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圏央道沿線エリアの物流ポテンシャル

シービーアールイー株式会社
インダストリアル営業本部
アソシエイトディレクター 佐藤 亘

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国道16号線から圏央道へと 物流立地が拡大

これまで首都圏における物流適地は、国道16号沿線が外縁とされてきました。配送先の大消費地である都心までの距離と、施設確保のコストの兼ね合い から、このエリアが選ばれてきたと言えるでしょう。しかし近年は16号沿線も開発の進行とともに新規に立地できる場所が減少し、また地価も上昇していま す。必ずしも距離とコストのバランスのとれたエリアとは言い切れない面も出てきました。

そうした中で、最近クローズアップされてい るのが圏央道沿線です。圏央道の魅力は、将来的に全線が開通したときに、都心から放射状に延びているすべての高速道路に連結し、各高速道路間の所要時間の 大幅な短縮が見込めることです。これにより、従来であれば物流拠点を分散して設置しなければならなかったものが、圏央道沿線に大型の物流施設を1ヶ所設置 しておけば、都心を経由することなく、圏央道を通って東名高速道路から中央道、関越道、東北道へと、各地への配送が可能になります。そのため現在、周辺の 物流施設を集約統合して、圏央道沿線の大型施設に移転するという動きが加速しているわけです。

圏央道沿線で最初に開発が行われたの は、埼玉県の久喜市周辺でした。久喜は圏央道と東北道の連結点であり、仮に圏央道の開通が遅れたとしても、東北地方と首都圏を結ぶ要衝であることから、こ のエリアを選択する企業が出てきたということです。実際のところ、当初久喜は、物流業界内において都心からの距離が遠いという印象があったと思われます。 しかし、先に述べた国道16号沿線の逼迫感から、まず主要高速道路である東北道沿いに、物流立地が広がったと言えるでしょう。

圏央 道沿線が物流マーケットとして大きな可能性を秘めていることを不動産デベロッパーに認識させることになったのが、2011年に埼玉県川島町に竣工したマル チテナント型施設の「プロロジスパーク川島」でした。ワンフロア約9,000坪、延床面積5万坪を超える大型施設ですが、予想を超えて順調に入居者が集ま りました。この施設は圏央道の川島ICの近くにあり、設立当時でも圏央道を通じて関越道や中央道へのアクセスが容易になっていますが、決して既存の放射状 の高速道路沿線というわけではありません。しかも、大型マルチテナント型施設の場合、物流事業者に物流適地と認知されなければ、テナント募集もスムーズに 進まないものです。しかし、実際に私が物流会社のお客さまから聞いたところでも、「川島は非常に交通の便がいい」と大変高い評価がなされていました。

圏央道沿線物流施設空室率推移

利便性向上で注目を集める 相模原・愛川エリア

久喜エリア、川島エリアに続いて、現在注目が集まっているのが、相模原市や愛川町といった神奈川県西部の圏央道沿線エリアです。このエリアは東名高 速道路と中央道の中間に位置しており、今年3月に東名高速道路につながる海老名IC~相模原愛川IC間が開通。また今年度中には、相模原愛川IC~高尾山 IC間も開通する予定であり、圏央道を通じて、東名高速道路と中央道、さらには関越道が結ばれることになります。こうしたこともあり、今年度下半期以降、 相模原・愛川エリアでは物流不動産デベロッパーによる集中的な物件の供給が予定されているのです。

従来、神奈川県西部では、東名高 速道路の厚木ICや横浜町田IC周辺に物流拠点が設けられていました。しかし、近隣の相模原市や愛川町周辺は、なかなか物流適地とは見なされていませんで した。その大きな理由が慢性的な交通渋滞です。横浜町田ICと相模原市域は国道16号線によって接続されており、距離にしてわずか数kmであるにもかかわ らず、一度渋滞に巻き込まれれば1時間以上を要することも珍しくありませんでした。一方厚木ICから相模原方面に向かう場合には、厚木の市街地を通り抜け なければならず、やはり渋滞に巻き込まれることが多くなります。しかし圏央道が開通したことによって、交通アクセスは劇的に改善されました。

