大型の新規供給物件がテナントニーズを喚起
2020年の中部圏LMT*3のQ4空室率は、2019年から0.7ポイント上昇し10.3%となった。今期の新規供給1棟が空室を残して竣工したことが、空室率上昇の大きな要因。ただし、既存物件では複数の成約事例が見られたほか、大手ホームセンターのBTS型開発が発表されるなど、テナントの動きが戻ってきた。
2022年の過去最大の新規供給に関心が集まる
2021年の新規供給は1棟1.4万坪と引き続き低水準。だが、2022年は一転して過去最大の15万坪(6棟)が供給予定である。中部圏のストック面積は2022年に1.4倍超に拡大する規模で(対2020年末比)、空室率の上昇は避けられない。2022年Q4の空室率は12%程度を予想する。しかし、これら空室は徐々に消化が進むと予想される。というのも新規供給の中には、中部圏では希少なランプウェイを付帯した大型の施設が複数含まれているからだ。こうした物件には、大規模な進出や再編などを目的としたテナントからの関心が集まっている。
そのような需要喚起が予想されるため、空室率は上昇するものの実質賃料は年平均1%超の上昇を見込み、2022年Q4時点で3,680円/坪を予想する。
*3 LMT:大型マルチテナント型物流施設(延床面積:中部圏5,000坪以上)