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支店・営業所でもABW⁉|CBRE名古屋支店 新オフィス

  • 2025年3月6日

協業を促進しクライアントに誇れるオフィスへ、
支店でも人が集まるABWの施策。

CBRE名古屋支店 新オフィス

その時々の仕事の内容に合わせて働き方を自由に選択できるアクティビティベース型ワークプレイス(ABW)。大手企業の主要拠点をはじめ導入事例は増えつつあるが、一方で、中小規模の支店等で取り入れるにあたって、意識すべき点には何があるのか。2024年9月に移転・導入したCBRE 名古屋支店のケースを紹介しつつ、その勘所を考えたい。

CBRE名古屋支店 新オフィス

カフェ・ラウンジスペース「RISE Lobby」。休憩・食事での利用だけでなく、リラックスした空間で執務したり、よりカジュアルな雰囲気で来客との打ち合わせを行ったりできるなど、ワークポイントとしての役割も果たす。東京本社や関西支社では先んじて、CBREの理念である”RISE”の名を冠するカフェ・ラウンジが設けられており、名古屋支店を同水準のCBREクオリティのオフィスに進化させていく上で、欠かせないスペースである。

企業の経営理念も体現するABW、CBREは世界全拠点で順次導入

ABWとはこれから行うアクティビティの種類にもとづき、社員が自主的に働く場所や時間を選べる働き方である。ここでいうアクティビティとは、一般的なPCでの執務のみならず、集中作業、部門間の連携、来客対応、機密性の高いミーティング、ビデオ会議、カジュアルな商談、在宅勤務、雑談、休憩など、ビジネスにまつわる、ありとあらゆるシーンを指す。これらに柔軟に対応すべく、デスクのフリーアドレス化やICTツールの配布・整備、フォンブースの設置、カフェ・ラウンジの整備など、ソフト・ハードの両側面から多様な施策をとるものであり、主にオフィス移転や改修を機に導入するケースが多い。

動的かつ変化に富むオフィスづくりにより、従業員エンゲージメントの向上や、生産性の改善、創造的なワークスタイルなどを目指す取り組みだが、あくまでも企業が目指す働き方、経営方針・理念などに沿う必要がある点には留意したい。検討の如何によってはABWを導入せず、従来のオフィスを継続する判断が妥当な場合もあり得る。本稿で取り上げるCBREの場合、当社は事業用不動産のグローバル企業であり、世界500以上の全拠点に、あまねくABWを導入していく方針を掲げている。これは企業ビジョンを体現するための独自のプログラム“ワークプレイス360”にもとづくもので、グローバルブランドの確立や事業部門間の協業・連携の促進、優秀な人材の獲得などを企図している。

CBREの日本法人では、2014年に千代田区・丸の内へ移転した東京本社を皮切りに、仙台支店、関西支社、金沢営業所、札幌支店、広島支店へと、ABWを順次導入。多様なサービスラインを抱える当社において、部門を横断したコラボレーションの促進などにつながり、ビジネスの裾野を広げ、飛躍する推進力となった。そして2024年9月、約50人(移転当時)規模の社員を擁する名古屋支店においても、将来の人員増への対応や、オフィス環境改善などを目的とした増床移転のタイミングで、ABWを取り入れる運びとなった。

CBRE名古屋支店 新オフィス

536.02㎡(162.15坪)の新オフィスではデュアルモニター席や、パーテーションで囲われたフォーカス席、電話やオンラインミーティングを気兼ねなく行えるフォンブースを充実させるなど、日常的な執務をサポートする多様なワークポイントを設定。それと同時に、壁の隔てがなく他部署とも気楽に話せるような、良い意味で「会社らしくない」空間づくりも両立している。

東京・関西の先行事例も参考に、クライアントに誇れるオフィスを目指す

名古屋支店の旧拠点では、メインのオフィスフロアにおいて、CBREが強みとするコラボレーションの阻害要因がいくつもあった。社員の分断を感じさせるような什器の配置、見通しを阻害するパーテーションなどの物的要因があったほか、ABWより先行導入していたフリーアドレス制が、あまり機能していなかった。また、来客対応や他社との協業を行う上での問題も。前述した閉塞感のある執務空間はもとより、エントランス・応接室はいたってシンプルな内装であり、いずれも来客に胸を張って案内できるような作り込みにはなっていなかった。

