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半導体エンジニアリング業 A社

知的コミュニケーションを促進する“クリエイティブオフィス”構築へ─。
業務改革を具現化した「移転プロジェクトマネジメント」の全貌は?

オフィス環境の整備による“業務効率向上”や“知的コミュニケーション活性化”は、社員の意識やワークスタイルの変革をもたらす「社内イノベーショ ン」の起爆剤になるなど、企業にとってのメリットは大きい。こうした「クリエイティブオフィス」の構築は、一部の企業─急成長企業やサービスプロバイダ系 など─の取り組みと思われがちだが、そのメリットを考えると、ほぼすべての企業に当てはまると言ってもいいだろう。

とはいえこうしたオフィス環境の改善には、コストやリソース、専門的なノウハウ/スキルなどが求められるため、二の足を踏む企業も多い。しかし厳しい景況が続く今こそ、自社のビジョンやコンセプトを具現化し、その社内浸透を図る好機ではないだろうか。

「エコノミークラスで働いている」よう?手狭かつ個人主義的なオフィス環境が課題に

A社は、半導体製造のプロセス技術を提供するエンジニアリング企業。同社は数年前、事業領域の拡大を目的にとある製造装置メーカーを買収した際、 30%近い増員メンバーを東京都中央区にある既存オフィスへそのまま転居させてしまったため、250坪(会議室や受付等含む)の面積に約120人という非 常に狭いオフィススペースでの業務を強いられていた。1人当たり約2坪という現状は、一般的な本社オフィスの基準である1人当たり3〜5坪からみても非常 に手狭と言わざるを得ず、社内からは「エコノミークラスで働いているようだ」という声が上がるほどであった。

加えて、現状オフィスには面積以外の問題もあった。各ワーカーのデスクは高いパーテーションで仕切られており、互いにコミュニケーションを取りにく い環境だったのだ。A社にはもともと職人気質の社員が多く、その意味では適した環境であったが、合併に伴う役員交代による新経営陣は、「コミュニケーショ ンが活発な組織への変革」、および「組織としてのパフォーマンスを生み出せる環境整備」という方向性を打ち出した。そして、その実現のためには早急なオ フィス移転と執務環境の再構築が必要と判断したのである。

移転担当者はわずか1人─マンパワー不足に加え、移転プロジェクトのノウハウも・・・

こうしてA社は移転に向けて動き出し、そのプロジェクトは管理部長であるJ氏に一任されることとなった。しかし、移転プロジェクトの具体化にあたり、J氏にはいくつかの悩みがあった。

そのひとつがマンパワー不足である。A社ではすでにノンコア業務のアウトソーシング化を行っており、移転プロジェクトに携わることができる正規社員 は、J氏の1名のみ。移転計画/オフィス設計の立案から物件選定・契約交渉までをたった一人で実行するなど、現実的に不可能なのは明らかである。

また、専門スキル/ノウハウの欠如も悩みの種であった。経営方針の転換に基づき、移転を伴う急激なオフィス環境の変化が予想されるだけに、社員に対 する事前説明を十分に行い、前向きな協力を得る必要がある。しかし、新たなオフィス環境を通じたワークスタイル革新のメッセージをどのように伝え、理解や 共感を得つつ、社員の不安を取り除くか。これは簡単な問題ではない。J氏は当時の心境を次のように語っている。

「社員それぞれが持つ“知”を集約して組織としての知的財産に繋げ、社内イノベーションを加速させることがミッションでした。つまり、単に見映えが よく心地よいオフィスにすればいいわけではなく、コミュニケーション活性化のしくみづくりなど、社員の心に働きかけるオフィスであることが条件となりま す。とはいえ、それを実現するためにプロジェクトをどのように進めたらよいのか分からないのが実際のところでした」

A社管理部長J氏は、自力のみで移転プロジェクトを軌道に乗せるのは困難と判断し、外部への委託を検討。情報収集の末、シービーアールイー(以下、CBRE)の「プロジェクトマネジメント」に注目する。

