空室率は上昇基調で推移。割安な賃料の物件が需要の受け皿に。
グレードB成約賃料が上昇
シービーアールイー(株)の調査による、2021年12月期の名古屋オールグレードの空室率は4.6%と、対前期(同年9月期)比0.8ポイント上昇した。新築ビルが空室を抱えて竣工したほか、既存ビルで、部分解約などによる空室が発生している。コロナ禍が始まった2020年は、テナントの決定した区画は100坪に満たない小規模なものが中心であった。これに対し、2021年に入ってからは100坪超のケースが徐々に増えており、今期もこの傾向が続いた。 IT関連企業、人材派遣会社などによる拡張や立地改善を目的とした移転のほか、来客型オフィスの開設などで、まとまった空室が消化された。これらの動きの受け皿となったのは、立地やスペックに鑑みて賃料が割安なビルが中心である。一方、高額賃料帯のビルへの引き合いは依然弱く、空室消化に時間を要している。
エリア別の空室率を見ると、「名駅」エリアは、大型ビルで空室が発生した結果、対前期比1.1ポイント上昇の5.6%となった。「伏見・丸の内」エリアは、同0.9ポイント上昇の5.1%、「栄」エリアは、同0.3ポイント上昇の3.0 %、「名古屋東」エリアは、同0.1ポイント上昇の1.7%となっている。
グレード別に見ると、今期のグレードA空室率は、対前期比0.6ポイント上昇の3.9%。グレードAの想定成約賃料は、対前期比マイナス0.5%の27,150円/坪となった。「名駅」エリアの大型ビルで空室が発生し、賃料引き下げの動きが見られた。
グレードBの今期の空室率は、対前期比1.1ポイント上昇の4.9%。グレードBの想定成約賃料は、対前期比プラス0.3%の14,350円/坪となった。これは、前述した新築ビルが空室を抱えて竣工したほか、既存ビルで、部分解約などによる空室が発生したことが要因である。
ポジティブな需要が増加
今期時点では限定的であるが、拡張や立地改善を目的とした、ポジティブな移転需要は増加傾向にある。空室率の上昇に伴い物件の選択肢が増え、賃貸条件の緩和が続けば、さらに移転需要が増加する可能性もある。ただし、新型コロナウイルスの変異株による感染者数が増えてきており、各企業のオフィス戦略に影響を及ぼすことが予想される。こちらについても、引き続き注視していきたい。
名古屋支店 益田 健汰
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