東京の空室率は3.5%、 3年ぶりに4%を下回る
大阪の2024年の年間新規需要は過去最大の8.1万坪
全国主要都市の賃貸オフィスビル市場動向をまとめた四半期レポート。
2024年第4四半期の空室率・平均募集賃料・需給面積を解説を交えて掲載。
GDP成長率 Q4 | 日銀短観DI Q4(全規模・全産業) | 東京グレードA賃料 Q4 | 東京グレードA空室率 Q4 |
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![]() +1.2% 予測値※ 前期比年率 |
![]() 15pts 前期比+1pts |
![]() +2.0% 前期比 |
![]() -0.8pts 前期比 |
※出所:日本経済研究センター(ESPフォーキャスト調査)
- 東京:グレードA賃料は対前期比+2.0%、約10年ぶりの高い伸び率
今期(Q4)のオールグレード空室率は対前期比-0.5ポイントの3.5%と、3年ぶりに4%を下回った。新規需要は過去平均を約2割上回る5万坪。グレードアップや立地改善、拡張のほか、自社ビルからの移転、分室開設などが散見された。グレードA賃料は対前期比+2.0%と、2015年Q2以来の高い伸び率。極めて需給タイトな丸の内・大手町は同+3.3%と上昇を牽引した。 - 大阪:すべてのグレードで空室率低下、賃料は上昇
今期の空室率は全てのグレードで低下。グレードAは既存ストックに対して7%の大量供給があったにも関わらず、自社ビルからの大型移転が複数見られ高稼働で竣工した。2024年のオールグレードの年間新規需要は8.1万坪と調査開始以来、最大となった。賃料は前期に続き全てのグレードで上昇。今期も賃料を引き上げた物件が散見され、賃料の底上げが続いている。 - 名古屋:テナントの選別姿勢は続く
今期のオールグレード空室率は対前期比横ばいの4.3%、グレードAは同-0.6ポイントの3.8%、グレードBは同横ばいの4.2%となった。今期も拡張やグレードアップ移転などで空室消化が進んだものの、競争力に劣るビルでは二次空室の発生が目立った。賃料はいずれのグレードでも上昇。賃料に割安感があり、引き合いの多いビルを中心に賃料が引き上げられた。 - 地方都市:堅調なテナント需要が続き、既存ビルの空室消化が進む
今期のオールグレード空室率は、10都市中7都市で対前期比低下、3都市で上昇した。供給要因により空室率が上昇した都市もみられたが、全国的に立地改善やビルのグレードアップ移転など堅調な需要が続いている。オールグレード賃料は、10都市中8都市で対前期比上昇、2都市で下落した。小幅な動きではあるものの、全国的に賃料水準は上昇傾向が続いている。