「プロジェクトマネジメントは初めて聞くサービスでした。担当者である私に代わり、経験の豊富なプロフェッショナルが、最適なオフィス構築に必要な業務を、当社の立場に立ってワンストップでハンドリングする、という提案に強く惹かれました」

加えて、「設計者も含めたさまざまな関連サプライヤから移転先ビルオーナーに至るまで、“完全に中立的な立場”でコントロールし、スケジュール・コ スト・品質の適正化を行う」という点が最大の決め手となり、A社はCBREへのプロジェクトマネジメント業務の委託を決定した。

精緻な現状調査・分析で“あるべき姿”をみる─基本計画で具体化へ

こうして、いよいよA社の移転プロジェクトは始動の時を迎えた。今回の移転は、単にオフィス面積を拡大すればいい、というわけではない。「個人の力を組織 力に繋げるワークスタイルへの転換」という経営ビジョン、そのための手段である「コミュニケーションが活性化されるオフィスの実現」というコンセプトに 沿った最適なオフィスを社員の前向きな協力を得ながら構築し、運営していくことが目的である。

現状把握・分析

CBREのプロジェクトマネジメントチームは、まず初めに現状把握に着手し、現オフィスの主に「オフィス環境」「IT・ネットワーク」「ワークスタ イル」の3点について調査を実施した。調査内容ごとに、実測調査や、社員アンケートとそれに基づくヒアリング調査など有効な手法を組み合わせて、A社の現 状と課題を分析していく。またITインフラに必要な電気空調など移転先ビルに求められるスペックも整理した。

そして一方では同社の仲介営業チームが、移転先ターゲットに定めた品川・芝浦エリアの市場データおよび物件データをA社へ提供。この現状調査・分析結果をもとに移転先候補を絞り込んでいくこととなる。

基本方針策定

次に実施したのは、基本方針の策定である。先の現状調査・分析により抽出された課題や、経営ビジョンから落とし込まれたオフィスのあり方などの与件を整理、これに予算計画やスケジュールを加えて基本方針とし、経営サイドに承認を取った。

この頃までに、A社の基本方針に沿った候補物件は3件まで絞られていた。そこでCBREはこの3件を対象に、ここまで整理されている与件を踏まえた ラフレイアウトを検証する「テストフィッティング」や、「移転コストシミュレーション」など、各種シミュレーションを物件ごとに実施し、候補比較の上での 評価指標としていく。

その結果、基本方針に掲げたオフィスの方向性に合致し、賃料・立地・スペックなど、投資対効果にもっとも優れた物件は1件に特定された。交通アクセ スに優れた品川エリアの優良大型ビルで、オフィス賃貸面積は現在の約3倍となる730坪、坪当たりの賃料も2割削減となる条件だ。賃料総額は増額となる が、移転により享受できる付加価値の検証を通じて、基本方針で経営サイドとコンセンサスの取れている予算レンジ内であった。

移転実施のカギを握るパートナー選定─ビジョンの共有を最優先に

移転実施

こうして移転先が決定し、ビルオーナーとの契約交渉も順調に進んだ。この交渉においてもCBREが窓口を努めたことは言うまでもない。そしていよいよ移転実施フェーズとなり、A社の掲げるオフィスコンセプトを具現化できる設計パートナーの選定に移る。

CBREは、「デザインコンペ」の参加を複数の設計者に依頼し、A社が求めるワークスタイル、本社機能として求められる安全性・快適性、BCP・セキュリティ、ITインフラ等設計に必要な要素を整理した設計要件書を提示。

コンペ当日、A社の求めに応じて集まった3社は、それぞれ工夫を凝らしたオフィスデザインや受託後に詳細設計を煮詰めていくための体制などを提案。 審査にはJ氏と新経営陣の一部、およびCBRE担当者が同時に当たった。それぞれの審査員が同じ基準で評価を行うために、事前に練られた約10項目のポイ ントをまとめた評価記入シートがCBREから提供され、透明性のある選定プロセスが遂行された。

