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ウブロ表参道ブティック|プロジェクトケーススタディ

SUMUFUMU TERRACE(スムフムテラス)

高級時計ブランドのウブロは、2021年12月、国内6店舗目となる「ウブロ表参道ブティック」をオープンした(現在は国内で全7店舗)。実は、表参道は高級時計ブランドの出店が少ないエリア。同ブランドが表参道にあえて出店した理由は何なのか。ラグジュアリーブランドとしてさらに飛躍するウブロの出店戦略と、表参道店の革新的な店舗づくりについてレポートする。

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表通りの目立つ場所への出店を重視し、ラグジュアリーブランドとしてさらに飛躍。
直営店の積極展開で、新たな顧客との接点を強化。
ウブロ表参道ブティック ―Hublot―

銀座グローバルスタイル

超高級時計ブランドが若者の街・表参道に直営店出店

若者の街、東京・表参道に、2021年12月、スイス高級時計ブランド・ウブロの直営店「ウブロ表参道ブティック」がオープンした。銀座、新宿に続き、都内では3店舗目の直営店である。

表参道には、クリスチャンディオールやルイ・ヴィトンなど高級ファッションブランドの旗艦店が軒を連ねているが、実は高級時計ブランドに限ると、これまではタグ・ホイヤー1社が出店している程度だった。つまり、表参道は高級時計ブランド“未開の地”なのである。そこに、価格帯が100万円前後から高額なものでは数千万円の超高級時計ブランドが参入したのである。ウブロの担当者は、出店の理由と表参道のポテンシャルについて次のように話す。「銀座や新宿の店舗には、オールドリッチと呼ばれる富裕層の方が多くいらっしゃいますが、表参道にはニューリッチと呼ばれる新富裕層の若い方がかなりいらっしゃいます。女性でも高級時計に抵抗なく興味を示す方や、価格にあまり驚かない方が意外と多いという印象です。流行の発信地である表参道に高級時計ブランドとしていち早く出店することで、ブランドのモットーである『ユニーク(唯一であること)、ファースト(最初であること)、ディファレント(他とは違うこと)』を体現できると考えました」。

1980年創業のウブロは、老舗ブランドが多い高級時計では比較的新しいブランドである。「アート・オブ・フュージョン(異なる素材やアイデアの融合)」をコンセプトに、「独自開発の先進素材やユニークなデザインなど、他のブランドに先駆けて新しいことに取り組み、躍進を続けている。例えば、ゴールドにラバーベルトを組み合わせた“ラグジュアリースポーツ”の時計は、ウブロが最初に手がけたものである。

店舗戦略では、ブランドの世界観を表現できる直営ブティックの強化にグローバルで取り組んでいる。国内では、2011年に銀座・並木通りに初の直営ブティック「ウブロ銀座ブティック」を構えたのを皮切りに、現在は東京、大阪、京都、名古屋に全7店舗(百貨店内の2店舗を含む)を展開している。そのうち、表参道店を含む3店舗が2020年以降に新規オープンした。移転してリニューアルオープンした2店舗を含めると、なんとコロナ禍に5店舗がオープンしたことになる。

表参道店は、その中でも特別な店舗だ。外観からもその違いは明らかで、他店舗が黒を基調にシックで重厚な構えであるのに対し、表参道店は色彩豊かで華やかなポップな装い。ガラス面で覆われた店内は開放感があり、「来店しやすさはウブロでも一番だと思います」と担当者は話す。

商品に直接手で触れる展示スタイル。国内初のストラップ専用フロアも

銀座グローバルスタイル

若い世代をターゲットに、「今までにない、このブティックだけの特別な体験をしていただく」ことが表参道店の店舗づくりの一番の狙いだという。その一つが、ウブロ初となる「フリー アクセス ディスプレイ」という展示方法だ。通常、時計はガラス什器の中に展示されているが、表参道店では、客が直接見て、触れることができるように展示台の上に常に並べられている。商品を直に見ることができる反面、沢山の時計を並べられるガラス什器に比べ、展示台の上に並べられる点数はどうしても少なくなる。「直営ブティックと掲げている以上、ある程度のラインナップも必要なので、バックヤードから接客中のディスプレイまで、自動的に指定の時計を運ぶロボットを、これも世界で初めて導入して解決しました」。

