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地方・中小企業の活性化

自らを正しく認識し、弱みを強みに変える経営が、地方・中小企業が生きる唯一の道

企業再建コンサルタント協同組合
代表理事 真部 敏巳

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資産売却には程遠い地方企業、中小企業の実態

ここ数年、買収や合併統合など、企業再編の話が連日のように新聞、雑誌、テレビ等のメディアを賑わせているのはご承知の通りです。しかし、これまで数多くの地方の中小企業の再編を手掛けてきた者として思うのは、こうしたM&Aを巡る動きはあくまで東京を中心とした一部のもので、地方ではまるで別の国ではないかと思うほど隔たりがあるということです。

現在、景気回復が著しいといっても、それは錬金術に長けた収益力のある会社と一部の製造業だけで、町場の消費財は一向に回復していません。しかも、好調な企業のほとんどが東京に集中。今日の日本経済は、経済力の6~7割が東京に集まっており、これはバブル期にも見られなかった特異な現象です。内情は、まるで中国の上海を思わせるほどだといっても、決して言い過ぎではないでしょう。一方、地方は残り4割のうち、名古屋が2割、大阪とその他の地域で1~2割を分け合うといった状況です。

不動産に目を向けてみても、注目されるのは収益力のある物件だけで、地方ではもともとキャッシュフローを生み出せる物件が限られています。全国的なマーケットの安定性を考えた場合、まだまだ底が浅いというのが実情でしょう。

不動産は元来、一部の投機的なものを除けば、中長期的な市況に影響を受けやすいものです。不良債権を処理して金融問題だけを片付けても、企業再生は進みません。また、事業の再生が進まない限り、不動産マーケットの活性化は望めません。したがって、地方を本当に活性化させるには、そのための仕掛けを、別の視点で作らなければならないのです。

危機意識の欠如とノウハウ不足が地方低迷の要因の一つ

具体的な仕掛けのお話をする前に、もう少し、現状を見てみましょう。

地方の企業の経営者の方々と話をしていて感じるのは、個人であれ会社であれ、不動産の所有者が、自分が置かれているポジションをよく理解していないということです。過去からの延長線上に今の事業を考えており、不動産所有は担保に入れて金を借りるための手段だと思っている方が実に多い。本来、資産経営と事業経営は別であるはずが、事業を行うには借り入れのための担保がないとだめだといい、遊休資産であっても担保価値があれば保有しておくという傾向が、いまだに根強く残っています。これは最悪で、事業を行うために不動産の持つ潜在的な収益力を使い、有効利用への道を閉ざしてしまっています。逆に、資産所有のリスクが、事業経営に直接影響する。その事業が資産価値に見合うだけの収益を生み出していればとりあえず問題ないのですが、現実にはそうなっていません。

解決のためには、資産経営と事業経営を明確に分けるべきなのですが、事業経営に資金を出す金融機関の数があまりに少なく、それもできない。もちろん金融機関の責任もありますが、まず地方の企業が、キャッシュフロー経営をしていないことが問題なのです。事業で資金調達をするにあたり、担保がなければ、保証になるのは事業のキャッシュフロー以外にありません。それなのに、この経営概念がないため、いつまでも不動産イコール担保という意識から離れられず、結果的に処理が進まないのです。

これは一般の中小企業でも同様で、不動産が自社においてどういう位置づけにあるのかを正しく認識することが、スタートラインであるという本質が理解されていないと感じます。

不動産を所有していても、キャッシュフローを生まないものばかりで、しかも借り入れが多いなら、早く売却して身軽になったほうがいい。それを放置しておくため、外資のハゲタカファンドにディスカウントキャッシュフローのような手法で食い物にされてしまうのです。外資の企業評価は、将来は必ずマイナスになると予想し収益を下に見る傾向が強いですから、現在価値はかなり低く見積もられることになります。

国の金融政策と金融機関の無策も地方低迷の背景に

地方低迷のもう一つの要因として、国の金融政策の失敗や、地方金融機関の消極的対応を挙げておくべきでしょう。

現在、日銀ではデフレ回避を目的にマネー供給を続けていますが、経済成長が止まっているわけですから、資金は資産にしか流れません。

経済成長には多少の過熱感が重要で、先高感があることが設備投資、先行投資のキーワードです。この先高感がない以上、資金は収益力のある不動産に流れますが、地方にはそれがない。そのため、東京への一極集中が加速され、結果として地方はますますやせ細ることになるのです。

