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注目される天然ガスコージェネレーションシステム

商用電力とコージェネの二本立てで、極めて高い電力供給の安定性が確保できる。
今後は、テナント専有部への給電にも期待。

一般社団法人 日本ガス協会
エネルギーシステム部 マネジャー 川北 浩司

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天然ガスコージェネで省エネと電源セキュリティを確保

天然ガスコージェネレーションシステム(以下コージェネ)とは、天然ガス(都市ガス)を用いて発電し、その際に発生する排熱を冷房や暖房、給湯などに無駄なく利用できるシステムのことです。一つのエネルギー(天然ガス)から二つのエネルギー(電気と熱)を生み出すことから「コージェネレーション」という名称がついています。こうしたエネルギーを効率よく使えることもさることながら、最近注目されているのは、商用電力だけに頼らない電力供給の安定性の高さです。コージェネで発電された電気は、それだけで建物内すべての電力需要を賄うことはまれで、電力会社から購入した電気と合わせて利用されることがほとんどです。つまり、コージェネを導入することにより、商用電力とコージェネの2系統の供給電源を持つことになり、万が一、商用電力の供給が滞った場合でも、コージェネからの電力供給は継続されます。

コージェネは、都市ガスが燃料ですので、備蓄量の限られた重油による発電や 、非常時のみの発電を目的とする非常用発電機とはシステムが異なり、常用で使用することができます。また、常用だけでなく非常用にも使用する常用防災兼用コージェネと認定されれば、予備燃料を付加することなく、耐震性に優れた中圧導管による都市ガス供給となりますので、災害時における供給安定性はさらに高まります。中圧導管は阪神・淡路大震災や東日本大震災においても被害はほとんどなく、都市ガス供給を継続していました。

また、コージェネのポイントとして挙げられるのが、緊急時稼働の信頼性が非常に高いことです。突然の災害等でコージェネが瞬間停止しても、その後の起動で短時間のうちに電力を供給再開することが可能です。もちろん、コージェネ以外の非常用発電機は定期的なメンテナンスが行われています。しかし、非常時・緊急時に確実に稼働できるかという点では、常時使用し続けているコージェネの信頼性は、極めて高いと言えるのではないでしょうか。

従来システムとコージェネレーションシステム

緊急時におけるこれまでのコージェネの役割

オフィスビルにコージェネが導入されている場合、テナント企業が事業継続のため、コージェネの電力をどの程度利用可能でしょうか。残念ながら、現在はほとんど利用できないケースが大半だと思われます(具体的には、個別のオフィスビルに問い合わせる必要があります)。

先に述べたとおり、そもそもコージェネで建物内すべての電力を賄っているわけではありませんし、電気容量を増やそうとすれば、それだけ大規模な設備投資や設置スペースが必要となります。通常は、建物の総電気使用量の3〜6割をコージェネがカバーするように設計され、例えば床面積が1万㎡のオフィスビルであれば、発電容量は300kW程度となるのが一般的です。また、運転も電力需要の多い日中に限られるケースがほとんどです)。

コージェネで発電された電力は、平常時は電力会社から購入した電力と連携して 建物内に供給されますが、何らかの理由で商用電力が途絶えた場合、建物の「重要負荷」や、常用防災兼用コージェネなら「防災負荷」に対し優先的に供給されるよう設計されている場合がほとんどです。「重要負荷」とは、商用電力の停電時にも電力供給を継続したい重要な負荷、例えば電子データ機器や照明設備などです。「防災負荷」とは、消防法や建築基準法で規定されている災害停電時に電力供給すべき負荷、例えばスプリンクラー設備や非常用エレベータなどを指します。どこにどれだけの電力を供給するかは、必要な負荷とコージェネの発電容量を考慮して決められますが、共用部を中心に設計されるケースが多いと思われます。

仮にテナント用の「重要負荷」に給電されるようになっていたとしても、商用電力からコージェネ電力へ切り替える際は、若干の停電が避けられません。瞬時の停電でも大きなダメージにつながるサーバ機器などに対しては、無停電電源装置(UPS)などを組み合わせて、万全なセキュリティ対策を講じる必要があります。

オフィス専有部へ電力供給し停電時も事業継続できるビル竣工!

ガスコージェネ導入実績

商用電力への信頼性が高かった東日本大震災以前は、コージェネは主に共用部への電力供給やピーク電力負荷の引き下げのために導入されていました。ところが、大規模停電や計画停電を経験した震災以降、コージェネやガス利用による長期安定的な電力供給能力が大きな注目を浴びており、今後新築されるオフィスビルについては、テナント専有部への電力供給が配慮されるケースも増えていくと考えられます。

最先端の事例としては、今年竣工予定の「アークヒルズ仙石山森タワー」が挙げられます。中核を成す地上47階、地下4階の超高層複合ビルには、停電時にもテナント企業の通常業務を継続させるため、中圧ガスによる大型非常用発電機を導入すると聞いています。このシステムにより、専有部への電力供給も含め、ビル全体の想定最大使用電力の約85%を供給することが可能になるそうです。

国もコージェネの普及を推進しています。昨年、大規模な電力需給逼迫に見舞われたのをきっかけに、国はコージェネの設備費やメンテナンスフィーの一部を補てんする補助金制度を開始し、休止コージェネの再開やコージェネによる余剰電力の売電を促進しています。また、低利融資の利用や優遇税制の適用などによりコージェネを導入しやすい環境が整いつつあります。

また、東京都では昨夏、都知事が都議会冒頭の所信表明において、天然ガス発電所の新規建設に民間と連携し行動を開始する、病院などの電力確保のため自家発電設備導入を支援する、東京の隅々に発電装置を分散して配備する、エネルギー政策を都市政策の柱に据え、東京発の環境・エネルギー戦略を展開し、国に提起すると述べられました。さらに大阪をはじめ、他の地方自治体でも補助金制度が設立されるなど、コージェネ普及拡大の動きは着実に広がっています。

シェールガス等の出現により天然ガスの可採埋蔵量は約250年分

現在、国のエネルギー政策が見直されていますが、天然ガスシフト・高度利用の推進や、天然ガスコージェネを核とした分散型エネルギーシステムの普及拡大は大きな柱の一つとなっています。 加えて、コージェネの燃料となる天然ガスは、供給安定性が高いことが大きなメリットです。もともと天然ガスの埋蔵地域は石油のように中東に偏在していないため、カントリーリスクによる危機が極めて少ないと言えます。さらに、最近ではアメリカをはじめ、世界各地でシェールガス(非在来型天然ガス)などの埋蔵が新たに確認され、天然ガスの可採埋蔵量は従来の約4倍の250年分にもなっています。需給バランスがタイトになることは考えにくく、将来にわたって天然ガスを安定的に輸入することが可能と考えられます。コージェネは、今後ますます企業が安心して事業継続するためのエネルギーシステムとして期待できると思います。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2012年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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