オールグレード空室率は三大都市全てで2%台前半、
賃料は大阪と名古屋で過去最高値を更新
全国主要都市の賃貸オフィスビル市場動向をまとめた四半期レポート。
2025年第3四半期の空室率・平均募集賃料・需給面積を解説を交えて掲載。
| 東京グレードA空室率 Q3 | 東京グレードA賃料 Q3 | 大阪グレードA空室率 Q3 | 大阪グレードA賃料 Q3 | 名古屋グレードA空室率 Q3 | 名古屋グレードA賃料 Q3 |
|---|---|---|---|---|---|
![]() -0.4pp 前期比 |
![]() +3.4% 前期比 |
![]() -0.7pp 前期比 |
![]() +3.4% 前期比 |
![]() -0.3pp 前期比 |
![]() +1.4% 前期比 |
- 東京:グレードA賃料は2007年Q3以来の高い伸び率
今期(Q3)のオールグレード空室率は対前期比-0.4ポイントの2.1%。グレードAは同-0.4ポイントの1.0%と需給は極めて逼迫。都心の大型空室は引き合いが多く、品薄感が強まっている。賃料は今期も全てのグレードで上昇。グレードAは対前期比+3.4%の39,750円/坪と、2007年Q3以来の高い上昇率で、直近のピークである2020年Q1の39,000円/坪を上回った。 - 大阪:オールグレードの賃料は過去最高値を更新
今期の空室率は全てのグレードで低下。オールグレードで対前期比-0.3ポイントの2.3%。1棟の新規供給が空室を残して竣工したものの、既存ビルで順調に空室消化が進んだ。賃料は全てのグレードで上昇。オールグレードは対前期比+1.4%の14,760円/坪、2020年Q3の過去最高値を更新。グレードAでは梅田エリアだけでなく、他エリアでも賃料水準が引き上げられた。 - 名古屋:グレードA、オールグレードの賃料はいずれも過去最高値を更新
今期のオールグレード空室率は対前期比-0.7ポイントの2.4%と、2021年Q2以来、約4年ぶりに3%を下回った。幅広い業種で、館内増床、分室開設、拡張や立地改善移転などで空室消化が進んだ。賃料は今期も全てのグレードで上昇。グレードAで対前期比+1.4%の28,300円/坪、オールグレードで同+0.8%の14,390円/坪、いずれも調査開始以来の過去最高値を更新。 - 地方都市:既存ビルでの空室消化が順調、全国的にテナントの需要は底堅い
今期のオールグレード空室率は、10都市中5都市で対前期比低下、3都市で上昇、2都市で横ばい。グレードアップや立地改善、拡張や建て替えによる移転、館内増床などで空室消化が進んだ。オールグレード賃料は、金沢を除く9都市で対前期比上昇。中でも横浜、仙台、高松は上昇率が高く、対前期比で1%以上の上昇。札幌、さいたま、広島の3都市では今期も賃料が過去最高値を更新した。

