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物流企業の戦略|福岡倉庫株式会社 代表取締役社長 富永 太郎氏

「物流の2024年問題」の課題解決に向けて
積極的なITの活用と自動化を推進
求められる業界全体による物流刷新

創業75年目を迎える今年、自社最大となる物流拠点「FLP(Fukuoka Logistics Park)玄望園)」を開業した、九州最大級の総合物流企業グループの中核企業「福岡倉庫」。福岡エリアの立地を活かした倉庫保管から入出庫、海運・陸運まで連携し、質の高い物流サービスを展開している。地域に根差し、業界をリードしてきた福岡倉庫は、近年の九州における物流施設開発の盛り上がりや、「物流の2024年問題」にどう対応しているのか。代表取締役社長 富永太郎氏に今後の戦略などについてうかがった。

福岡倉庫株式会社
代表取締役社長
富永 太郎

福岡倉庫株式会社 代表取締役社長 富永 太郎氏

国内外で22拠点を保有する、 九州最大級の老舗総合物流企業

福岡倉庫は1948年に創業した、福岡県内に7つの物流拠点、県外と海外を含め22拠点を持つ、九州では最大級の総合物流企業。倉庫保管をはじめ輸配送、海外引越など物流におけるトータルネットワークを提供している。物流業界において、近年、物流不動産を専門とするファンドが大規模な投資を行う状況を鑑み、「我々、物流企業の真の強みは、物流施設を多く保有していることだけではなく、お客様のニーズに応える、精度や品質の高い安定した物流サービスを提供できることです。その根源は優秀な社員がいること、つまり人材です」と福岡倉庫代表取締役社長富永太郎氏は語る。

標準スペックとは一線を画す、 大型マルチテナント型物流施設を開業

福岡倉庫は今年1月、北九州市を起点に九州を縦断する九州自動車道の古賀IC至近において、同社最大規模の物流拠点となる「FLP玄望園」を開業。悪天候下でも安全に荷役できるオーバーハング型のトラックバース、梁下天井高6.0mの一般倉庫など、近年の大型マルチテナント型物流施設(以下、LMT)とは一線を画したスペックとなっている。また、高まる需要に応えるべく、福岡エリアでは稀少な危険物倉庫5棟を併設している。さらに、省エネ効果の高い建築物であることを表す「BELS」の評価において「ZEB Ready」を取得。今後は、太陽光発電を通して、昨今の物流施設のキーワードである“カーボンニュートラル”の達成をめざす。同施設においては、LMTの実績豊富な大和ハウス工業の施工により、同社の貸主としてのノウハウと、福岡倉庫というユーザーとしての細かなこだわりを盛り込み、単なるLMTとは大きく異なる使いやすさを追求したという。

最新IT技術を駆使し、 安定的な物流を提供していく

「FLP玄望園開業の目的のひとつは、安定的な物流サービスの提供です。これまで施設キャパシティの問題から、商品を分散して保管されるお客様も少なくありませんでした。FLP玄望園の稼働により、これまでの拠点を統合していただいたので、輸送効率は間違いなく上がったと言えます。玄望園を選んだ理由は、土地価格が当社の目線に合う金額であったうえに、近年、業務が増加している北九州市をも視野に入れられるロケーションであったことです。

またバース予約システムを軸に、トラックの積み込み時間をコントロールできる管理体制など、最新テクノロジーを活用した取り組みも推進しています。

最近の物流DXの潮流から、当社としても倉庫の自動化は積極的に進めています。一方で、多様な企業の商品を扱う施設では、画一的な自動化では管理しづらいというデメリットもあります。地方のプレーヤーである当社ではひとつの拠点で複数のお客様を管理することが前提です。自動化できる定型作業だけではなく、お客様の求める多種多様なサービスに柔軟に応じることも不可欠と感じています」。

