創薬のための研究施設を神戸医療産業都市に設立。プロテオミクス技術で世界をリードし、グローバル創薬開発に貢献。
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社|執行役員 神戸医薬研究所長 和田 耕一氏
ベーリンガーインゲルハイムは、医療用医薬品とアニマルヘルスの事業分野において、革新的な製品開発を通した価値の創出に日々取り組んでいます。なかでも神戸医薬研究所は、当社グループにおけるアジア唯一の医療用医薬品の実験研究施設として、グローバルに編成されるR&D活動で重要な役割を果たしています。その内容は、体内で薬剤がどのように作用するか評価する薬物動態研究や医薬品の製剤設計に関する研究に加え、日本やアジア各国における新薬シーズや新技術の導入、日本の医療ニーズを開発の早期段階から組み入れ、日本市場の要求により即した医薬品を早期に開発するための活動を行っています。
神戸医療産業都市の現研究所は、2008年に本社機能を兵庫から東京に移した際、 1969年設立の「川西医薬研究所」の機能を移転させたものです。当エリアは実験施設を含む研究インフラが整っており、公的研究機関や医療関連企業も多数集積。さらに、アカデミアとの交流機会が豊富で、創薬に関する最新情報を収集するのにも最適なロケーションです。また、神戸は空港や新幹線の駅が近いため利便性が高く、特に大阪や京都のバイオメディカルネットワークへのアクセスが良いことが魅力的です。
当研究所からベーリンガーインゲルハイムのグローバル創薬開発に貢献している事例として、「プロテオミクス」という技術があります。「プロテオミクス」は、タンパク質のデータを解析する技術で、世界の製薬業界でもその需要が高まっています。当研究所は、ベーリンガーインゲルハイムのグローバル研究開発拠点の中で、最先端の網羅的プロテオミクス技術を初めて安全性研究に応用し、グローバルの医薬品研究開発において中心的な役割を果たしています。この技術により、医薬品の安全性を予測し、複数の薬の候補物質から、より副作用が少なく、安全性が高い候補物質をより早く選ぶことができるようになりました。さらに創薬研究用に使用される細胞の開発にも役立てられており、将来的に動物実験による医薬品の評価を細胞で実験に置き換える道も開いています。
2022年、神戸市ならびに神戸医療産業都市推進機構とライフサイエンス分野に特化した「スタートアップ・エコシステム」の構築に関する連携協定を締結しました。これまで当社は、革新的な医薬品開発のため、多くの企業および大学との連携や、スタートアップの支援に力を入れてきました。この協定締結により、スタートアップの発掘やアイデアの実現、事業化、シーズの育成でさらに連携し、次世代の革新的な治療法の創出活動と事業化をより一層推進していきます。




