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横浜 - 賃貸不動産市場 2014年9月

横浜駅周辺で空室率は上昇するも、引き合いは強く空室は消化の見通し。

みなとみらいの市況は改善傾向

シービーアールイー(株)の調査によると、2014年9月期の横浜の空室率は8.1%と、対前期(同年6月期)比プラス0.1ポイントで、ほぼ横ばいとなった。

サブマーケット別で見ると、「横浜駅周辺」は対前期比0.8ポイント上昇の5.7%となった。これは、みなとみらいの新築物件への移転に伴う空室が顕在化した物件や、エリア外へのまとま った移転に伴う空室が顕在化した物件等、数棟の大型空室が主な要因である。これらの物件には、現在引き合いが集まりつつあり、来期には空室の消化が進むと思われ、それに合わせて賃料の底上げも予想される。一方、満室もしくは高稼働で、賃料水準も回復傾向にあった好立地の物件において、複数の小型解約の動きが出ており、今後の動向が注目される。

「みなとみらい」では、対前期比0.4ポイント低下して10.1%となった。2010年以降竣工の築浅物件を中心に、数百坪単位の大型成約が複数見られた。賃借理由は、拠点統合・フロア効 率改善など様々であるが、近隣からの移転が多い。また、同一ビル内での増床も引き続き散見される。長期化していた既存物件の大型空室にも、現在引き合いが集まってきており、エリア全体として市況の改善傾向は続くと思われる。また、都内の大型空室の減少を受けてか、引き続き都内の物件と同エリアを並行検討する企業も複数見受けられる。

川崎・新横浜の動向

「川崎駅周辺」では、昨年から空室の減少傾向が続いており、大型物件を中心に品薄感が強まっている。現在のところ、大型解約や新規供給の予定もないことから、しばらくはタイトな市況 が続くと思われる。賃料が下落していた物件については、その回復も予想される。

「新横浜駅周辺」は、メーカーの大型解約による空室およびリニューアル後の募集再開物件の大型空室が顕在化し、空室率は上昇した。一部では空室の消化も見られるが、これらの大型空 室の動向次第でマーケットが左右されると思われ、その動向が注目される。また、しばらく見られなかった投資目的での物件の売買が複数あり、さらなるマーケットの回復が望まれるところである。

横浜支店 古城直美

相場表

種別 賃料(共益費込) 需給の動向 空室率
推移
横浜大規模ビル 14,000~20,000 円/坪 築浅の大型物件を中心に需要が集まっており、賃料の底上げも一部に見られる。 やや低下
横浜中小規模ビル 9,000~13,000 円/坪 大型空室の顕在化が見られるが、引き合いは集まっている。一方で小型の解約も散見され、動向が注目される。 やや上昇
関内大規模ビル 8,000~12,000 円/坪 全体的に引き合いが低調であり、空室消化が進まず苦戦している。来期には大型空室が顕在化する予定であり、マーケットへの影響が懸念される。 横ばい
関内中小規模ビル 8,000~9,000 円/坪 大規模ビルと同様引き合いは低調であり、空室消化が進まず苦戦している。 横ばい
新横浜大規模ビル 9,000~13,000 円/坪 競争力の高い物件では空室消化も見られるが、一方で大型の空室の顕在化もあり、今後の動向が注目される。 やや上昇
新横浜中小規模ビル 7,000~9,000 円/坪 リニューアル物件中心に空室の消化が見られるが、賃料の底上げにまでは至っていない。 やや低下
川崎大規模ビル 12,000~16,000 円/坪 大規模ビルの空室が顕著に減少している。 低下
川崎中小規模ビル 8,000~15,000 円/坪 駅近物件等の比較的優良グレードの物件を中心に、空室消化が進んでいる。 やや低下
空室率推移凡例:  上昇 上昇 やや上昇 やや上昇 横ばい 横ばい やや低下 やや低下 低下 低下

※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー㈱社員におたずねください。

文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2014年冬季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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