ま た神奈川県西部は北から南へと相模川が流れており、橋を渡る際に渋滞が起きやすくなるため、東西の交通が非常に不便でした。しかし圏央道の相模原愛川IC や圏央厚木ICは相模川を挟んで西側、海老名ICは東側に設置されたことにより、圏央道を用いれば、相模川より東側の都心方面への輸送も、また西側の東 海・関西方面への輸送についても利便性が大きく高まりました。

さらに説明を加えると、元来の物流適地であった厚木IC周辺は相模川 の西側に位置し、同エリアに横浜や東京の都心部をカバーする物流拠点を設置しようとすると、相模川越えの渋滞が大きなネックとなっていました。かと言っ て、次のICは横浜町田ICであり、ここまで都心に近づいてしまうと、コスト的に見合う物件がなかったり、大きな面積が確保しづらくなります。また、厚木 周辺の圏央道のICは、非常に短い距離に連続して設置されましたが、IC毎に立地特性が異なるため、物流事業者の選択肢が広がっています。これなども、圏 央道の開通により同エリアの物流ポテンシャルが高まる理由の一つに挙げられるでしょう。

既存の厚木エリアに加え、相模原・愛川エリアが新たな物流適地として浮上しているのにはこうした背景があります。

最大の強みは 労働力の確保のしやすさ

圏央道の他のエリアと相模原・愛川エリアを比べたときの競争優位性は、まず東名高速、中央道という物流の大動脈に近接していることです。関西や名古 屋から輸送されてきた荷物をいったんこのエリアでストックしたうえで、圏央道を用いて関東北部や東北地方に配送すれば、効率的な輸送が可能になります。

ま た東日本大震災以降、BCP(事業継続計画)対策として、物流拠点を京浜臨海部から内陸部に移す動きが起きています。ただし臨海部に物流拠点を置いている 企業の場合、輸出入に絡む事業を行っているケースが多く、臨海部からあまり遠距離なエリアに拠点を移転するのはコスト高になります。その点、相模原・愛川 エリアであれば比較的近距離であり、移転候補地として適していると言えるでしょう。

そしてこのエリアの最大の魅力は、庫内ワーカー の確保が容易であるということです。相模原市は70万人以上の人口を抱える政令指定都市であり、自動車産業や電子部品の古くからの集積地でもあります。近 年、工場の移転や廃業が相次いだため遊休地が増えているのですが、物流施設はこうした工場跡を利用して建てられようとしています。つまり元々工業団地だっ た場所に物流倉庫が開発されるわけですから、その周辺にはかつて工場で働いていた経験があり現在は新しい職を求めている居住者や、その世帯の主婦層といっ た方々が少なからずいるわけです。圏央道沿線のほかのエリアの場合、人口密度の低い田園地帯に物流施設を新たに開発するケースが多くなるため、労働力の確 保が大きな課題となりますが、相模原・愛川エリアはその課題をクリアしていると言えるでしょう。

逆に相模原・愛川エリアに物流拠点 を設けることのデメリットとしては、外環道沿線や京浜臨海部に比べればリーズナブルであるとはいうものの、他の圏央道沿線エリアと比較すると、賃料水準が 高めに設定されているためコスト高になることが挙げられます。企業が圏央道沿線に物流拠点を設ける際には、労働力の確保のしやすさとコストを天秤にかけな がらエリアを絞っていくことになるのではないでしょうか。

相模原・愛川エリア以外では、関越道と中央道の間に位置する埼玉県の狭山 市や日高市周辺エリアを新たな物流集積地にするべく、計画が進行中だと聞いています。また現在はまだ工事区間である五霞ICに近接する茨城県古河市周辺で も、物流適地になり得るかどうかの検討が物流事業者の間で進められているのではないでしょうか。

いずれにしても圏央道沿線で今後物流施設の開発が活発化することは間違いなく、首都圏の物流はこの数年で大きな変貌を遂げることが予想されます。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2013年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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