1. 移転目的の明確化
移転計画を策定するにあたって、もっとも重要なのが、「何のために移転するのか」という目的を明確にすることです。目的が曖昧だと、満足できる移転が行えません。
移転目的の例
- 人員増
- 新規拠点の開設
- 分散オフィスの統合
- 交通利便性の向上
- コスト削減
- 企業イメージ向上
- オフィス環境の改善
2. 移転先の条件設定
移転目的に沿って移転先の前提条件を設定します。移転目的の実現のためにはどの条件を優先すべきか、順位をはっきりさせておく必要があります。
条件に優先順位をつける
- 立地 交通利便性・周辺環境・イメージ(エリア・ブランディング)・ビジネスニーズ
- 面積 人事計画に基づいた1人当たりのスペース、および特殊室のスペース
- 予算 イニシャルコスト・ランニングコスト
- 移転時期 人員採用時期や繁忙期との調整
- 設備・管理 業務上不可欠な設備、管理体制
- スケジュールの立案
- コストの算定
- ビルの情報収集や最終選定
3. 大まかな移転スケジュールの作成
移転スケジュールの作成にあたっては、移転の準備にかかる期間と引越し時期から、解約予告提出のタイミングを計ります。現在入居中のビルに解約予告を出す時期によって、退去の期限が決定しますので、前後のスケジュール調整を十分にしておく必要があります。
解約予告
普通借家契約の場合、通常は6ヶ月または3ヶ月前に書面で提出 (契約書の内容の確認が必要)
※正式な解約予告を出すと、原則として撤回できないので注意
※定期借家契約では中途解約ができないケースが多いので、契約書の詳細な確認が必要
4. オフィスプランニング
移転先が決定してからオフィスプランニングを行うと、レイアウトがうまくいかず、スペースに無駄が出る等、さまざまな問題が発生します。移転先の検討に入る早い段階で、プランニングを進めることが大切です。
1. 入居中オフィスの現状把握
- 各スペースの面積、使用状況、稼働率
- OA機器の設置状況
- 什器の機能性や品質
- 書類量
- 照明や空調等の室内環境条件
2. 分析
1で得られた結果に基づき、改善の優先順位づけや改善の方向づけ、必要面積の決定等を行います。現在のオフィス改善のポイントが、移転先選定の目安となります。その際、新オフィスのコンセプトを明確にすることが重要です。
3. プランニング
候補ビルが絞り込めたら正式な図面を取り寄せて、ゾーニングやレイアウトを行い、内装や什器についても検討します。その際、各スペースの利用方法、人員数や業務スタイルの今後の変化への対応力等、運用面についても配慮が必要です。
コミュニケーション計画 |
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IT関連計画 |
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ファイリング計画 |
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スペーススタンダード計画 |
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特殊室計画 |
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設備計画 |
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ゾーニング計画 |
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レイアウト計画 |
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必要面積の目安
オフィス探しの前提として重要となるのは、言うまでもなく「どれくらいの広さが必要か」ということです。一般的な指標として、1人当たりスペースは10~13㎡程度※ とされています。ただし、この数値は、規模(人数が少ないと1人当たりのスペースは広くなる)、レイアウト方式、固定席を持たないフリーアドレスの導入等により大きく異なってきます。
※テナント専有面積:〔執務室、会議室、特殊室、ショールーム等(水まわり・共用部分を除く)〕÷ワーカー数