福岡の文化が育むコンテンツ産業の事業環境
株式会社アカツキ福岡
モバイルゲーム事業を手がける(株)アカツキ(東京都品川区)は、2017年3月に天神に福岡オフィスを開設し、1年後の2018年3月22日、(株)アカツキ福岡として子会社化しました。主な事業は、ゲームづくりにおける、デバッグと顧客対応です。
顧客対応において、当社が追求するのは、スピードと効率性を求めるカスタマーサポートではなく、カスタマーエクスペリエンスです。広義には顧客体験ですが、ゲーム事業においては、お客様からのお問い合わせを通じて、感動体験を生み出し、ファンになっていただくことです。こうした体験づくりは、AIが取って代わることのできない領域であると考えています。
当社が事業展開の地に福岡を選んだ理由は、若年層の人口が増加し、大学や専門学校も多く、優秀な人材が多いということです。単に優秀といっても、当社は成長性・可能性を重視しており、福岡の若者の、素直で明るく、新しいことに挑戦する気質を歓迎しています。また、空港や駅へのアクセスが便利で、職住近接が実現できることも、コンパクトシティ福岡のメリットと言えます。都市がコンパクトなので、東京と比較してコミュニティの規模も小さくなりますが、逆に横のつながりができやすく、企業の垣根を越えて、協力して何かを生み出そうとする動きが起こりやすい環境だと思います。
さらに、福岡市はコンテンツ産業の誘致に力を入れており、行政と一緒に何かをやろう、という文化が形成されているのも魅力です。2017年、当社が福岡オフィスとして開設した際、他社との共同記者会見に高島市長が登壇し、歓迎していただいたこともプラスとなりました。当社は今後も、福岡の地から、もっとワクワクをもたらす事業を展開していきます。
- 取材:2019年1月 株式会社アカツキ福岡 代表取締役 CEO 坪岡 章仁氏
顧客業務の「90%」自動化を推進する新拠点、福岡に開設
アクセンチュア株式会社
2019年1月、世界で47万人の社員を擁する総合コンサルティング企業である当社は、福岡市に「アクセンチュア・インテリジェント・オペレーションセンター福岡(AIO福岡)」を開設しました。当社が提供するオペレーションサービスの最先端の拠点と位置づけたAIO福岡は、RPA(ロボットによる業務自動化)、アナリティクス、AIをはじめとする先端技術を適用してお客様の現行業務のインテリジェント化を支援しつつ、その業務をお客様に代わって執行する拠点です。一般的なオペレーションサービスは、経理・人事といった本社業務が中心ですが、AIO福岡では、営業・サプライチェーン・マーケティング等、対象領域をお客様の本業の部分まで拡大し、次世代型の業務プロセスの実現を支援していきます。
当社は以前より国内拠点の強化拡充を進めており、日本のお客様のご要望への対応と、新しいタイプのオペレーションサービス提供に適した都市のスクリーニングを重ねた結果、福岡市に新拠点を置くことを決定しました。それには大きく3つの理由があります。1つは、新しいことに挑戦しようとする若者が多く、また今後も増加傾向にあるために安定的な人材確保が期待できること。次に、スタートアップ企業が集積し、イノベーションを推進する気風にあふれていること。3つ目は、アジアの中心都市として国際的に開かれたイメージがグローバルに展開する当社の強みと合致していることです。この、人材・イノベーション・グローバルという3つの要素に、それらを促進する行政の強いリーダーシップが加わることで経済が発展し、さらに人が集まるという好循環が起きていると思います。
福岡市早良区百道浜に立地し、海を望むロケーションのAIO福岡は、地元採用を強化しつつ、I・Uターン人材も含めて300人体制を目指しています。当社が世界中に持つ拠点とも緊密に連携し、技術や成功事例を取り入れつつ、日本発の革新的な業務プロセスを世界に向けて発信していきます。
- 取材:2019年1月 アクセンチュア株式会社 執行役員 オペレーションズ本部 統括本部長 伊佐治 光男氏