ビジョナリーイノベーションを探求し続け、
「ごきげん」で柔軟な組織を育んでいきたい。
慶應義塾大学発のベンチャーとして、近視をはじめとした視覚領域の課題解決を目指す株式会社坪田ラボ。代表取締役社長を務めるのは、同大学医学部教授として研究活動に従事する傍ら起業し、上場企業にまで育て上げた異色の経営者、坪田一男氏だ。同氏が取り組む「ごきげん」な組織づくりと、それと関わり深い拠点戦略について詳しく訊いた。
株式会社坪田ラボ
代表取締役社長
坪田 一男氏

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医療従事者が産業構造に、積極的に関わる先鞭をつける
私たちは“VISIONary INNOVATIONで未来をごきげんにする”をミッションに掲げる、慶應義塾大学発の医療系ベンチャーです。主に近視・ドライアイ・老眼・脳疾患に関する研究を行い、その成果を医薬品・医療機器や、眼鏡などの製品を通じて、社会実装することを目指しています。創業のきっかけは2010年頃、同大学医学部の教授として研究・教育・臨床等に取り組む中、自身が使用している医療器具や薬がすべて海外製だと気付いたことにあります。調べてみると日本の医療関連製品は大幅な輸入超過であり、優れた技術や研究成果が社会実装や輸出されていない現状に課題を感じました。医師や医療従事者が、ただ患者を診るだけでなく、医療産業構造に積極的に入っていくロールモデルをつくろう——その想いから起業に至りました。
当社は、大学教授として携わっていた研究チームを前身に複数の法人をつくり、2015年、それらを統合して坪田ラボとしたのが始まりです。懇意にしていた東京・青山の医療関連企業からオフィスの机を2つお借りして、小さくスタートしました。社員は私1人でしたが、その後数名増え、2019年に執務スペースやアカデミアとの連携強化の利便性から、慶應義塾大学信濃町キャンパス内へと移転。コロナ禍の折に一度、信濃町駅至近のオフィスビルへの転居を挟みつつも、2024年に再び同大学に拠点を移し、現在は社員19名で事業に邁進しています。
コストを抑え共創を生む、「ラボレス」という経営
私たちが目指す「ごきげん」とは人の幸福において重要な感情であり、「ごきげん」だからこそ、物事が好転するという因果関係にあると考えています。会社についても同じこと。社員が楽しく安心して働け、研究に打ち込める「ごきげん」な組織は、成長して大きなイノベーションを起こし得る。その大前提が企業として利益をしっかりと上げることです。
そのため、我々は研究開発ベンチャーでありながら、いかに利益を創出するかという視点を重視。事業拠点で言えば、我々は創業当初から「ラボレス」という経営方針をとってきました。これは固定費がかかる、賃貸ラボや固定資産としての高額な研究機器を自社で設けず、代わりに国内外のトップ機関と連携して研究開発を進める方針です。国内では慶應義塾大学も含め3カ所の研究室と共同研究を行い、各拠点のマウス室や共通機器室等を共同で使用させていただいています。コスト面のみならず、一つの研究テーマに縛られず、常に新しいシーズを発掘し、柔軟かつスピーディなパイプラインを構築できることも利点となっています。
ワークプレイスは社会との接点、人が集まる「ネクサス」として機能
2022年6月、私たちは東証グロース市場へ上場。経営の安定性が高まり、採用面でも私たちのカルチャーにフィットする優秀な人材が、より集まるようになったと実感しています。調達資金も充てて実施した2024年のオフィス移転では、慶應義塾大学病院で新たに整備された「CRIK信濃町」の賃貸オフィス区画に本社を構えました。医療・ヘルスケア分野を中心とした研究開発や起業支援を行うための施設で、コミュニティスペースなど、入居者同士の交流を促す設備が充実しています。
この本社は多様な組織とつながりやすく、かつ臨床現場である病院の中にあることで、特に海外の契約相手などに大きな信頼感を与えています。働く場所は閉じられた空間ではなく、ネクサス(社会との接点)でなければなりません。実際に、「CRIK信濃町」のラウンジでは「坪田ラボ学会」というイベントを催し、当社およびその共同研究者など約60人もの方々が、研究の進め方や開発の展望について議論し合いました。また、学生インターン説明会を開催した際には多くの応募があるなど、移転によって多くの人との出会いが生まれたと実感しています。
視覚領域を強みにしつつも、変化する組織であり続ける
今後の成長戦略の一環として海外市場への進出があり、2024年から中国・温州市の「Eye Valley(中国眼谷)」にもオフィスを設立しました。ここでも、現地大学の客員教授としての長年の人的交流が「信用」となり、中国国内での事業展開のハブとして機能します。本年5月には米国・シアトルにもオフィスを確保し、中国同様にアカデミアとのネットワーク構築など、事業の裾野を広げていきます。
我々は、自身の強みが最も生きる視覚領域をこれからも主軸としつつも、将来の様々な変化に、柔軟に対応できる組織であり続けます。もちろん、本社機能も例外ではありません。現在のオフィスはアカデミアとの連携や信頼性の面で、当面は利用し続けますが、常にその時々の経営環境を考え、現状にとらわれることない拠点戦略を取っていきたいと思います。
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