業務フローや人材採用を見直し、 2024年問題へ向けて体制を整備

目下、最も重視しているのは「物流の2024年問題」への対応と富永氏は強調する。今年に入ってからは特に、顧客からも質問される機会が増えたという。

「当社としては労働時間を明確に管理し、残業を前提としない物流を提供していきたいと考え、お客様にもその旨をお伝えしています。2024年問題はトラックドライバーを雇用する物流業界の法規制ではありますが、取り組みが必要と考えられる荷主が増えたのは、大きな変化であり、ありがたいことです。例えば、出庫指示の締め切りを当日から、前日に変更していただき、出庫作業の効率化を行い、またトラックへの積み込みも計画的に行うことが可能になりました。トラックドライバーの労働時間の削減には、発地ならびに着地で無駄な待機時間がないようにする業界全体の努力も不可欠です」。

近年、九州の土地価格は急騰しているが、地価が2倍になったからといって、2倍の額を請求できるものではない。「さまざまなコストが上昇していますので、これからは我々の標準サービスを明確に定義し、それ以上のサービスをご要望されるのであれば、追加費用をいただいて、付加価値のある物流サービスとして提供していきたいと思っています。今後も、日本は生産年齢人口が減少し、働き手が少なくなるのは明らかです。当社としても人材採用が困難となると予測しており、その対策として出庫チェックをデジタル処理で行うなど、業務フローを徐々に切り替えています。これに伴い、社内SEを12名に増やしました。売上100億円規模でこれだけの人数を抱えている会社はそうそうないのではないでしょうか。プログラマーやSEのキャリア採用も難しいため、2年前から情報システム系の学生を新卒採用し、社内人材育成の体制を整えております」。

LMTの増加、土地価格の急騰、 九州物流マーケットの可能性とは

「過去にも物流拠点の統合化と分散化は、繰り返し行われてきました。しかしながら、今後は物流拠点からの配送網の距離を短くする必要があります。九州の場合ですと、福岡だけでなく熊本や鹿児島などに小規模の在庫を保管するのがひとつの選択肢になるかもしれません。

昨今、福岡圏では、これまでにないペースでLMTが建設され、一部では供給過多を心配する声も上がっていましたが、結果的には着実に埋まっている状況です。供給はさらに加速しているので、多少の空室が出るのは仕方ないとしても、どこかで大きな変化が起こると想像します。『より付加価値の高い物流とは何か』という、物流業界の本質的な課題を突き詰めることもより重要と考えています」と富永氏は語る。

「先日、博多港にあるアイランドシティの物流用地の入札があり、今までの相場感をはるかに超えた金額での落札となりました。それだけの金額を負担できる企業があるということは、物流サービスに相当な付加価値の余地があるという現れでしょう。新たなマーケットが創られていく時代に突入したと言えるかもしれません。我々も負けじとその価値を追求していく所存です」。

福岡圏以外への物流施設の展開を尋ねると「博多港は地理的に南海トラフの影響を極めて受けにくく、京浜港ほど混雑していないのが特徴です。この強みを活かすべく、福岡への集中投資を続けていく予定です。

さらに、物流業界を取り巻く状況が大きく変化する今日、創立50周年を迎える、全国のオーナー系倉庫業者130名が在籍する『倉庫業青年経営者協議会』の会長も務めています。『親睦と勉強』の理念を掲げ、オーナーシップの継承と実務的な最新のテクノロジーやノウハウの共有を活動の両輪として、多くを学べる場所に身を置き、物流業界の魅力と競争力向上のため、精進していく所存です」と富永氏は力強く語った。

FLP玄望園

FLP玄望園

FLP玄望園 外観〔南側〕

FLP玄望園 危険物倉庫

FLP玄望園 危険物倉庫

FLP玄望園

梁下天井高6.0mの倉庫内部

FLP玄望園

オーバーハング型のトラックバース

FLP玄望園

所在地 福岡県古賀市玄望園9
敷地面積 21,184.31㎡(6,408.26坪)
延床面積 22,116.85㎡(6,690.34坪)
倉庫棟(1・2階) S造2階建、高床式、梁下天井高:6.0m、床荷重:1.5t/㎡
危険物倉庫(指定倍数50倍) 693.40㎡(209.75坪)5棟、平屋建、梁下天井高:6.0m、床荷重:2.4t/㎡
設備 貨物用エレベータ:3t×2基、垂直搬送機:1.5t×4基、ドックレベラー:4基

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上記内容は BZ空間誌 2023年春季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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