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賃貸物流倉庫・大型貸し倉庫の記事

地方へ広がる物流開発の波

ECとテクノロジーが拓く、地方の物流マーケットのポテンシャル

本号では東北エリアに注目しましたが、三大都市圏で続く先進的物流施設開発は、近年、地方エリアにも広がりつつあります。ここでは物流集積の新たな方向性として、地方エリアの可能性について考えます。

地方エリアの新規供給計画が増加

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加熱する先進的物流施設開発の行方

近年、首都圏では先進的物流施設開発が活発化しており、2019年には過去最大の供給、 2020年には過去最低の空室率0.5%を記録、 2021年も需要がとても強い状況が続いています。特にコロナ禍以降、巣ごもり消費によるネットショッピングをはじめとしたeコマースの隆盛が大きく影響しています。

強い需要は、物流会社の集約・統合による物流の効率化の動きや、eコマースの躍進による新規拡張の動きの活発化などによるものです。さらに、高度経済成長期に大量供給された従来型の倉庫が、今日、主流となっている商品を必要に応じて頻繁に配達する多頻度配送に対応できないため、使い勝手のよい先進的物流施設にニーズが集中しています。

供給過剰? 老朽化した倉庫の建て替え急務

2000年以降、先進的物流施設は毎年のように過去最高の床面積が供給されてきましたが、倉庫床全体に占める面積は全国で5.2%、首都圏では約10%、三大都市圏以外のエリアでは1%で、割合としてはほとんど増えていません。地方は都市部と比較して不動産のコストが安価であるため、ユーザーは先進的物流施設(賃貸施設)に入居するよりも取得する場合が多く、開発者は地方へ行くほど投資規模(金額)が小さくなり需要を把握しにくいため、なかなか地方に目が向かず、大都市中心の開発になるのがこれまでの流れでした。

近年、先進的物流施設が大量に供給されていますが、歴史をふりかえると、これまで最も多く倉庫が供給された高度経済成長期の1971年には全国で600万坪近い倉庫が供給されました。これらの従来型倉庫は築50年を迎えており、建て替えられていくことを考えると、今後継続的に供給が行われてもおかしくはありません。また、旧耐震基準(1980年以前)で建てられた倉庫は、固定資産の概要調書と建築着工統計から推計すると全国の倉庫の約33%(2018年時点)あり、BCP対策の観点からも、建て替えていく必要があります。

図2 全国の倉庫着工量の長期動向

三大都市圏以外での開発は? ―潜在的ニーズを見抜くヒント

これまで先進的物流施設の供給が多く行われてきたのは首都圏が非常に多く68%、近畿圏が22%、つまり首都圏と近畿圏で約9割を占めています。それに中部圏を入れると95%になり、ほとんどが大都市圏中心の供給となっており、地方はわずか5%にすぎません。

都道府県別の人口と倉庫のストックを見ると、消費規模(人口)に比例して倉庫面積も増えるのが一般的ですが、必ずしもすべてがそうはなっていません。平均よりも一人当たりの倉庫面積が多いエリアは他のエリアに荷物を運んでおり、潜在的なニーズが多く、一人当たりの倉庫面積が少ないエリアは、他のエリアから荷物が来ており、潜在的なニーズはそれほどないと言えます。このように一人当たりの倉庫面積は、潜在的ニーズを見極めるのに役に立ちます。潜在的な倉庫ニーズは、ストックの更新が進んでいないエリアを抽出すると、その存在が見えてきます。一人当たりの倉庫面積と先進的物流施設の割合の分布を見ると、人口当たりの倉庫面積(横軸)が大きく、先進的物流施設の割合(縦軸)が低い、枠内に入る都道府県が可能性を持ったエリアと言えます。〔図3〕結果として、群馬県、茨城県、宮城県、滋賀県、栃木県などが出ています。特徴として、大都市圏の近郊や、東北エリアでは宮城県、福島県など未開拓な地方エリアがポテンシャルの上位に来ています。成熟しつつある東京、神奈川でも供給は続くと思われますが、ここで抽出されたエリアにおいて今後供給が進んでもおかしくないと思われます。

図3 潜在的にニーズが高く、ストックの更新が進んでいない都道府県

テクノロジーの進化が創る物流開発の選択肢

テクノロジーの進化もまた地方への物流施設開発を促す要因になると考えられます。最もインパクトが大きいのは自動運転です。今後10年間に自動運転は大きく進化すると予想され、トラックの自動運転が実現すれば、これまで大都市周辺の拠点から配送していたのが、長距離運転が可能になりますので、大都市圏から離れた場所に拠点を置くことが可能になります。次に影響があるのは物流施設内のオートメーション化です。数年前から物流ロボットが導入され徐々に進みつつありますが、オートメーション化によって従来のように何百人も雇う必要がなくなれば、地方の人口が少ない地域にも拠点を構えることができるようになるのです。テクノロジーの進化は、これまで見向きもされなかったエリアも拠点として検討されうる可能性を生むでしょう。

また、物流需要を牽引する重要な要素であるeコマースは、地方エリアのポテンシャルを見極めるうえでも重要です。インターネットの利用率は三大都市圏が高いとはいえ、地方を見ても大きな開きはないのが実態です。今後、地方においても単身者世帯や高齢者世帯向けの通販が増えていくことが予想されることから、eコマースが拡大し、物流施設の需要につながっていく可能性は非常に高いと考えられます。

図4 インターネットを利用した支出総額

立地ポテンシャルを考えた先を見た戦略へ

物流業界は今後少しずつシフトし、テクノロジーは特にアップデートが速いため、予想もしなかった展開が出てくるかもしれません。三大都市圏に限らず、その周辺あるいはこれまで供給がなかったエリアにおいても需要が生まれ、開発が増えていくことも十分に考えられます。これらを理解し、多くの経験とノウハウを持つプロフェッショナルとともに資産運用をご検討することをお勧めします。

まとめ

  • 倉庫ストック、テクノロジー、およびeコマースの成長から見ると今後、地方の開発が進む可能性がある。
  • 物流の開発エリアは限られていない。今後ますます広がっていくことを視野に入れて資産運用を考える。

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上記内容は BZ空間誌 2021年秋季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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