広島:前向きな移転ニーズの増加により、広島市内の空室率はやや低下。
潜在空室と今後の新規供給を注視
シービーアールイー(株)の調査による、2021年3月期の広島市内中心部の空室率は3.2%と、対前期(2020年12月期)比0.3ポイント低下している。前期は、大型空室の顕在化等によって空室率が上昇した。今期は、コロナ渦による縮小・撤退という動きは見られたものの、コールセンター等の新規出店や、築年数の経過したビルからの環境改善目的の移転、巣ごもり特需で業績好調な企業の新設など、前向きな移転の話も多く見受けられ、空室消化につながった。
今後の空室の見通しとしては、広島銀行本店の竣工による関連する複数企業の解約や、コロナ関係のコールセンターなど短期事務所による潜在空室を抱えている。
今年12月に、鯉城通り沿いに「フージャース広島大手町ビル」が竣工を予定。鯉城通り沿いでは久しぶりの新築ビルとなり、注目を集めている。来年秋には、広島駅南口の郵便局跡に大型ビルの竣工が予定されている。それまでに、どの程度空室が消化されているかが、今後の広島市内のオフィス市場の鍵を握っている。
岡山:大型テナントの郊外からの移転で、中心市街地の空室率はやや低下。
今後の新築ビルに期待
2021年3月期の岡山の空室率は、前期(2020年12月期)からやや低下した。これは、前期から動きのあった大型テナントが、郊外から市街地のビルに移転したことで、継続的に解約が出ていた小型の空室発生分が相殺されたためと考えられる。また、昨年同期は緊急事態宣言前でほとんど動きがなかったが、今年は新規開設の動きが出始めており、明るい兆しが見え始めている。しかし、一方で、新たな解約予告も出てきており、予断を許さない。
今夏、岡山では「杜の街グレースオフィス棟(仮称)」がオープンする。放送局やオーナー企業の入居が決定しているが、一部はテナントフロアになる。岡山初のフラッパーゲート付きテナントビルで、最新機能を備えている。また、地元企業のHSコーポレーションが、市役所筋に「AQUAテラス幸町」の着工を発表した。鉄骨造10階建、延床面積3,356㎡、来年5月末の完成を目指す。あくら通りの角地で、外観はカーテンウォールを採用しており、1階は飲食店が入居する。近隣を明るいイメージにするビルの誕生に期待したい。
広島支店 柴﨑 雅史 / 越智 昭博
- 現在募集中の広島県の賃貸オフィス
- 現在募集中の岡山県の賃貸オフィス
続きを見るにはログインが必要です