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貸店舗・賃貸店舗の記事

1.募集期間の長期化

1-1.時系列:コロナ前vsコロナ下

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コロナ下に入ってからの募集期間は、コロナ前に比べて長くなっている。図1は、募集期間の推移を2018年Q1から2022年Q4までの期間で示している(箱ひげ図の見方については、下の「参考図」を参照)。リテールの路面店舗は個別性が高い。そのため、相場を超える募集賃料や、使いづらい区画形状などを理由に、極端に長い募集期間になることもある(図1の外れ値)。そういったいわば「ノイズ」の影響を受けずに募集期間の傾向が掴めるように、箱ひげ図の分布で表している。箱中に中央値の横棒がない図は、中央値が下底(25%)または上底(75%)と同値となっている。

コロナ前(2018年Q1から2019年Q4)の募集期間の範囲は、最小値が「1四半期」、25%の値は「1四半期」から「2四半期」の間で変動している。中央値は「2四半期」から「4四半期」、75%の値は「3四半期」から「5四半期」、最大値は「3四半期」から「7四半期」の間でそれぞれ変動している。

一方、コロナ下(2020年Q2※2から2022年Q4)の募集期間の範囲は、コロナ前に比べて幅がある。最小値は「1四半期」、25%の値は「1四半期」から「2四半期」の間で変動しており、コロナ前と変わらない。一方、中央値は「1四半期」から「5四半期」、75%の値は「3四半期」から「8四半期」、最大値は「3四半期」から「13四半期」の間でそれぞれ変動している。コロナ前と比べて、最小値や25%の値が変わらない一方、中央値、75%の値、最大値はいずれも長くなっている。区画によって募集期間に差が出ている、ということになる。

※2 感染予防の観点から、2020年Q1は調査をおこなっていない。

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1-2.面積別:コロナ前vsコロナ下

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面積別にみてみよう。大きさに関わらず、コロナ下の募集期間はコロナ前に比べて長くなっていることが分かる。図2は、面積別の募集期間をコロナ前とコロナ下で示している。コロナ前の最小値は「1四半期」から「2四半期」、25%の値は「1四半期」から「3四半期」の間で変動している。コロナ下は、最小値が「1四半期」、25%の値は「1四半期」から「2四半期」の間の変動と、コロナ前に比べて短い。中央値は、コロナ前が「1四半期」から「4四半期」、コロナ下は「2四半期」から「6四半期」の間でそれぞれ変動。コロナ下の中央値の変動は、コロナ前よりも長くなっている。また、75%の値はコロナ前の「2.5四半期」から「5.75四半期」に対して、コロナ下は「4四半期」から「8四半期」の間の変動と長くなっている。最大値も、コロナ前の「3四半期」から「7四半期」に対して、コロナ下は「7四半期」から「11四半期」の間の変動と長くなっている。

1-3.賃料総額別:コロナ前vsコロナ下

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次に、賃料総額別にみてみよう。金額に関わらず、コロナ下の募集期間はコロナ前に比べて長くなっていることが分かる。図3は、賃料総額別の募集期間をコロナ前とコロナ下で示している。コロナ前の最小値は「1四半期」から「2四半期」、25%の値は「1四半期」から「3四半期」の間で変動している。コロナ下は、最小値が「1四半期」、25%の値は「1四半期」から「2四半期」の間の変動と、コロナ前に比べて短い。中央値は、コロナ前が「1.5四半期」から「4四半期」、コロナ下が「2四半期」から「4四半期」の間の変動となっており、大きな差はない。一方、75%の値はコロナ前が「3四半期」から「6四半期」の間の変動に対して、コロナ下は「4.75四半期」から「7四半期」に伸びている。最大値は、コロナ前の「4四半期」から「7四半期」の間の変動に対して、コロナ下は「9四半期」から「11四半期」の間の変動と長くなっている。

1-4.コロナ下の募集期間を分析する

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コロナ下の募集期間は、面積や賃料総額にかかわらず、コロナ前に比べて長期化する区画があることが分かった。ここでは、コロナ下に募集期間が6四半期以上だった募集区画の傾向についてまとめている。面積ならびに賃料総額別の最大値が6四半期以上だったこと、CBREの仲介経験として、6四半期以上は比較的長いと感じることなどを考慮した。

対象となる募集区画は、計76件あった。このうち、面積50坪未満、賃料総額500万円未満の区画が32件(42%)と、最も多い。この大きさは稀少性が高く、賃料総額も抑えられるため、テナントが決まりやすいとされている。一方、出店できるリテーラーが小さな商材を扱う業態に限定される、という側面もある。そのため、立地などの観点から時計やジュエリー、雑貨などを扱うリテーラーの選定基準から外れると、募集期間が長期化しやすい。

次に多かったのは、面積100〜200坪未満、賃料総額1000〜2000万円未満の区画で9件(12%)だった。ハイストリートの中でもラグジュアリーブランドの出店立地からは外れているもの、またはセカンダリーエリアの募集区画だった。ラグジュアリーブランドが出店する立地であれば、複数のニーズの中から時間を掛けずにテナントが決まるケースが多い。しかし、その立地から外れるとリテーラーからの引き合いがやや弱くなり、結果として募集期間が長期化しやすい。セカンダリーエリアの100坪を超える区画は、このエリアで出店ニーズのあるリテーラーにとって、適正面積を超えていることが多い。なぜなら、そういったリテーラーの多くは出店の資金がそれほど潤沢ではなく、ランニングコストなどの支払いが負担になるためだ。

その他として、最大区分となる面積300坪以上、賃料総額3000万円以上の区画は4件(5%)だった。この区分の募集区画は13件あったが、9件は4四半期以内にラグジュアリーブランドやスポーツブランドなどの出店が決まっている。日本やアジアに向けてブランド情報を発信し体験を促す旗艦店舗として、好立地かつ比較的大きな面積であることが決め手となった。一方、募集期間が6四半期以上だったこの区分の区画は、こうしたリテーラーの出店立地からは外れていた。

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上記内容は BZ空間誌 2023年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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