“ポップアップストア”と呼ばれる期間限定店舗の出店が増えている。CBREの調査によると、東京の主要リテールエリア(※1)において、2015年には年間284件の出店が確認されたポップアップストアが、3年後の2018年には380件(34%増)に増えた(※2)。出店期間は、数日~数週間のものから、数ヶ月~年単位まで幅広い。もとより、百貨店の催事スペース、ショッピングセンターや駅構内の賃貸または空きスペースなどを中心に、期間限定店舗という出店形態は存在していた。その多くは販売チャネルの増加を目的とした、地方物産展や食物販、キャラクターグッズなどの店舗だった。
最近は、路面店舗スペースをポップアップストアとして運営するケースが散見されており、出店形態の拡がりがみられている。ポップアップストアの出店目的が、販売チャネルの増加よりもブランドや商品のプロモーションに比重が置かれていることが背景にある。百貨店やショッピングセンターなどに比べて路面店舗はブランドの世界観が出しやすく、結果として高いプロモーション効果が得られると考える企業が多いためだ。そこでCBREでは、東京の主要リテールエリアを対象に、路面店舗スペースに出店したポップアップストアについて調査を行った。2015年と2018年の出店事例を比較することでその実態や傾向を分析し、今後の展開を考察する。
※1:銀座、表参道・原宿、新宿、渋谷 ※2:Webベースの調査結果。調査期間は2019年3月20日~4月8日