数度の協議を経て、設計・施工の委託先が決まった。決定打となったのは、技術やデザイン面はもちろん、A社のビジョンや移転のコンセプトを深く理解し、オフィス構築のパートナーとしてふさわしいか、という点である。

「CBREさんは設計パートナー以外にも、常にニュートラルな立場で各種サプライヤやビルディングオーナーをコントロールし、適正なコストで最大の 効果を上げるよう尽力してくれました。客観的な視点から、工法・コストを精査したり粘り強く交渉をサポートしてくれたことは、品質/コストを最適化する上 でとても心強い味方となりました」(前出J氏)

「移転」を契機に、社内の空気をひとつに統合

こうした動きと合わせ、CBREはまだ設計過程にある新オフィスの設計プロセスを移転対象社員に開示したり、プラン確定時には説明会を開催したり、社員が前向きに変革にチャレンジするためのコミュニケーションを怠らなかった。

プラン説明会ではまず社長より、新たな経営ビジョンとして掲げる「個人の力を組織力に繋げるワークスタイルへの変革」へのコミットメントが伝えられ た後、J氏とCBRE担当者で新しいオフィスのプレゼンテーションを行い、オフィス移転の意味を社員全員で共有することができた。

このプレゼンテーションの数ヶ月後、CBREは新オフィスの内装工事が終了したタイミングに合わせ、A社社員と一緒に新オフィスの見学に訪れる「ラ ンチツアー」なども実施している。こうした取り組みは社員もステークホルダーの一員としてとらえ、プロジェクトに巻き込んでいく基本方針に基づいたもので ある。結果として、移転に向けた一体感を作り出すことに成功した。

コミュニケーションを誘発する“クリエイティブオフィス”の構築に成功!

そしてプロジェクトスタートから1年後、A社は無事移転を完了させることができた。新たなオフィスはJ氏が期待した通り、快適性と創造性が同居する空間が具現化されており、社員同士の有機的なコミュニケーションも目に見えて増えているという。

デスクはかつてのパーテーションを完全に改め、適度に視界を遮りつつも、着席したまま社員同士の表情が見えるよう工夫が凝らされている。一人当たり の執務スペースもゆとりある約6坪と大幅に改善された。また、採光を活かしリラックスしたムードを確保するため、パーテーションはマネージャールームを含 めすべてガラスフレームに統一、明るく開放感に満ちたワークプレイスを実現した。さらに、エントランスのデザインはシンプルにまとめられ、誠実で機能的な 企業イメージを演出することに成功している。新オフィスについて、A社エンジニアグループマネージャーのH氏はこう感想を述べている。

「フレキシブルに可動する会議スペースはもちろん、リフレッシュスペースやオフィスのあちこちに配置されたマグネットエリアやライブラリなどの仕掛 けは、多様なコミュニケーションを生んでいますね。まさに“クリエイティブオフィス”の名にふさわしく、社員同士が刺激し合うことで、これまでの環境では 想像できなかった質の高いアウトプットが生まれると期待しています」

今回の移転について、前出J氏はこう総括している。

「CBREさんは、オフィス仲介だけでなく、ファシリティ、什器や備品調達、引越や原状回復、そして移転後のワークスタイルに沿った運用ルールの策 定に至るまで、まるで当社の社員かの如くプロジェクト全体を一貫してマネジメントしてくれました。当社の経営ビジョンを共有し、オフィス環境として具体化 してくれたおかげで、経営陣・社員ともに最適な移転を実現できたと感じています」

プロジェクトマネジメントの役割は実際に図面を引くことではなく、理想的なオフィス構築のための改善点やあるべき姿を洗い出し、さまざまなリソース をあくまで客観的な視点で「アレンジ」することである。プロの視点によるプロジェクトマネジメントにより、A社の移転価値を最大限に高めることに成功した と言っていいだろう。

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