しかも地方には、現状を打開する代替産業がなく、東京のような活性化は望めません。また、大企業の拠点も地方への拡大でなく、集約に向かっているのですから対処しようがないわけです。

従来、こうした状況を脱するためのカンフル剤になるのが、地元の金融機関のはずですが、現在はそれも期待できません。地方での不良債権処理はいっこうに進まず、挙句の果てに金融庁に強制的につぶされてしまうといった始末です。

なにが足りないかというと、再生のための意識とノウハウを持った人材の少なさ。加えて、一応の成功を見せている東京の金融テクノロジーを受け入れる文化がないことです。例えば、セミナーで、SPCとそのスキームといった、不動産金融の最も基本的な話をしても、通じないばかりか「うちの顧客に、そんな危ない商品の話をしないでくれ」と、主催者である地方銀行からクレームを受けるほどです。東京とは感覚が違いすぎるといえるでしょう。

余剰不動産を売るべきなのは重々承知していても、どうしたら売却できるかが見えてこない。また、売却価格が、銀行の担保評価よりかなり低くなる場合、本当に売られてしまうと追加で二次の引き当てが増えるため、「売らせたい」という力学が銀行に働かない。それでも、体力があれば売却は進むのでしょうが、体力がない地方では銀行が一緒につぶれてしまう。それは避けたいという金融機関の思惑で動いている部分がたくさんあるといえます。

地方の意識が変われば、余剰不動産が市場に出てくる可能性は大いにあります。金融機関は従来型のスタンスで仕事をしているため、有効な買い手が見つかっても資金が出ないという図式になっているのでしょう。キャッシュフローを将来にわたってキチンと読める金融機関がないなかでは、ノンリコースローンが普及するはずもありません。

残る頼みの綱は外資系ファンドなのですが、東京と地方ではキャッシュフローのロットが違いすぎ、なかなか興味を示さない。まさに八方ふさがりの状況なのです。

SWOT分析を用いた自己認識と、事業分割で道は拓ける

では、地方はこのまま沈んでしまうのかというと、再生の可能性はもちろん残されています。それは、それぞれの立場の人たちが原点に立ち戻って、足元を固めることから始まります。

まず手始めに行うべきなのは、企業再生の基本中の基本、SWOT分析を用い自らを知ることです。特効薬を追い求めるのではなく、内部環境である強み(Strong)と、弱み(Week)、外部環境である機会(Opportunity)と脅威(Threat)を丹念に把握する。強みを活かして機会を得、それを活用して脅威を封じ込め、弱みを強みに変えて解決することが、どのような状況にあっても企業再生のセオリーなのです。

不動産事業についても同様で、所有する人によりその資産の位置づけは変化します。例えば、債務過剰なオーナーは不動産を早く売り、借り入れを減らすべきだし、逆に資金が潤沢にあれば、事業拡大に必要な資産を得るビジネスチャンスとして、不動産をどんどん購入していった方がいい。自身の置かれた状況によって用いる対応は変わりますから、そこには、一般論としての解答は存在しないといえます。

バブル前のインフレ時代なら、必ず価格は上昇し、どんな判断でもOKでした。しかし、現在は状況が違う。正しい判断のためには、所有資産のデューデリジェンスを行い、バランスシートにおける資産の価値を定量的に分析し、さらに、その資産を収益力として有効活用するマネジメントが可能か否か、実行できる人材がいるかを定性的に分析する。その上で、オーナーとして生きるかプロパティマネージャーや仲介業者として生きていくのかといった選択をする時代なのです。

さらに、持ち株会社のような資産経営と事業経営の縦型会社分割を行い、担保依存型から脱却し、リスクを分け合う経営にも移行すべきです。

資産を所有し事業も管理するオーナー経営者が多い地方では、東京のような強制力の強いM&Aはなかなか受け入れられないのが実情です。ですから、事業会社は他人に経営させ、オーナーは不動産を事業会社に貸して賃料を得るとともに、配当を受け取るというような、縦型会社分割の仕組みがベストでしょう。

同時にキャッシュフロー経営を実践し、資産価値の健全化とともに不良債権処理を進めることで、地方や中小企業における再生が可能になるものと考えます。

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