ビジネス街に必要なのは、ハイスペックなオフィスビルだけではない。人々の安全確保はもちろん、企業資産を守り事業継続をバックアップする都市防災ストラクチャー、環境負荷を低減するための組織的取り組み、さらには充実したビジネスサポート機能やリフレッシュのためのアメニティ機能である。ここでは、街のステイタスを高めるそれらの要素について紹介する。
都市基盤整備
災害対策を重視した街づくり
- 共同溝
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MM21地区内の道路の地下には、都市の基幹インフラ(電力・ガス・上水道・電話・光ファイバー等)や熱供給の導管を収容する空間、共同溝が設置されている。都市機能を支えるライフラインを地下に埋設することで、これらが被災時に受けるダメージを軽減する効果がある。また、インフラ施設の埋設工事やメンテナンスの度に行われる道路掘削が不要となり、常にスムーズな交通路が確保される。地上に電柱や電線等が存在せず、都市景観の向上にも役立つ。MM21の共同溝全体の長さは、道路局整備部分5.4km、港湾局整備部分1.4kmとなっており、長さ、収容物件の多さ、断面の大きさなどにおいて全国最大規模。1983年に整備が開始され、2003年に完成した。
- 災害用地下給水タンクと広域避難場所
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災害時の被災者用の飲料水を確保するための地下給水タンクを、「ヨーヨー広場」、「臨港パーク」、「新港パーク」、「高島中央公園」に設置。4基合計の水量は4,500立方メートル、50万人×3日分(一人3リットル/日)の飲料水を賄う計算となる。タンクは水道管に接続されており、常時水道水が循環している。被災者の避難場所としては、国際平和会議場「パシフィコ横浜」が帰宅困難者の一時宿泊場所として機能するほか、「臨港パーク」が横浜市の広域避難場所に指定されている。
- 内貿(耐震)バース
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21街区の内貿バースは、岸壁の耐震性が強化されており、地震時にも船舶の接岸が可能。緊急物資や避難民の輸送に使用される計画となっている。
環境に配慮した街づくり
- 地域冷暖房システム
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地域冷暖房とは、一定の地域内の複数建物に対し、プラントから供給導管を通じて冷温熱を送り、冷暖房・給湯等を行うシステム。熱源設備を一元管理することにより、地震等の災害時における二次災害防止に効果がある。また、地域冷暖房の導入には、次のような大きなメリットが挙げられる。
- 省エネルギー:
設備の集中化による運転効率の向上や効率的な冷暖房システムにより、地域全体での省エネ効果が期待できる。現在、2基のプラントが稼働しており、センタープラントは大規模潜熱蓄熱システム(安い深夜電力を利用して氷をつくり昼間の空調に使用)、第2プラントはコージェネレーションシステム(電力供給の際の廃熱を熱供給に利用)を採用。第3プラントも計画中となっている。 - 環境保全:
省エネルギーにより二酸化炭素の発生を抑えられるほか、窒素酸化物・硫黄酸化物の排出量削減にも効果があり、大気汚染・地球温暖化の防止に寄与する。 - ビルの電力コストの削減:
ビル側では個別の熱電機器が不要となり、イニシャルコストが大幅に削減され、契約電力が下がって電力コストも大きく低減される。ガス・水道の使用量削減にも効果がある。また、機械室スペースの縮小により、賃貸スペース等の有効床面積が拡大。熱源機器の運転・メンテナンス面でも省力化が可能となるというメリットがある。
- 省エネルギー:
- CASBEE横浜
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横浜市は、2005年度から、建築物の環境への負荷低減を促すことを目的として、延床面積が5,000?を超える大規模建物を建築する場合は、建築物総合環境性能評価システム(CASBEE:キャスビー※)を使用し、環境配慮がどれだけなされているかを自己評価して届け出ることを条例により義務付けている。2006年度からは、届出対象となる建築主が希望する場合は、横浜市による客観的な審査を行う「CASBEE横浜認証制度」を実施。2007年度からは、この認証制度の対象を延床面積2,000?まで拡大し、環境対策を促進する。MM21の大規模建築計画はCASBEEによる評価書の届出が義務付けられるため、地域全体として環境保全が図られることとなる。
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※「CASBEE」(建築物総合環境性能評価システム)
建築物の環境性能で評価し格付けする手法。省エネや省資源・リサイクル性能といった環境負荷削減の側面はもとより、室内の快適性や景観への配慮といった環境品質・性能の向上といった側面も含めた、建築物の環境性能を総合的に評価するシステムである。「Sランク(素晴らしい)」から、「Aランク(大変良い)」「B+ランク(良い)」「B-ランク(やや劣る)」「Cランク(劣る)」という5段階の格付けが与えられる。
