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株式会社マツリカ | 成長ベンチャーに訊く

ケーススタディ

2020年7月21日

株式会社マツリカ 代表取締役Co-CEO 黒佐 英司氏

「遊ぶように働く」がモットー。
時間や場所にこだわらず、
100%のパフォーマンスを出せる所が、
理想の仕事場でしょう。

株式会社マツリカ
代表取締役Co-CEO
黒佐 英司

株式会社マツリカ

ユーザベース時代の経験をもとに起業、既存営業の課題を解決する「マツリカ」

株式会社マツリカ

マツリカは、AI搭載のクラウド営業支援ツール「Senses」を開発・提供している会社です。私は中学生の頃から起業をしようと思っていましたが、社会人として入社した1社目を離職したあと、企業向け情報提供サービスを行う㈱ユーザベースに入社し、そこで起業のタイミングを見計らっていました。

ただ、起業したいとは言え、何がしたいという具体的な事業プランがあったわけではなく、ただ先に「会社と世界を祭り化する」というミッションが自分の中にあったにすぎません。今でこそ当社はBtoBの会社ですが、当時はコンシューマー向けの「旅行情報サービス」をやろうと考えていたほど。ただ、実際に事業プランを模索する中で、「人が人生において費やす時間の大半は仕事なのではないか」「BtoBの世界に参入した方が“世界を祭り化する”に近づけるのでは」ということに気づき、現在の方向に舵を切りました。

では、具体的に何をと言うと、そのヒントは、それまで働いた2社での経験の中にありました。両社でBtoBもBtoCも、現場もマネージャーも幅広く経験したのですが、共通していたのが「営業」です。例えばユーザベースでは、経済情報を集め付加価値を付け提供するというビジネスを行っていましたが、営業の世界では、この情報は非常に重要なアドバンテージになります。「お客さんからこういう話を聞いてきました」「世間の市場は、今、こういう環境にあります」といった情報をもとに提案をすることの強い説得力。と同時に、本来会社の資産になるべき情報や資産が、個人に依存してしまうという課題も感じていました。営業という、どの企業にとっても必要不可欠なスキルとそこでの課題。そこで事業を展開すれば面白いものができるのでは、というところからマツリカはスタートしています。

退社した会社の間借りオフィスからメンバー80名の現在のオフィスへ

株式会社マツリカ

ベンチャー企業のスタートアップ時は、マンションの一室や誰かの家に集まってというパターンが多いですが、私たちは2015年4月、恵比寿にあったユーザベースのオフィスを間借りして創業しました。同社が上場するタイミングでもあった2016年春に、初めてマツリカとして事務所を設けたのが、この五反田のオフィスです。

オフィス選びに際して、最初は土地勘のある恵比寿がいいかと思っていましたが、良い候補がまったくありませんでした。渋谷や恵比寿は賃料が高いし、目黒は空いてはいても中途半端に高かった。ところが、五反田となると賃料相場がガクンと下がります。「1回、見に行こう」という流れで何件か内見を重ね、そのうちの一つがこのビルだったんです。

オフィスづくりは、最初、自分たちで家具を揃え、「会議室は一つでいいよね」「室内はこういう動線がいいよね」「明るい色味にしたいね」という話し合いから始まりました。今はなくなってしまいましたが、昔は土足禁止の「芝生コーナー」を設け、座ってご飯を食べたり、ちょっとした会話をしたり、みんなの「こういう場所が欲しい」という意見をなるべく取り入れながらオフィスを完成させていきました。

この移転から、2016年末には10名、2017年には20名、2018年には30名くらいまで増員し、そして、急に人員が増えたのが昨年の2019年で30名から70名に。現在は80名近いメンバーが在籍しています。一度、ビル内でワンフロアを借り増ししたのですが、人数が増えてくると、芝生コーナーのような「遊びの空間」は、なくさざるを得ませんでした。当社は創業時からリモートワークが盛んで、「オフィスにみんなで集まって仕事をする」というスタンスではありませんでしたから、芝生コーナーが好きで出社していたメンバーは、それがなくなるとオフィスに来なくなったり(笑)。増床前に「そろそろ移転をしようか」という話し合いをした時にも、「オフィスはいらない」という人が多数を占めたほどです。ただ、今でもこうしてオフィスが存在しているのは、その時の話し合いで「象徴としてあってもいいよね」「コミュニケーションのハブが必要だよね」という結論にまとまったからです。ここがマツリカの発信地・発信源であり、社内外含めてコミュニケーションを取れる場所にしたい、という思いから現在に至っています。

100%のパフォーマンスはオフィスだけでは不可能
だから、自分で場所と手段を選びながら仕事をする

株式会社マツリカ

オフィスは働く場所です。働くからには全員が100%のパフォーマンスで仕事をしてほしいという思いがあります。場所で言うと、密室で何の音もないところで集中したい人もいれば、カフェのようなザワつきがあるところで仕事をしたい人もいる。時間も同じで、100人いたら100通りのやり方があると思います。しかし、1ヶ所のオフィスで全員に100%のパフォーマンスを期待するのは無理な話。ですから、リモートワークによる業務は必須ですし、オフィスがあるのであれば、オフィスに来る意味を作るということが大切なのでしょう。今後当社が成長してそれなりの規模になっても、このスタンスはずっと可能だと思っています。ですから、100%のパフォーマンスを出してもらうために、外で作業している時の飲食代をすべて支給したり、レンタルオフィスを数社契約し自由に使ってくれて構わないとしたり、フルリモートのメンバーには「リモート手当」をつけたりしています。また、一応土日休みにはなっていますが「平日休んで振替で土日働きたいです」という方は、好きにやってくれていいよという形も取っています。体調不良での休みもありますが、私用とかコンサートに行くから休みますとかでも全然OK。業務の進捗管理や営業での成果がすべて「見える化」されているので、自分のタイミングで仕事をしてくれて構わないよというスタンスです。

小さい頃に親から「門限が5時だ」と言われていても、友達と遊んでいるとつい夢中になって、門限をすぎても没頭して遊んでいるじゃないですか。それは遊んでいると楽しいからです。当社では、楽しく働いて100%のパフォーマンスを出してほしい。極論すれば、楽しくなかったら仕事しなくてもいいと思っているぐらいです。「楽しく働ける、遊びのように働ける」。そんな仕事に没頭できる環境を、自分で選びながら自由に仕事をしてほしいと考えています。

上記の記事の内容は BZ空間誌 2020年夏季号 掲載記事 掲載当時のものです。

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