中央線沿線の四ツ谷からお茶ノ水にかけての立地特性を端的に表現すると、「東京都心部で移転を考える企業にとって、物件があれば検討されるエリア」と捉えることができる。
東京の西側からでも東側からでもアクセスでき、地下鉄ラインの乗り入れも多く、立地ポテンシャルは想像以上に高い。
ただし、ビジネス街としてまとまったビル集積がなく、いわば目立たない存在で、大型移転の受け皿になるような大規模ビルはもともと少ない。
移転ニーズに、グレード、広さ、コストがマッチした空室があればすんなり契約に至るが、逆に空室のタイミングが合わなければ移転候補の俎上にも上らないエリアという言い方もできるだろう。
このようなエリアで現在入居している企業群は、地域のバリューやビルのグレードにコストをかけたというものではなく、利便性や使い勝手、必要とする機能とコストとの見合いで納得のもと入居しているテナントが多い。
2006年-2007年の市場ひっ迫時においても同エリアの賃料水準はさほど高額なものとはならず、そのため景気減退期だからといって大きな転出はなく、揺れ戻しが少なかった。
事実、近年大型の転出事例があっても、すぐさま入居企業の借り増しで一部消化されたほどである。
飯田橋では、JRの駅を中心に文京区側にビジネス街が広がり、賃料的な選択肢が増えた。
駅近くに大型開発のオープンを控え、ビジネス街としてのさらなるバージョンアップも期待できる。