札幌
06年まで、平均改定率とビルオーナー景況感指数とが連動してきた札幌の賃料改定だが、07年は初めてその傾向が崩れた。大きく上昇した平均改定率とマイナスに振れた景況感指数の乖離には、いったい何があるのか。
07年の増額改定は25.8%となっているが、そのほとんどが10%以上の増額改定。
これは、市況が厳しかった時期に当時としても廉価な賃料でテナントを誘致した事例に対して、賃料をある程度標準的な水準にまで引き上げたケースや、全国型のオーナーが、本拠地である東京を基準に一律増額改定を提示したことによると思われる。
この背景に、07年末にかけ低下してきた空室率に示される市況改善の兆しがあったことは間違いないが、08年に入ると市況は一転、空室率は上昇に転じている。
景況感指数の低下がはたして杞憂に終わるの。今後の動向に注目したい。
仙台
06年の-1.2%から07年は6.6%と、実に7.8ポイントの急上昇を示した仙台の平均改定率。
07年は、全国各都市で平均改定率の上昇が示されてはいるが、ここまでの急上昇は例がない。
増額・減額改定割合でも、実に41.5%が増額改定を実施したことを示しており、これは東京に次ぐ全国で2番目に多い水準である。
仙台は00年から06年にかけ、徹底した供給抑制が続いてきた都市であり、空室率も昨今は安定。04年、05年、06年と、ビルオーナーの景況感指数が3年連続でプラス水準であった背景は、このような市況に起因するものであり、その結果が、07年の賃料改定状況につながったと思われる。
しかしながら、08年に入るとこの状況は一転、すでに大型の新規供給ラッシュが始まっている。
テナント流出予防策としての今後の継続賃料の動向が注目される。
金沢
01年以降、06年までの5年間、増額改定が1事例もカウントされてこなかった金沢の賃料改定事情。
07年には21.1%の事例が増額改定であり、平均改定率もわずか1%程度ではあるものの、9年ぶりにプラスの水準となった。
金沢の空室率は04年をピークに07年末まで低下傾向にあったため、この市況が賃料改定にも反映されたと言えよう。
また、これまで、マイナスで推移してきた景況感指数も、07年はプラス13。
06年から07年にかけて同指数が上昇したのは、全国都市の中でもここ金沢だけである。
ただ、この景況感指数の具体的数値を見ると、「良くなっていく」が20%、「悪くなっていく」が7%、残りの73%、大半が「どちらともいえない」で、この73%という数値も、全国都市で群を抜いて高い。
オーナーサイドも、決して楽観視しているワケではないようだ。
凡例
分析対象
1990年~2007年の18年間において、1990年~1995年については当該年5月~次年4月、1996年~2007年については各年1月~12月にそれぞれ賃料改定を実施したもの(契約更新を迎えたもの)。また、原則として改定時期が2年毎のもの。
平均改定率・空室率とビルオーナー景況感指数グラフ 2000年~2007年の過去8年間
『ビルオーナー景況感指数』
今後のオフィス市況が、現在と比較してどのように変化していくと考えられるか」につき質問し、回答があったものにつき集計。この回答のうち「良くなっていく」...①、「悪くなっていく」...②、「どちらとも言えない」...③という3つの選択肢から、①と②の割合の差分を求め指数とした。同指数の経年推移。
指数化の例:東京2007年のビルオーナー景況感指数
「良くなっていく」24%...①
「悪くなっていく」15%...②
「どちらとも言えない」61%...③
ビルオーナー景況感指数=①-②=9
※ビルオーナー景況感の指数算出にあたっては、日本銀行が発表する企業短期経済観測調査(短観)の業況判断指数(DI)の算出方法を参考とした。
『平均改定率(%)』 改定率の平均についての経年推移。
総額・減額海底割合グラフ 1990年~2007年の過去18年間
年毎、全サンプルに占める増額改定、減額改定、据置の割合を、それぞれ帯グラフにて表示。最新データの2007年のみ各数値(%)を併記した。





