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物流施設開発プログラム「Dプロジェクト」とは

都市別特集

2013年8月15日

大和ハウス工業株式会社
東京本店 建築事業部 副事業部長
第四営業部 部長 更科 雅俊

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倉庫建設のノウハウを土台に BTS型物流施設開発を展開

圏央道沿線のDプロジェクト

「大和ハウス」という社名からすると意外に思われるかもしれませんが、当社は1955年の創業当初、鉄パイプによる倉庫建築(パイプハウス)から事業をスタートしたという経緯があります。その後、住宅はもとより工業化建築のパイオニアとして製造施設やオフィスなど様々な事業用建築を手がけ、物流施設についてはこれまで約3,000棟以上を建設してきました。

2002年からは、物流施設の設計・施工にとどまらず、デベロッパーとして物流施設の開発をスタート。当社が土地・建物の所有や出資を行うことで事業参画し、クライアント企業の事業スキームに合わせた専用の物流施設をコーディネートする当社独自の物流施設開発プログラム「Dプロジェクト」を展開しています。物流施設の開発を手がけるようになった背景には、当時、不動産を所有しないことを良しとする風潮が強まったことがあります。土地の売却を希望する地主が増える一方で、施設を利用する側も賃借を望んだことから、当社が土地・建物を所有することで双方のニーズを満たすことができると考えたわけです。

当社は注文建築を得意とすることから、特定企業のニーズに合わせてオーダーメイドで開発するBTS型物流施設を中心に展開してきました。これまでに開発した施設は、首都圏を中心に全国108ヶ所、敷地面積約90万坪に上ります。東日本大震災以降は、短期賃貸借契約の要望が多くの企業から寄せられたため、これに対応するべく複数テナントが入居できるマルチテナント型物流施設の開発も始めています。今年11月に竣工予定の相模原をはじめ首都圏3ヶ所と、全国主要都市での開発を予定。将来的には、マルチテナント型の開発を、全体の2~3割を占めるまでに強化していきたいと考えています。

当社の物流施設開発における最大の強みは、物流適地において拠点立地を確保しやすい点にあります。一般的にBTS型物流施設の開発では、テナント企業の希望ありきで土地を取得する傾向にあります。しかし当社の場合、特に首都圏においては、開発に先行して物流適地(もしくはその見込地)を事前に取得しておき、その後にテナント企業を募集するという手法での開発も採用します。物流適地の先行取得が可能であるため、テナント企業の決裁を待たずに土地購入の意思決定をすることができ、土地取得の競争力が増すこととなります。このように土地を事前に取得することができるのは、土地の取得とリーシングを同一部門で行っており、リーシングする目線で責任を持って用地を取得する体制をとっていることと、物流企業等との継続的なコンタクトによるリーシング力がある点が挙げられます。

また、当社が物流施設だけでなく、工場や商業施設、あるいは住宅やマンションなども手がける総合デベロッパーであることも競争優位性となっていると思われます。例えば、数万坪規模の売却用地があれば、物流に限定せず、その土地に適した建物用途で開発することも可能ですし、テナント企業の要望に合った面積や形状に敷地を分割して開発する場合もありますので、これらの対応力もご評価いただいていると感じています。

埼玉エリア以北や 名阪へのアクセスに期待

Dプロジェクト久喜

首都圏では、特に外環道と圏央道に注目して開発を進めています。圏央道については、当社の戦略というよりは、物流適地を求めていった結果、圏央道沿線での開発が増えていると言えます。当社が最も多く手がけているのは久喜エリアで、他に川越や八王子、今回マルチテナント型施設を開発する相模原などが挙げられます。

久喜エリアでの土地の取得が最も早く、2006年に3万坪と2万坪の区画整理地を購入しました。当時、周辺はほぼ未開拓でしたが、開通が予定されていた圏央道と、物流の主要幹線である東北道が接続すれば、物流適地としての可能性も高まると想定し、他社に先駆けて取得を決めました。ただ、正直なところ、今日のような物流適地としての高い評判を得たことは、予想を超える嬉しい誤算でした。また、隣接地の1万7000坪の土地を同時期に購入し、こちらは商業施設を開発し、この開発により物流施設に従事される方の利便性を高める効果も上げることができました。

久喜ではその後、計2万坪ほどの土地を追加で購入し、現在では商業施設用地も含めると計8万7000坪を確保しています。  圏央道の優位性としては、東名高速や中央道、関越道などを横断するアクセスの良さから、広域物流に適していることが挙げられます。また、土地代が比較的低廉であるため、開発した施設の賃料をリーズナブルに抑えることができるのも魅力です。

全面開通までにはまだ時間がかかりそうですが、開通後のポテンシャルは非常に高いと感じています。従来は八王子や相模原に拠点を構えた場合、埼玉エリア以北を直接カバーすることはできませんでしたが、圏央道と関越道が連結したことでそれが可能になりました。逆に、これまで相模原や八王子などの立地を希望していた企業が、圏央道沿線の狭山や川島、久喜などに物流施設を構えることも考えられます。実際に、圏央道の鶴ヶ島‐八王子間が開通したときは、比較的賃料の安価な入間や日高に進出する企業も現れ、こうしたエリア変動は今後も加速することが予想されます。

ただし、八王子は周辺人口が多く、労働力の確保が容易であるという利点があり、賃料は高めであるもののいまだ根強い人気です。物流施設の立地を検討する際には、その施設での必要労働者数や運営内容についても考慮する必要があるでしょう。

3月末に圏央道の海老名‐相模原愛川間が開通し、今年度中に中央道まで延伸する予定です。今後期待されるのは、東名高速との連結により名阪方面の物流までカバーできることでしょう。物流集積地である厚木に拠点を置かなくても、少し離れた場所から圏央道を使って東名高速へアクセスするという選択肢も生まれます。

このような魅力を持つ圏央道沿線エリアには、ここ1~2年で引き合いが急増しています。今後もテナント企業の要望に応えるべく、物流施設開発を進めていきたいと考えています。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2013年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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