賃貸物件の汎用性を保ちつつ、
医療機器業種特有のニーズに応える
高機能物流施設を開発。
野村不動産株式会社
都市開発事業本部 物流施設事業部長
山田 譲二氏
野村不動産は、一般的なマルチテナント型施設では対応が難しい業種を想定し、一定の汎用性を確保しながらも、それぞれのニーズに最大限応える物流施設開発を進めている。ターゲットとする業種は、医療機器・医薬品をはじめ、大型重量貨物、アパレルなど多岐にわたる。同社物流施設事業部長の山田譲二氏に、業界特有のニーズに対応した開発の事例紹介と、医療・医薬品業界で必要とされる物流施設の要件についてうかがった。
マルチテナント型の汎用性とBTS型の個別性を両立させる
私たち野村不動産グループでは、国内デベロッパーでは他社に先駆け、2004年から物流施設開発事業に取り組んできました。中でも高機能物流施設に力を入れており、現在、Landportの稼働施設は12物件、開発中が8物件。物流拠点の選定サポートから、企画設計、開発、運営まで一貫したサービスをご提供しています。
賃貸の物流施設というと、BTS型かマルチテナント型かの二者択一で語られることが多いのですが、私たちが目指すのは、いわば両方の利点を掛け合わせた施設です。BTS型では、お客様の個別の要望に適った施設を建設できますが、最近はビジネス環境の変化が著しく、普遍的に同じ施設を使い続けることは現実的ではありません。一方、テナントの入れ替えを前提とするマルチテナント型は、汎用性の高さを確保したいがために、一部のテナントにとっては使い勝手に難があったり、逆にオーバースペックだったりする場合もあります。そこで汎用型施設では対応しにくい専門性を有する業種をある程度想定し、それぞれのニーズに対応した施設をつくることで、マルチテナント型の汎用性とBTS型の個別性の両立を実現したいと考えています。単なる空間提供の域を越えて、お客様の付加価値創造の拠点づくりに貢献することが、デベロッパーとして私どもが目指すところです。
専門性を有する業種として、原料・重量物などの大型貨物やアパレルなどの分野で開発実績があり、今回のテーマである医療機器のお話をする前に、まずは、すでに稼働中のこれら分野向けの事例を通して、野村不動産の高機能物流施設開発の取り組みをご紹介できればと思います。
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