トラブル回避の勘所 百聞も一見も信用できず
テナント貸しを想定していない自社ビルの賃貸化などは、より詳細なチェックが必要。
貸すことを前提に建てられていない自社ビルの賃貸化では、設備やフロアプランニングなどの問題以外にも、契約面積が不正確だったり、専有・共用・の範囲が曖昧だったりと、細かな確認事項が通常以上に発生してきます。また、従前の内装を引き継いで入居する場合、退去時のことを考え、原状回復範囲を詳細に決めておくことが必須。身に覚えのない箇所や過剰な修復を避けるため、各所の写真を撮影しておくことは後々有効になるでしょう。
自社ビル賃貸化でのトラブル事例
- 見えない原因 その1
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移転後、前オフィスで何の問題もなかったパソコンがフリーズするなど、IT機器の不具合が頻発。調べてみると、室内の磁気が異常に強いことがわかった。原因は、ビル躯体の経年劣化により、鉄骨が磁気化していたためであった。
- 見えない原因 その2
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移転後、内勤スタッフを中心に体調不良を訴える社員が続出。原因を調査したところ、建材から有害物質が検出される。以前の利用は大部屋(現在はパーティションで小割りレイアウト)かつ営業職中心であったため、発覚しなかったと思われる。
- 見えない原因 その3
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テナント貸しを想定していないため、エレベーターが大人数の出入りに対応しておらず、なかなか来ない。台数は多く、エレベーターホールの見栄えはいいが、最上階に入居した営業系企業からは大ブーイング。