世界有数の自動車部品メーカーが、東京の9拠点を一つに統合。
自動車業界の変革に立ち向かい、新たな価値創造を目指す。
~2025年 東京・港区新橋のオフィスビル「新虎安田ビル」に統合~
株式会社デンソー
東京支社オフィス
1949年、愛知県刈谷市に誕生した株式会社デンソーは、先進的な自動車技術、システム・製品を提供する、グローバルな自動車部品メーカーだ。売上規模世界2位を誇るデンソーが、2024年5月より、東京都内を中心に点在していた13拠点のうち9の拠点を港区新橋のオフィスビル「新虎安田ビル」に統合した。これまで東京に拠点を構えていた支社や支店、グループ企業を集約し、新たな価値創造の場を目指すプロジェクトの舞台裏を取材した。
CASE時代に対応するため、2016年東京・日本橋に支社を設立以降、品川、羽田をはじめ、順次開発拠点を立上げ
デンソーは愛知県刈谷市に本社を置く、自動車部品の総合メーカーだ。トヨタグループの一員で、日本国内だけでなく、世界中の自動車メーカーと取引を持つグローバル企業である。現在、自動車業界はCASE(Connected・Autonomous・Shared & Services・Electric)と呼ばれる変革期を迎えている。株式会社デンソー 東京支社 特命プロジェクト担当部長・光行恵司氏は、次のように語る。「従来のガソリンエンジンやディーゼルエンジンの時代から、電動化への対応が必須となってきました。また、車室内の環境もソフトウェア化が進み、エンターテインメント性やコンフォート性が重視されるようになっています。お客様のニーズも大きく変化し、私たちの事業領域も急速に広がっています」。
同社の強みは部品メーカーの領域を超え、システム総合メーカーとしての知見を持つ点だ。「システムだけでなく、デバイスも開発できる。また、システムに最適なデバイスを開発し、デバイスに応じたシステムを作ることもできる。その両面を持つことが、競合他社に対する優位性だと考えています。特に半導体については、1980年代に車載用半導体の大規模工場をいち早く立ち上げ、研究・開発を通じてノウハウを蓄積してきました」。時代の変化に対応するため、同社は2016年から東京での事業展開を本格化。日本橋に東京支社を設立し、ソフトウェア人材の獲得や新領域の探索、UX(ユーザーエクスペリエンス)、マーケティングなどの活動を開始した。「車載ソフトウェアの人材は本社にもいましたが、クラウド技術やUX、マーケティングといった新しい領域の専門家は、東京での採用が必要でした」と光行氏は振り返る。
その後、品川に研究開発拠点を設置し、羽田の天空橋には車両整備が可能な実験棟を備えたオフィスを開設。自動運転の開発拠点として、車両の整備から試作、走行実験までを一貫して行える環境を整えた。さらに、日本橋室町にもソフトウェア開発部隊を配置するなど、機能に応じた拠点を次々と立ち上げていった。「各部門が東京で何をすべきかを考え、独立独歩で動いた結果、グループ会社を含めると13拠点、約2,000名の社員が東京・神奈川で働く体制となりました。当時は各事業部、機能部の判断で拠点を設置できる環境があり、それぞれが必要と考える場所に、必要な規模の拠点を作っていったのです」(光行氏)。
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