◎出所
●『みなとみらい21 Information』vol.78(?横浜みなとみらい21発行)
●みなとみらい二十一熱供給株式会社 ウェブサイト(http://www.mm21dhc.co.jp/)
●横浜市まちづくり調整局 ウェブサイト(http://www.city.yokohama.jp/me/machi/)
●(財)建築環境・省エネルギー機構 ウェブサイト
アメニティ・ビジネスサポート施設
利便性と快適性を高める機能
オフィスビルなどの業務機能の集積が進むなか、快適なビジネス環境の一環として、働く人々がゆとりを持って毎日を過ごすための機能も充実。ここでは、それらの施設やサービスを紹介する。
パシフィックロイヤルコート みなとみらい
オーシャンタワー(50街区)
2008年2月上旬の入居開始を予定している、地上29階建のタワー賃貸マンション。募集戸数は360戸で、基本的な間取りはStudioタイプ～3LDK(38.98㎡～147.42㎡)。月額家賃レンジは86,000円～790,000円。フィットネスルーム、宅配ボックス、トランクルームなど共有部分に便利な施設が揃っている。また、フロントではコンシェルジェが対応、クリーニング取次ぎやハウスキーパー紹介など、働く人にとって便利なサービスが提供される。今後、MM21では、就業人口のさらなる増加が予想されており、それらの人々の住居としても機能する。
臨港パーク(19街区)
MM21地区の中で1番大きい緑地。潮入りの池やアーチ橋などのオブジェを眺めながら木々に囲まれた公園を散策できる。芝生が一面に広がり、座ってランチなどを楽しめるため、人々に憩いの場として親しまれている。
ピア赤レンガ(2街区)
横浜駅東口、みなとみらいぷかりさん橋、大さん橋、および山下公園を結ぶ海上バスが発着する桟橋。これら定期便のほかに、遊覧船やクルージング船も運行しており、クルージング船では海を眺めながら本格的な食事を楽しむことができる。
GENTO YOKOHAMA〈ゲントヨコハマ〉(53街区)
ライブハウス、ハウスウエディング会場、シネマコンプレックス、アミューズメントパークなどが一体となったエンターテイメント複合施設。11スクリーンを誇る「109シネマズMM横浜」では、2つのシアターでハイクオリティの画像を再現するシステムを採用している。レイトショー(毎日20:00以降の最終回)やレディースディ(毎週水曜日)、ファーストデイ(毎月1日)などが設けられており、特別料金にて鑑賞できる。
横浜みなとみらい万葉倶楽部(11-3街区)
熱海・湯河原の温泉が楽しめる和のテイストがいっぱいのリラクゼーション施設。営業時間は午前10:00?翌朝9:00。ひのき風呂、露天風呂、足湯、大浴場など様々なタイプの湯を楽しめる。また、マッサージのサービスも充実しており、英国式、指圧、タイ古式マッサージなどで日々の心身の疲れを癒すことができる。
横浜美術館(36街区)
19世紀後半以降のアート作品を中心に収集している総合美術館。収蔵作品を展示する年3回の横浜美術館コレクション展に加え、年4回の企画展を開催。開館時間は通常10:00～18:00となっているが、企画展が開催されている金曜日は20:00(入館は閉館30分前)までオープンしている。
横浜ランドマークプラザ(25街区)
横浜ランドマークタワーに隣接する、ファッション、インテリア、リラクゼーション、カフェ・レストランなどの約170に及ぶ専門店から構成されているショッピングモール。5階のフィットネスクラブでは初心者でも安心して、ジム、プール、スタジオなどの施設で心身のリラックスを体験できる。仕事が終わった後の平日の夜に施設を利用できるナイト会員コースなどのサービスもある。
横浜ランドマークタワー(25街区)
オフィス、商業施設が入居する高層複合タワー。52階?67階が客室となっている「横浜ロイヤルパークホテル」の部屋からは美しい景色が広がる。13階には外国人スタッフによる幼児教育を行っている保育施設があり、託児サービスが利用できる。また、当タワーでは、医療機関も充実しており、7階には一般診察のほかに人間ドックなどの予防診療を受けられる施設等も備わっている。
◎出所(各ウェブサイト)
●大和リビング(http://www.daiwaliving.co.jp/)
●横浜みなとみらい21(http://www.minatomirai21.com/)
●ポートサービス(http://www.yokohama-cruising.jp/)
●横浜観光コンベンション・ビューロー(http://www.welcome.city.yokohama.jp/tourism/index.html)
●GENTO YOKOHAMA ゲントヨコハマ(http://www.gento.jp/index.html)
●横浜みなとみらい万葉倶楽部 (http://www.manyo.co.jp/mm21/)
●横浜美術館(http://www.yaf.or.jp/yma/)
●横浜ランドマークタワー(http://www.yokohama-landmark.jp/)
