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文化・情報の発信地「渋谷」

東京急行電鉄株式会社 平本 和弘吾氏

文化・情報の発信地として多様性と、
"人の力"を活かす懐の深さが、他の街にはない渋谷の大きな魅力

東京急行電鉄株式会社
渋谷開発本部 企画創造部
課長 平本 和弘吾

東京急行電鉄株式会社 泉 亜紀子氏

 
 

東京急行電鉄株式会社
渋谷開発本部 企画創造部
課長 泉 亜紀子

渋谷の歴史が作ってきた文化創造のDNA

渋谷の街の歴史を振り返ってみると、1956年(昭和31年)に完成した「東急文化会館」(以下、文化会館)が、戦後、渋谷の街が形づくられていく上での大きな基点になったのではないかと考えています。  文化会館の意図の一つには、文化的な狙いが挙げられます。今でこそ人々で溢れる渋谷ですが、当時の渋谷は、繁華街である新宿や銀座に比べて街の魅力に乏しく、郊外の街というイメージでした。駅利用客を街に呼び込む力を高めるため、文化を創造し発展させていく仕掛けを作ると同時に、豊かな社会に向けて時代を切り拓く力を与えたかったのではないかと思います。

もう一つは、立地的な側面からのアプローチです。渋谷は山手線と渋谷川を挟んで、道玄坂と宮益坂というように東西に分断されている状態でしたから、文化会館と一緒に跨道橋を設置することで街の一体化を目指しました。

文化会館の施設構成には時代を先取りする前衛的な考え方が反映され、そこから新しい文化やライフスタイルが発信されていきました。例えば、東日本で初めて導入された大型プラネタリウムは人々の宇宙への憧れをかき立て、ロードショー映画館ではシネコンの先駆けとも言える複数の映画館が入居しました。また、文化理髪店や文化資生堂大美容室からは最先端のおしゃれが発信され、東京で初の出店となった東京田中千代服装学園はファッション界のインキュベーション的な役割を果たしたと考えています。

この文化会館ができたことによって、渋谷は文化を創造していく街という、それ以降の発展を決定づける"性格"が明確になったのだと思います。それが青山や原宿、代官山など、近隣地域に波及したのではないでしょうか。

1978年にはモノづくりの素材を提供する「東急ハンズ」、79年には流行の最先端を創造するショップが集積したファッションビル「渋谷109」、89年には上質な芸術文化を発信する複合文化施設「Bunkamura」、2000年に"大人の街、渋谷"を標榜した商業複合施設「渋谷マークシティ」、そして01年には、ホテルやオフィスに加え能楽堂やジャズスポットを備えた複合ビル「セルリアンタワー」がオープン。文化会館が生み出した文化発信のDNAが引き継がれ、それぞれの施設が、渋谷の街と共に発展していったのだと捉えています。

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個人でも企業の主役になる街

もちろん、東急グループだけが街の発展に貢献してきたわけではありません。むしろ、渋谷にチャンスを求めて進出してきた様々な方々や地元の方々、東急沿線にお住まいの方々と共に、現在の渋谷独自の魅力を高めてきたのだと捉えています。中でも、68年の西武百貨店、73年のパルコの開業を契機に、洗練されたおしゃれな街としての評価が高まりました。

こういった大企業だけでなく、個人を含めてチャンスに巡り合える街であることが渋谷の特色であると考えます。多くのITベンチャーが集積したビットバレーや、若い女性の支持を集めて一躍有名になった109のカリスマ店員など、アイデアや個性を活かして様々に活躍できる、そのような懐の深さ、多様性と受容性が渋谷の街の大きな魅力なのだと思います。

渋谷は"人が主役になれる街"です。最近、都心の多くのエリアでも盛んに再開発が進められていますが、そういった街に比べて、渋谷はほっとする街だという声をよく聞きます。それは、様々な理由が考えられますがその一つとして松涛や代官山といった住宅地がすぐ背後に控え、生活者と密着した街であることから生まれてくる特性かもしれません。

東急電鉄は、大正時代に田園調布や洗足の街を開発するために設立された田園都市(株)を母体とする会社であり、渋谷においても「街と共存し、50年先も繁栄し続けること」を大切にしています。開発だけで終わらせるのではなく、その開発がきっかけとなって街全体の魅力が高まり、それが私たちの発展にも繋がっていくと考えています。

文化創造の街としての次世代の渋谷構想がスタート

渋谷文化プロジェクト

文化創造の街として世の中の注目を集めた渋谷も、近年、様々な再開発が進む中で街の魅力が十分に伝わらなくなってきているかもしれません。

このような環境の中で渋谷の持つ魅力や強みをさらに活かして独自性をより明確にするために生まれたのが「渋谷カルチャープラットホーム構想」(05年発表)なのです。

渋谷の強みというのは、多様な価値観を持つ個人が集い、交流することで、生活文化を創造・発信し続けてきたことです。文化会館をはじめ、パルコや渋谷公会堂(現渋谷C.C.Lemonホール)、NHKホールといった施設からは多様な文化が創造・発信されました。また、渋谷の街には、デザイン事務所やイベント会社、映像制作会社などコンテンツ創造企業が数多く集積しています。これも、渋谷から新たなコンテンツが生まれる一つの要因になっていると思います。

渋谷には、国内有数のライブエンタテイメントの街という側面もあります。新宿や池袋などと比べても、特徴のある映画館やライブハウスの数が多く、調査によると年間で約1000万人の観客を動員しているそうです。これらのことから、街の主人公は多様な人であり、その人たちが文化を生み出し続けていると言えるのではないかと思います。

一方で、2005年に「日本21世紀ビジョン」が策定され、2030年を目標に日本のコンテンツ市場をGDPの5%規模まで拡大する方針が打ち出されました。それに連動して、経団連でも「ライブエンタテイメント分科会」を設置。行政や経済の動きとして、コンテンツ産業をはじめとする文化創造を振興するという方向性が明確になっています。また、渋谷区は「人が主役の街・渋谷」をコンセプトにした「渋谷駅周辺整備ガイドプラン21」を策定、05年には渋谷駅周辺が「都市再生緊急整備地域」に指定されました。

2008年6月には東京メトロ副都心線の開通、12年には東急東横線との相互直通運転化が予定され、渋谷には合計8路線が乗り入れることになります。渋谷が魅力的になれば、さらに広域から人を呼び込めるような街にできるのではないかと考えています。

このような時代の動きを踏まえ、「渋谷カルチャープラットホーム構想」では、渋谷が持つDNAを活かし街全体が文化創造のプラットホームになることを目指しています。つまり、世界中から人と心が集まって交流し、文化が創造され、情報発信される場を作っていこうというものです。

そのためには、駅周辺の施設開発はもちろんのこと、ソフト面での取り組みも重要だと考えています。渋谷を五感で楽しむ情報サイト「渋谷文化プロジェクト」(http://www.shibuyabunka.com)を通して多様な渋谷の魅力を伝えたり、昨年開催された「渋谷音楽祭」や「花と緑のまちづくり」のような街づくり活動を行う地域のNPO活動などにも積極的に協力しています。

今、渋谷では様々な街づくりに対する機運が高まってきています。渋谷駅周辺の開発は、行政や地元の方々と調整を行いながら進めていく、大変時間のかかる計画です。地域の方々との連携を大事にしながら、渋谷独自のDNAを活かし、街の発展へと繋がるような開発を行っていきたいと考えています。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2007年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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