もう一つの「特別な体験」が、2階に設けられたストラップ&アクセサリー専用フロアである。表参道の一等地で、ワンフロアすべてをアクセサリーで埋めるのはなんとも贅沢な空間の使い方であり、「国内ではここだけ」と担当者。その狙いは「顧客との関係づくり」にあるという。「新しいブティックのオープンは、新規のお客様との関係をゼロベースで作っていくことを意味します。豊富なラインアップの中から選ぶという『ここだけの特別な体験』を、スタッフもお手伝いさせていただくことで、お客様との関係を作っていければ」と説明する。また、2階をアクセサリー専用フロアにしたことで、3層のフロア割(1階=時計、2階=アクセサリー、3階=VIPサロン)にも表参道店の特色が表れている。「この店では、通常モデルも高額モデルも、新旧モデルもすべて1階のフリー アクセス ディスプレイでご覧いただけるようにしています。1階と2階を均一な売場にせず、用途を分けたのも表参道店のオリジナルです」。

3階には、ウブロブティックのVIPが利用できるVIPサロンが設けられている。「高級時計は単なるモノではなく、その方の人生に寄り添っていくものなので、一度ご縁をいただいたお客様を大事にしていきたい、との思いがあります。『ウブロがあるライフスタイル』を送る人がくつろげるよう、ホテルのラウンジや素敵なバーの雰囲気を大事にしています」。VIPサロンを備えたブランド店は珍しくなく、ウブロの他の直営店にも備わっているが、表参道店のVIPサロンが特別なのは、表参道のケヤキ並木が一望でき、冬には表参道のイルミネーションを楽しめることだという。「緑が見える場所にVIPサロンを作るのは、自然の豊かなスイスで生まれた私たちのブランドにもフィットします。表参道店にはご家族連れも多く、みなさんくつろいでいかれます。『ウブロを買ってよかった』と思っていただける場所になっていると思います」と担当者は話す。

コロナ禍での出店プロジェクト。表通りの好物件を“ほぼ即決”で決める

銀座グローバルスタイル

ウブロが表参道に注目し始めたのは、2008年頃だという。この頃から3度、表参道ヒルズなどにポップアップストアを出店してきた。テストマーケティングの結果、「表参道エリアの客層にも十分にアピールできそうだ」と手ごたえを感じ、直営店出店に舵を切ることとなった。加えて、期間限定のポップアップストアでは購入まで至りにくい、という高額商品ならではの事情もある。「ポップアップストアでウブロの時計を気に入っていただいても、お客様が検討している間に、2週間や1ヶ月のポップアップ期間が終了してしまいます。購入を決めた時には、お客様に戻っていただく場所がありません。表参道エリアのお客様との関係を築いていくには、しっかりした拠点をつくる必要があるだろうという判断に至りました」。

ブランドの世界観を作るのに必要な広さとして、50坪以上の物件でいい物件があれば検討していたところ、2021年の夏に出会ったのが、現在店舗を構える日本看護協会ビルの62坪・3層のスペースだった。表参道ヒルズの目の前、表通りの目立つ立地で、「イメージ通りの物件で、即、これはいい!」となったという。唯一の難点は、2階・3階へのアプローチが、店舗の外にあるビル共用のエレベータや階段を使わなければならないことだった。それによってカスタマーエクスペリエンスに影響が出る可能性があったが、本国のデザイナーと相談して、建物の形状のマイナス面はデザインで解決できると判断。「エレベータ内を、ウブロのブランディングを反映した内装にさせていただくなど、ビル側にもご協力をいただきました」と担当者は話す。

