物流不動産への旺盛な需要
Eコマースの成長およびサプライチェーンの混乱に備えるため、企業はより多くの在庫を保有する必要性から、産業用不動産や物流施設、特に港湾への交通アクセスを備えた不動産への需要が高まっています。
高い輸送コストが拠点選定に影響
CBREの調査によると、企業の物流費全体に占める輸送コストは45~70%と最も大きな割合を占めています。これは賃貸料などの固定設備費3~6%、人件費などの変動設備費15~25%と比較するとかなり大きいと言えます。輸送コストを最小限に抑えるため、企業は港湾に近い施設をターゲットとしています。
海上輸送が増加
海外輸送は年々成長しており、コンテナ貨物輸送量(TEU※)は過去10年間で36.5%増加しています。世界の商品取引量の80%以上は海上輸送であり、そのうち半分以上は海上コンテナで輸送されています。
※TEU:20フィートコンテナに換算した貨物量を表す単位。
リスクの高まりによる戦略の変化
インフレ、金利上昇、地政学的緊張、コロナ禍による港湾の一時閉鎖やロックダウンの可能性など継続的なリスクに備え、投資家やテナントはサプライチェーン戦略や立地の再検討を始めています。