通機関である路線バスの車両基地などが存在します。これらは、公共公益的施設として必要不可欠な施設でありますが、住宅地に設置することが難しいという判断から、県と浦安市が協議のうえ、立地を進めたものです。

これからどうやって良い街をつくっていくか。千鳥地区が物流拠点として成熟していくことを願い、進出企業と地元の浦安市とともに今後の街づくりについて協働していきたい所存です。 千鳥の販売は終了しましたが、これからは、より良い事業環境を創造していくことが重要になってきます。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2005年冬季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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