中部圏
中部圏LMT*の2019年の新規供給は、2017年の9万坪を凌ぐ過去最高の10万坪。中部圏マーケットは、この3年間でストック面積が2.6倍に急拡大した。空室率は、2019年Q2に一時的に17.3%に達したが、Q4には10%程度へ低下する見込みである。このように空室率が大きく変動するのは、市場規模がまだ小さいことが理由。急拡大したとはいえ、中部圏LMTマーケットは首都圏の10分の1ほどの規模である。そのため、新築物件の稼働状況が市場全体の空室率へ与える影響は、どうしても大きくなる。しかし、実際に空室を抱えた棟数は5棟と少なく(2019年Q4見込み)、需給が緩んだとは言い難い。
現在発表されている2021年までの開発計画は計2棟で、いずれもこれまでLMT開発の実績がなかった郊外の立地である。LMTとしては新興立地であるため需要予想は難しいが、現状では物件の選択肢が限られるため、徐々にリーシングが進むと考えている。空室率は、供給の影響で一時的な上昇はあるものの10%を超えることはないとみられ、2021年末は4%程度にとどまる見通しである。空室率が多少変動するなかでも、賃料はわずかながら上昇基調を保つとみている。新興立地の新規竣工が平均賃料を押し下げる反面、名古屋市中心部にアクセスの良い地域は空室が枯渇しているため、賃料を押し上げる要因となろう。実質賃料は、2019年Q4時点で対前年同期比+0.6%の3,570円、2021年Q4の賃料は、対2019年Q4比で+1.4%を予想する。
* 大型マルチテナント型物流施設(延床面積5,000坪以上)