イギリス
賃貸借契約形態 | |
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契約期間 | 5~10年 |
中途解約 | 可 |
サブリース | 可 |
預託金 | 与信が低いと6~12ヵ月必要 |
実支払額 | 145 |
原状回復 | あり |
賃貸物流施設 | |
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階数 | 平屋 |
建築費 | 5~6.5万円/㎡ |
テナント |
3PL&物流業者:40~50% 荷主:50~60% |
主規模 | 5,000~20,000㎡ |
最大規模階数 | 100,000㎡ |
主要オーナー |
プロロジス、グッドマン、 年金基金、機関投資家 |
集積地1 | ミッドランド (イギリス中央エリア) |
相場 | 5.25ポンド/SF/年 (2,300円/坪) |
集積地2 | イギリス北西部 |
相場 | 4.25ポンド/SF/年 (1,900円/坪) |
イギリスの物流施設市場では、今の経済情勢を反映して、リスクの見切れない開発案件の中止・延期が数多く見受けられる。
また、既存施設における供給も、オーナーサイドがテナント流出に対して賃料引き下げ等の引き止め施策を講じており、1万㎡以 上の賃貸スペースは市場に出てこなくなっている。
イギリスにおける物流集積地とその空室率は、ミッドランドで15%、イギリス北西部で20%といったとこ ろである。
近年、イギリスの市場では、既存施設においてニーズを満たすものが増えており、テナントもこれを好む傾向にある。
そのためか、契約に至る決定プ ロセスも非常に短期間になってきている。
昨今の賃貸借契約の特徴としては、入居時に必要となる預託金に関して、貸し手市場下では賃料の6~12ヵ月分が必 要となるが、現市況では、65%程度の契約者で預託金を必要としないマーケットとなっている。
フランス
賃貸借契約形態 | |
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契約期間 | 3年、6年、9年 |
中途解約 | 不可 |
サブリース | 不可 |
預託金 | 賃料の3ヵ月分 |
実支払額 | 115~120 |
原状回復 | 大型施設以外ではない |
賃貸物流施設 | |
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階数 | 平屋 |
建築費 | 4万円/㎡ |
テナント |
3PL&物流業者:50% 荷主:50% |
主規模 | 10,000~50,000㎡ |
最大規模階数 | 200,000㎡ |
主要オーナー | プロロジス、ガズリー、AMB、ゲシナ、FEL |
集積地1 | イル・ド・フランス (パリ近郊) |
相場 | 45~52ユーロ/㎡/年 (1,600~1,900円/坪) |
集積地2 | ローヌ川流域 |
相場 | 44~45ユーロ/㎡/年 (1,600円/坪) |
2009年末、フランスの物流施設マーケットは、需給バランスの取れた安定した市況を示している。
物流集積地であるイル・ド・フランスやローヌ川流域で空 室率10%前後の水準。ただ、新規の開発案件に関しては、経済の先行き不透明感から中止や延期が相次いでいる。
そのため、パリ周辺部においてはグレードの 高い大規模施設は希少な存在。対してローヌ川流域では、2~5万m2の優良物件での空きが見られる。
フランスの一般的な物流施設の 賃貸借は、基本的にはオフィスのそれと同じ形態で差は見られない。
ただし、フランスの物流施設はBuild to Suitで提供されるのが主流であり、その場合、一般的な既存施設の契約期間が3年であるのに対し、9年という契約期間になるケースも見受けられる。
オランダ(ロッテルダム)
賃貸借契約形態 | |
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契約期間 | 5+5年 |
中途解約 | 不可 |
サブリース | 可 |
預託金 | 賃料3ヵ月分の銀行保証 |
実支払額 | 100 |
原状回復 | あり |
賃貸物流施設 | |
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階数 | 平屋 |
建築費 | 5.5万円/㎡ |
テナント |
3PL&物流業者:80% 食品・商品保管業者:15% 荷主:5% |
主規模 | 5,000~20,000㎡ |
最大規模階数 | 130,000㎡ |
主要オーナー |
プロロジス、AMB、 DHVG、プロデルタ |
集積地1 |
エームハーフェン ペルニス |
相場 |
50~65ユーロ/㎡/年 (1,800~2,300円/坪) |
集積地2 |
ボトレック マースフラクテ |
相場 |
45~55ユーロ/㎡/年 (1,600~2,000円/坪) |
ヨーロッパ最大の貨物取扱量を誇る貿易港を有するロッテルダムは、オランダの物流集積地のみならず、ヨーロッパ全体の物流拠点としても、非常に重要な地位 を占める。
ロッテ川、新マース川、数々の運河の沿岸部、そして埋立地にディストリパークと呼ばれる物流団地が形成されており、代表的なものとして、エーム ハーフェン、ペルニス、ボトレック、マークフラステ等が挙げられる。
これらのエリアの現在の空室率は、いずれも7%前後の水準である。ロッテルダムにおけ る物流マーケットは、2009年、比較的安定的に推移した。景気は冷え込んでいるものの、日用雑貨や生活必需品といった内需ニーズのテナントが動きを見せ、これが市場の下支えとなっている。
オランダでの物流施設賃貸借は世界標準と呼べるもので、契約期間5年単位の定期借家。入居時の預託金は、いわゆる敷 金と内容は同じだが、オーナーに預けるのではなく、銀行保証金として銀行に供託する手法がとられている。
ドイツ
賃貸借契約形態 | |
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契約期間 |
既存施設:2~5年 新規開発:10年 |
中途解約 | 不可 |
サブリース | 可 |
預託金 | 与信が低いと6~12ヵ月必要 |
実支払額 | 130~140 |
原状回復 | あり |
賃貸物流施設 | |
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階数 | 平屋 |
建築費 | 4.5~5.5万円/㎡ |
テナント |
●3PL&物流業者:40~50% ●荷主:50~60% |
主規模 | 5,000~10,000㎡ |
最大規模階数 | 100,000㎡ |
主要オーナー |
プロロジス、グッドマン、 年金基金、機関投資家 |
集積地1 | ノルトライン=ウエストファーレン州 |
相場 |
3.5~4.5ユーロ/㎡/月 (1,500~1,900円/坪) |
集積地2 | ライン川・ネッカー川流域 |
相場 |
2.8~4.5ユーロ/㎡/月 (1,200~1,900円/坪) |
ドイツにおける賃貸物流施設市場は、現在、新規開発によるリスクの受け手が不在で供給が滞っている。そのため、現代的な物流システムに対応する大規模かつ ハイグレードな物件が市場から少なくなってきている。
マーケットの厳しさはBuildto Suitの市場にも現れており、テナントは開発にあたり10年間の契約期間を要求される。これはヨーロッパの一般的な契約からすると非常に長期のものとい える。
昨今、この契約期間の長期化がマーケットのトレンドになりつつあり、一般的な既存施設であっても最低5年からというものが主流となっている。そのた め、賃貸施設の大きなメリットであるテナントのフレキシビリティが低下してきている。
その他、ドイツの物流施設賃貸借契約の特徴としては、施設の使用方法 に応じて賃料の30~40%と比較的高額な支払いが発生することがあることや、入居時の預託金に相場がなく、テナント与信によって大きく変動することなど が挙げられる。る。