加えて、オフィスの賃貸仲介に軸足を置くCBREにとって、自社オフィスを通してワークプレイスの先進事例を提案できる機会があることが望ましい。中規模物件の需要が特に底堅い名古屋のオフィス市場においては、なおさらのことだった。

こうした背景を踏まえつつ、WPS※1、名古屋支店若手メンバーを中心に、まずは移転コンセプトの策定に着手。クライアントに誇ることができ、協業を促進、ビジネスのあらゆる側面でNo.1であるための環境を目指すべく、支店内での意見を「Be Proud」というコンセプトに集約した。 ABWが奏功し、次世代の職場環境を体現するショーケースとして機能している東京本社や関西支社をモデルケースに、ABWを軸とした課題解決に向かって動き出した。

CBRE名古屋支店 新オフィス通路

CBRE名古屋支店 新オフィス来客用会議室

CBRE名古屋支店 新オフィスフォーカス席(デスクタイプ)

約50人規模の組織編制である名古屋支店が導入に向くスケール

一般的に、ABW導入の検討にあたっては2通りのアプローチ〔①小規模拠点でトライアルを兼ねて導入後、主要拠点にも取り入れる ②反対に本社等主要拠点に取り入れ、その後他拠点でも導入〕があり、基本的に後者のほうが投資対効果の側面で大きなリスクを伴う。しかし、企業として目指すべきワークプレイスのモデルケースを確立し、その根幹にある経営ビジョンも含めて、全社へ波及させていく効果は高い。CBREは② の流れをとってきたわけだが、仙台支店や金沢営業所といった10人に満たない小規模拠点へも細大漏らさず導入してきたなか、折に触れて向き合ってきたのが「ABWに最適なのは、どの程度の人員規模からなのか」というテーマ。このような視点において、名古屋支店での導入は示唆に富む事例となった。

移転当時のヘッドカウントを50としていた名古屋支店は、今後の採用目標などを鑑み、新オフィスにおいては80までのキャパシティを想定。これに出社率やバッファ等を考慮した上で、社員とのワークショップ・ニーズ調査も交え、想定される各種アクティビティに応じたワークポイントを設定していくこととした。肝となるのが、各部門間の特性やそれぞれの人員規模を考慮して、スペースのバリエーションを考え、割り振っていく作業である。

前述したコラボレーション上の課題から、全体的には、社員間の交流を促進するオープンスペースの増設を志向。さらに、IP※2やPM※3といった部門を主として、提案・報告資料等の作成のため、腰を据えて集中作業できるデュアルモニター席やセミフォーカス席などのニーズが相当数あり、こうした声にも応える必要があった。一方で、支店の半数近くを占めるATSO※4やILS※5に所属する、外出機会が多い営業職員においては、長時間のPC作業をするためのデスクの需要がさほど高くなく、むしろ、外出先から帰社して再び出かけるまでクイックに利用できるワークポイントを求める意見が多かった。このように多種多様な意見を吸い上げ、新オフィスのバリエーションについて検討を重ねた。

意識した点として、各セクションへのヒアリングは1~3人といった少数ではなく、ある程度のまとまった人数を対象とし、その部門の最大公約数としての意見を聴取したことが挙げられる。ニーズの適正な把握につながるだけでなく、導入後のフィードバックも適切に得られやすくなるからだ。そのためには、1部門あたり少なくとも十数人以上が在籍しているのが理想的。さらにセクションのバリエーションとしても、少なくとも3、 4部門から多様な意見を吸い上げた方が、動的かつ変化に富むオフィスづくりにもつながりやすい。概算すると、導入にあたって理想的な総人数は、おおむね50人程度から。ABWを効果的に導入・運用できるであろう、閾値ともいうべき人数が、まさに名古屋支店の規模だった。

CBRE名古屋支店 新オフィス
CBRE名古屋支店 新オフィスコラボスペース(ファミレスタイプ)

CBRE名古屋支店 新オフィスコラボスペース(テーブルタイプ)