銀座グローバルスタイル

コロナ禍の逆境も、ウブロにはむしろ好機となった。コロナ禍でなければ、表参道の好物件の募集には10社以上が手を挙げるところだが、この時は「コロナ禍で社内の承認が下りない」と見送った企業も多かった。一方のウブロは、コロナ禍に移転リニューアルを含む3店舗をすでにオープンしており、そのすべての店舗で業績が好調だった。担当者によると、ウブロは元々インバウンド消費が減っても影響を受けにくいのだという。「出店しやすい状況にあり、初内見から2ヶ月も経たず出店を決めました」。このスピード感こそ、急成長を遂げるウブロの原動力となっている。

表参道店はオープンして7ヶ月が経つ。まだ顧客との関係作りは始まったばかりだが、「ここ、何の店ですか?」と気軽に店内に足を踏み入れる若い来店客も多いといい、他の直営店ではリーチしにくい新しい世代にアプローチできる接点として、手ごたえを感じているようだ。

メインストリートへの出店加速で、ラグジュアリーブランドとしてさらに進化

銀座グローバルスタイル

ウブロがここ最近、国内の店舗開発で特に重視するのが、目立つ場所、すなわちメインストリートへの出店である。それを象徴するのが、2020年5月の銀座店の移転リニューアルである。国内外の高級時計ブランドが軒を連ねることから「時計通り」と呼ばれる銀座の並木通り。2011年からその場所で成長してきた「ウブロ銀座ブティック」を、中央通りに移転させたのである。

移転の直接の要因は、並木通りの旧店舗が手狭になったことだ。ウブロの世界的な成長に合わせて売上を伸ばし、世界でもトップクラスの売上を記録していた旧店舗には、接客スペースが少ししかなかった。そこで移転先に選んだのが、メインストリートである中央通りだった。担当者は、その決断の裏にあるブランドの思いをこう話す。「この通りには、他のラグジュアリーブランドがずらりと並んでいます。その通りに出ていくことで、時計ブランドから、ラグジュアリーブランドの一つとして認知されて、もっと大きくなっていきたい。ウブロは技術を強みに成長してきたブランドですが、『職人技だから控えめでいい』とは考えていません。目立つことで新規のお客様を積極的に取り込んでいきたいと思っています」。

その後も、メインストリートへの出店や移転が続いている。2020年11月には東海地方初となる直営ブティック「ウブロ名古屋ブティック」を名古屋の中心・栄にオープン。エリア待望のブティックとしてオープン直後から話題を集めた。2021年3月には、大阪・心斎橋の「ウブロ大阪ブティック」を、より目立つ立地に移転。以前よりも「トラフィックが増加して好調」だという。その次にオープンした表参道店も、もちろんメインストリートだ。2022年6月には、JR大阪駅直結の大丸梅田店に、大阪で2店舗目となる「ウブロ大丸梅田ブティック」を出店。心斎橋にある店舗とは少し客層が違うようで、既存店と競合することもなく好調に推移しているという。

「私たちは歴史の浅いブランドですが、『今、歴史を作っている』という自負があります。ラグジュアリーブランドとしてもっと成長していくために、今後も主要都市で存在感を出せる場所があれば出店を検討していきたい」と担当者は話す。ウブロの今後の飛躍に注目したい。

銀座グローバルスタイル
企業名 Hublot
施設 ウブロ表参道ブティック
所在地 東京都渋谷区神宮前5-8-2
アクセス 東京メトロ表参道駅 徒歩4分、明治神宮前〈原宿〉駅 徒歩3分
営業時間 11:00〜 20:00(不定休)
規模 地上1~3階、62坪
オープン 2021年12月4日
CBRE業務 施設賃貸借仲介業務

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上記内容は BZ空間誌 2022年秋季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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