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賃貸オフィス・事務所の記事

福岡 - 賃貸不動産市場 2014年12月期

プラス需要の増加傾向が継続。大型・築浅物件に品薄感。

空室率は5期連続で低下

シービーアールイー(株)の調査によると、2014年12月期の福岡主要オフィスゾーンの平均空室率は、対前期(同年9月期)比0.7ポイント低下の5.1%となり、5期連続で低下した。福岡は、全国の他の中核都市と比較しても好調な都市のひとつであり、首都圏と同程度の低水準に近づいている。

目立った大型面積の解約もない中、引き続き需要は増加傾向にあり、館内増床や拡張移転、中小規模の新規開設の動きが活発となっている。特に、地下鉄天神駅やJR博多駅付近の徒歩圏内で、割安感のあるビルは引き合いが多く、着実に空室を消化している。逆に、空室が消化され稼働率が高まり、10~20%以上募集賃料を引き上げた相場より高めのビルほど、動きが停滞ている状況にある。

福岡市の中心である博多区や中央区では、競争力が高く、まとまった面積を確保できる大型空室や、2007年以降に竣工した築浅物件、またそれに準ずる高水準設備の築浅ビルの空室が減少傾向にあり、品薄感が高まっている。これらの希少な大型空室や築10年以内の築浅ビルは、ますます需要が高まっている背景もあり、その市況感を踏まえた上で、貸し手側は、賃料引き上げの絶好の機会と捉えている。

来春の大型ビル竣工に期待

2015年の新規供給は、博多区綱場町に開発される「長府博多ビジネスセンター」(貸床面積約1,800坪)の1棟のみである。今後も、需要は変わらず堅調に推移すると考えれば、この供給量は少ない。市況に影響するような新たな二次空室が発生する可能性も低く、全体的に空室率は低下し、徐々に賃料も上昇していくことが予想される。今後は、借り手に有利な条件のオフィスは選択肢が限られてくると思われる。フリーレント期間の短縮化と賃料の押し上げによる実質賃料ベースの上昇で、貸し手市場に変貌しつつある中、移転を計画するテナントの動向が注目される。

博多駅中央街では、JR博多駅と直結する九州最大級規模のオフィスビルの開発が着々と進んでおり、2016年春に竣工を予定している。この新たに供給される事務所・店舗の延床面積は約8,000坪。九州内でも類を見ない大型開発となるため、周辺からの期待と注目度が日に日に高まってきている。

福岡支店 江頭秀人

相場表

種別 賃料(共益費込) 需給の動向 空室率
推移
博多駅前 9,500~12,500 円/坪 博多駅近くの好立地物件や築浅物件については、空室の減少が顕著に見られる。成約賃料は、全体的に上昇傾向にある。 やや低下
博多駅東 8,500~11,000 円/坪 面積にかかわらず空室は減少傾向。成約賃料も少しずつ上昇。 やや低下
呉服町 9,000~11,000 円/坪 一部の築浅・大型ビルなどが空室を消化するも、その後は動きが少なく、空室率にも変化が少ない。 横ばい
天神 11,000~13,500 円/坪 明治通り沿いの中小規模の空室は少しずつ減少している。それに伴い成約賃料も上昇傾向に。 横ばい
赤坂大名 8,500~10,000 円/坪 一部のビルが大型空室を消化するも、エリア全体としては停滞感がある。賃料水準もそれほど動きなし。 横ばい
北九州小倉 7,000~10,000 円/坪 築浅の大型空室の一部が消化されたが、依然として需要自体が少ない。空室も多いため賃料水準はまだまだ低い。 やや低下
中・大型倉庫
市内
2,600~3,200 円/坪 築浅の大型空室の一部が消化されたが、依然として需要自体が少ない。空室も多いため賃料水準はまだまだ低い。 横ばい
空室率推移凡例:  上昇 上昇 やや上昇 やや上昇 横ばい 横ばい やや低下 やや低下 低下 低下

※物件検討時の予算の目安です。詳しくはシービーアールイー㈱社員におたずねください。

文中の空室率については、2014年3月期より、データ算出の対象となるオフィスビルを、原則として延床面積1,000坪以上、かつ新耐震基準に準拠した物件に変更しました。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2015年春季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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