月坪売上高とは、売り場面積1坪当たり1ヶ月の平均売上高のことで、商業統計の小売業における、エリア毎の総売り場面積と年間商品販売額から算出している。また、ここに記した22のエリアは、東京都が取り決めた商業集積地区から注目すべき場所を選択したもの。ちなみに2007年調査では東京23区内716の地区が設定されており(2002年は707地区)、全平均の月坪売上高は44万円/坪となっている。エリア毎の月坪売上高は、商業ポテンシャルの指標であるのはもちろん、賃貸施設に限ったものではないとはいえ、貸し店舗の賃料坪単価(円/坪)を考える上で欠くことのできないベンチマークとなる。
そういった意味から、銀座、表参道、池袋、新宿、渋谷の5エリアに関しては、弊誌で毎年秋号に特集している店舗賃料相場マップを合わせて付記した。月坪売上高のベスト5のエリアを挙げると、老舗店舗が集積する日本橋、日本一のターミナルで高い集客力を誇る新宿西口と東口、サラリーマンの街・新橋、家電の街からオタクの街に変貌を遂げた秋葉原である。この中に、銀座や表参道といった日本を代表する商業集積地が入ってこないのが興味深いところだ。2002年との比較で見ると、秋葉原がマイナス34%と月坪売上高の低下が著しく、逆に新橋が31%アップと突出して高い上昇率を示しており、両エリアの同時期における商業集積の変化がうかがわれる。
ただし、新橋の年間総販売額は290億円と、新宿西口の3994億円、東口の5154億円、日本橋の2082億円、秋葉原の1329億円と比較するとかなり低い水準。月坪売上高は高いものの、商業集積自体はさほどではないと言える。年間総販売額が1000億円以上のエリアは、先の4エリアに加えて、銀座(4833億円)、渋谷公園通(1556億円)、池袋東口(3374億円)、池袋西口(1688億円)の8エリアで、原宿の963億円、道玄坂の885億円がこれに続く。表参道はここでも441億円と低水準にとどまっている。