大型ビル竣工の影響で、
伏見・丸の内の空室率が上昇。
大型区画が順調に空室消化
シービーアールイー(株)の調査によると、2023年3月期の名古屋市オールグレードの空室率は、対前期(2022年12月期) 比0.2ポイント低下の5.5%と、2期連続で低下した。グレードA空室率も、対前期比0.2ポイント低下の7.9%と、2期連続で低下。グレ ードB空室率は、対前期比0.4ポイント低下の4.8%となった。
想定成約賃料は、グレードAで、対前期比-0.2%の26,450円/坪、グレードBは、前期から横ばいの14,300円/坪、オールグレードは、対前期比-0.2%の13,740円/坪となった。昨年下期から賃料調整が進み、特に高額帯のビルにおいて割安感が出たため、比較的大型の区画が、順調に消化された。
今期、「伏見・丸の内」エリアに新たに供給されたビルでは、1,000坪以上の空室を抱えて竣工した。この影響などにより、「伏見・丸の内」エリアのオールグレ ード空室率は、前期から0.9ポイント上昇し、8.2%となった。名古屋の全オフィスエリアのうち、今期の空室率が上昇したのは、このエリアだけである。
同「名駅」エリアの空室率は、前期から0.7ポイント低下の5.2 %と、堅調な推移を見せている。これは、築浅で高額帯の物件の複数成約や、賃貸ビルの非賃貸化が、主な要因と考えられる。
同「栄」エリアの空室率は、前期から0.9ポイント低下し、3.3 %となった。館内増床や大型の分室化ニーズなど、前向きな移転案件で、順調に空室を消化している。さらに、「栄」「伏見・丸の内」エリア内からの移転ニーズを取り込んでいるのが、特徴である。
「名古屋東」エリアのオールグレード空室率は、前期から1.5ポイント低下し、0.6%となった。
今後、空室消化ペース鈍化の恐れ
名古屋エリア全体として、今期も立地改善、ビルのグレードアップ、もしくは拡張のための移転が比較的多く見られた。なかには、今後の業容拡大を見越し、オフィスの拡張余地を確保するため、まとまった空室を残すビルへ移転するようなケースも、一部で見受けられた。
一方、当エリアの特徴である、自動車関連産業やその他製造業においては、リモートワークの浸透に端を発したオフィスの縮小傾向が、引き続き散見されている。そのため、2023年下期は、空室の消化ペースが鈍化する恐れがある。ただ、グレードAビルの大型供給も予定されており、二次空室も含め、さらにマーケットが活性化する可能性も秘めている。
名古屋支店 近藤 実
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