全グレードで空室率が上昇するも、
既存ビルの空室消化は堅調。
新築ビル竣工により空室率上昇
シービーアールイー(株)の調査によると、2023年9月期の名古屋オールグレードの空室率は5.8%と、対前期(同年6月期)比0.6ポイントの上昇となった。新築ビルが空室を抱えたまま竣工したことが、主な上昇要因である。
新築ビル竣工により空室率は上昇したが、「栄」エリアの新築ビルは、グレードアップや拡張、集約等のニーズにより、竣工時には多くの内定企業があった。また、今期他エリアで竣工した新築ビルも、募集キャンペーンの実施により空室消化を進めている。
2023年に入ってから、100坪を超える移転事例が徐々に増えてきている。IT関連、コンサルテ ィング関連、サービス業関連企業などによる、拡張、集約、新規開設の動きがあり、今期もこの傾向は続いている。
エリア別の空室率を見ると、「名駅」エリアは、新築ビルが竣工したことによる影響で、対前期比1.8ポイント上昇し6.9%となった。「伏見・丸の内」エリアは、同0.5ポイント低下の7.1%。「栄」エリアは、新築ビルが竣工したことによる影響で、同0.9ポイント上昇の3.9%となった。「名古屋東」エリアは、同0.3ポイント低下の0.4%となっている。
グレードA成約賃料が上昇
グレード別に見ると、今期のグレードA空室率は、対前期比0.8ポイント上昇し8.5%。グレードA想定成約賃料は、同0.2%上昇の26,450円/坪となった。賃料上昇の要因は、「名駅」「伏見」の一部のビルで空室消化が進み、賃料引き上げの動きが見られたためである。また、今期のグレードB空室率は、対前期比1.0ポイント上昇の5.3%。グレードB想定成約賃料は、前期と変わらず14,350円/坪であった。
今期は、新築ビルの供給があり空室率は上昇したが、空室消化が堅調なことから、グレードAの既存ビルでは、従前の賃料水準に戻す動きが見られ、このことがグレ ードAの賃料水準を押し上げた。通常出勤を原則とする企業も増えたことで、拡張などポジティブな移転需要は少しずつ増加しており、今後は、緩やかに空室が消化されていくことが予測される。市場動向に注視し、情勢を綿密に分析することが、自社のオフィス戦略を策定する上で重要になっていくだろう。
名古屋支店 益田 健汰
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