長らく変化の乏しかった大阪周辺の物流マーケットに、昨今、変化が訪れている。特に、近畿圏の中核物流インフラとして位置づけられる大阪港を取り巻く大阪湾岸エリアでは、これから数年間、大型物流施設の建設ラッシュが続く。これまでの大阪では、まったく見られなかった動向。まさに未曾有の大量供給の到来だ。その規模は、賃貸市場に出るものだけでも27万坪と推定される。これらははたして過剰供給なのか否か。今号の物流マーケット情報では、この激変直前の大阪湾岸エリアを、様々な角度から取り上げてみる。
| 物流施設開発 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 施設名 | 竣工 |
延床面積 敷地面積 規模 |
その他 | |
| 1 | プロロジスパーク尼崎 | '06.12 |
約13万4000㎡ 約5万9000㎡ 地上5階建 |
兵庫県尼崎市西向島のマルチテナント型大型物流施設。着工は2005年12月下旬、竣工は2006年12月末を予定。キリン物流が関西新拠点として、同施設の1階及び2階部分一部の2万6419㎡への入居を決めている。 |
| 2 |
AMB尼崎 ディストリビューションセンター1 |
'05/07 |
約9万7000㎡ 約4万9000㎡ 地上6階建 |
AMB初の関西進出。阪神高速5号湾岸線から1km、3号神戸線から3kmの至近に位置し、関西地方の東西を結ぶ大動脈に直結。投資額は約100億円。施設の半分にあたる1階から3階までを、ダイエー系の物流会社・ロジワンが使用する。 |
| 3 |
AMB尼崎 ディストリビューションセンター2 |
'07/03 |
約10万6000㎡ 約4万6000㎡ 地上4階建 |
兵庫県尼崎市に4万5800㎡の物流施設用地を取得。2005年7月に竣工したAMB尼崎ディストリビューションセンター1の隣接地で、貸付可能面積約8万9800㎡の施設・AMB尼崎ディストリビューションセンター2を開発する。 |
| 4 | プロロジスパーク舞洲Ⅱ | '06/10 |
約5万6000㎡ 約3万3000㎡ 地上6階建 |
日立物流用ビルド・トゥ・スーツ型(特定顧客向け)大型物流施設。日立物流名称は日立物流メディカル物流センター。竣工は2006年10月を予定。 |
| 5 | プロロジスパーク舞洲Ⅰ | '06/08 |
約9万3000㎡ 約2万6000㎡ 地上6階建 |
プロロジスにとって大阪市における初のビルド・トゥ・スーツ型(特定顧客向け)大型物流施設。着工は、2005年7月1日、竣工予定は2006年8月中旬。竣工後はアスクルに長期賃貸する予定となっている。 |
| 6 | プロロジスパーク大阪Ⅱ | '07/05 |
約16万9000㎡ 約3万3000㎡ 地上8階・塔屋1階建 |
南港に続く、同社大阪2番目のマルチテナント型大型物流施設。1階部分に35台、8階に162台の合計197台分の普通車用駐車場、加えて8階には35台分の大型トラック用駐車場を備える。また、開発用敷地は4方向が道路であり、アクセスに優れた敷地形状を最大限に活用。 |
| 7 |
オリックスリアルエステート ワールド・ロジ大阪物流センター |
約3万3000㎡ 約1万9000㎡ - |
ビルド・トゥ・スーツ型大型物流施設。ワールドロジがマスターレッシーとなり運営。 | |
| 8 |
ラサール インベストメントマネジメント (仮称)住之江物流センター |
'06/01 |
約14万㎡ 約6万1000㎡ 地上4階建 |
國光製鋼の工場跡地(敷地面積6万1253㎡)に開発される物流センター。マルチテナント型の物流施設を建設する計画で2005年10月に着工、2006年11月の竣工を目指す。設計・施工は竹中工務店。 |
| 物流拠点進出 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 施設名 | 竣工 | 規模 | その他 | |
| A | トナミ運輸西淀川流通センター | '05.07 |
地上2階建, 敷地約8,300㎡, 延床約1万㎡ |
現行施設の約1.5倍の保管配送施設として運用を開始。三井物産との共同出資の関連会社、ワイ・ケイ物流が運用し、大手コンビニエンス・ストアなどの西日本地区における資材・調達物流の分担機能を有している。 |
| B | ダイハツ尼崎物流センター | '04.08 |
自動車収容能力 1,800台 |
埋立造成されたフェニックス事業用地の一角にて、2004年8月下旬に稼働。着岸した運搬船へ軽自動車の積み込みを行う海上輸送の重要な基地となっている。 |
| C |
鴻池運輸 大阪北港食品流通センター |
'06.07 |
敷地約2万㎡, 延床約2万2000㎡ |
約2万2000㎡の4温度帯倉庫と荷さばき場を設け、1万5000パレットが収容可能な立体自動倉庫を備えるなど、鴻池運輸最大級の食品流通センターとなる。 総工費は約70億円。2006年7月の運用開始を予定。 |
| D | 三菱倉庫桜島2号配送センター北棟 | '06.11 |
地上5階建, 延床約1万4300㎡ |
桜島営業所を都市型配送センターとして再開発。1998年に第1期、2003年に第2期工事を完了。医薬品、食品、日用品の取り扱いを中心に近畿圏の中核施設として稼働。需要拡大により、第3期工事として当該施設を増築。 |
| E |
DHL大阪エクスプレス ロジスティクスセンター |
'05.07 |
地上7階建, プロロジスパーク大阪内の1万790㎡ |
国内2ヵ所目となる大型物流倉庫を開設。南港にある「プロロジスパーク大阪」の7階部分に位置し、「南港航空貨物ターミナル」や「大阪南港ターミナル」にも近い。関西国際空港へも阪神高速道路で直結し、陸海空のあらゆる輸送手段へのアクセスに優れる。 |
| 関西国際空港内及び周辺 | ||||
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| 施設名 | 竣工 | 規模 | その他 | |
| 航空集配サービス生鮮貨物上屋 | '05/07 | 敷地約2,500㎡ | 入居中の航空集配サービスが既存施設の増改築を行い、国内空港内で最大の定温施設となる。コンピュータ制御により、上屋全体を自在に温度設定でき、生鮮貨物以外に半導体製造装置の輸出入にも活用できる。 | |
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近鉄エクスプレス KWEりんくうターミナル |
'05/07 |
地上3階建, 敷地約4,600㎡, 延床約5,200㎡ |
総工費は約5億円。TAPA-A基準に準じたセキュリティ体制や、空調、防塵、静電気防止等の設備を備えた高機能倉庫。関西圏で需要の増大する3PLなどロジスティクス案件に対応する施設となる。 | |
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日本通運 KIX(関西国際空港) ハイスピードロジスティクスハブ |
'05/11 |
地上2階建, 敷地約1万1000㎡ |
関西国際空港が国際貨物地区において建設した貨物取扱施設の完成に伴い、日本通運が賃借していた施設(第三国際貨物代理店ビル等)から当該施設への借り換え、専用施設として運用。 | |
| コーナン商事流通センター | '05/04 | 敷地借受面積4万9353㎡ | 輸入商品の仕入比率拡大を目指し、2005年4月大阪府貝塚市に広大な敷地面積を持つ「輸入商品センター」を新たに稼動。大阪府港湾局との普通財産用地賃貸借契約(30年普通借地)。 | |
| ニシダシン物流施設 | 敷地借受面積3,661㎡ | 事業内容は毛布、その他寝装品等の輸入、保管。大阪府港湾局との普通財産用地賃貸借契約。 | ||