CBRE名古屋支店 新オフィスフォンブース

表面的な作り込みのみならず、企業自身がどう定義していくかも重要

レイアウトにあたっては、各種アクティビティを主に4カテゴリ(Solo,Focus,Collaboration,Social)に分類。まずは、その大枠の比率について検討した。結果的には東京本社とおおむね同程度の割合に定め、その後細かいオフィスの作り込みを考えた。このような過程で、東京・関西の仕様を参考にできないスペースもあった。例えば、集中作業のために会話や飲食を制限した「クワイエットエリア」。東京・関西においては整備されているが、名古屋支店の規模感では他のスペースを圧迫してしまうと判断され、採用は見送られた。また、東京本社ではクライアントとの共創を通じた革新を目指す学び合いの場「CBRE Idea Lab」という施設も設けられていたが、このような超実験的なスペースは望むべくもなかった。概して、良い意味での突飛な作り込みを行うほどの間取りの余裕がなかったのである。

しかし、そのようななかでも支店のオフィス戦略を社内外に示すことができるような箇所はある。象徴的なのが「RISE Lobby」と命名されたカフェ・ラウンジスペース。”RISE”とはCBREの理念である「Respect(敬意)」「Integrity(高潔)」「Service(貢献)」「Excellence(卓越)」の4つの頭文字をとった、当社を象徴する言葉だ。東京では「RISEカフェ」、関西においては「RISE Lounge」が、イベントやカジュアルな商談、社員間の交流の場として機能している。それらと同じくRISE Lobbyも、そのオープンな空間、名古屋の中心市街地を眺望できる開放感、リラックスして語らうことのできる内装が相まって、社内外へコラボレーションの重要性を示すスペースとなった。また先にも述べた、営業職員が手軽に執務できるワークポイントとしてのニーズにも対応。効率的な空間使いに上手くつなげている。多くの企業においてカフェ・ラウンジを設置するニーズは高いが、そこを働く場とするかどうかについては、意見が分かれるところ。効果的なスペース活用のために、対象箇所を企業自らがどう定義していくかも、ABWの重要な論点となる。

名古屋支店の導入プロジェクトは、社内の内情をよく知りつつ、ABWのノウハウに長けたWPSやPJM※6をはじめとする同社内の専門チームが手掛けたもの。すでに東京本社等、目指すべきオフィスのベンチマークもあったことで、他拠点の例に漏れず、スムーズな導入を実現した。それでも、導入拠点で実際に働く社員が考えるアクティビティ、その根幹にあるニーズを汲み取る過程には、細心の注意を払った。以上を概観して見るに、ABW導入にあたって「こうしたオフィスのバリエーションを備えれば、間違いない」というお作法的な施策、どのような企業でも活用できる、安易にパッケージング化されたプランニングなどは存在しない。導入対象が中小規模の拠点であろうと必ず、その拠点の特性を十分に考慮した、ワン・アンド・オンリーのオフィスを創造していく取り組みとなる点を意識したい。

CBRE名古屋支店 新オフィス

名古屋の中心市街地を一望でき、植栽をしつらえ、採光にも優れたソファ・ベンチスペース。オフィスで昼食をとる社員も多いことから、固すぎず、くつろぎすぎない「在宅環境に近い空間」を求める声にも応えている。旧オフィスの課題であった閉塞的な環境を脱するべく、このようなオープンスペースは随所に設置されており、場所によっては、よりクイックな用途に対応すべく、ハイテーブルが備え付けられた箇所もある。

CBRE名古屋支店 新オフィスハイカウンター席(RISE Lobby)

CBRE名古屋支店 新オフィス執務風景(RISE Lobby)

※1■WPS:ワークプレイスストラテジー。企業の活性化を促す、総合的なワークプレイスづくりを専門とする。
※2■IP:インベストメントプロパティ。国内外の投資家に向けて、不動産売買仲介などを手掛ける。
※3■PM:プロパティマネジメント。物件管理の支援等を担当。
※4■ATSO:アドバイザリー&トランザクションサービスオフィス。オフィスの賃貸仲介等を担う。
※5■ILS:インダストリアル&ロジスティクスサービス。物流不動産の諸サービスを提供。
※6■PJM:プロジェクトマネジメント。多様な不動産アセットの新築・改修のプロジェクトマネジメント業務を担当。ワークプレイスプロジェクトも領域とする。

シービーアールイー株式会社 名古屋支店

〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄4-1-1 中日ビル21F
TEL 052-238-1055

CBRE名古屋支店 新オフィス

CBRE名古屋支店 新オフィス

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上記内容は BZ空間誌 2024年冬季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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