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海外各国と日本のラグジュアリー市場規模

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2015年6月22日

国別のラグジュアリー市場規模 2014年

主要国(地域)別ラグジュアリー市場規模一覧

2014年、世界のラグジュアリー市場規模は前年比5%増の2230億ユーロとなった。本調査を行ったBain & Companyは、ラグジュアリー市場が「ペースはゆっくりだが、持続可能な成長を遂げている」と述べている。〔図1〕は、ラグジュアリー市場の売上を国別にランキングしたものだ。これによると日本は、アメリカに次ぐ世界第2位の市場規模となっている。アジア太平洋地域では、日本の次に中国(5位)、韓国(8位)、そして香港(9位)がランクインしている。また、日本のラグジュアリー市場は、現地通貨ベースで前年比10%増となり、世界で最も成長した市場だと報告されている。

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アジア太平洋地域における、国別のラグジュアリーブランド展開

アジア太平洋地域における、国別のラグジュアリーブランド進出割合

ラグジュアリーブランドのアジア太平洋地域における進出割合(=ラグジュアリーと分類されるブランドの総数に対して、当該エリアに出店実績のあるブランド数の割合)を、国別で比較した〔図2〕。中国が89%といちばん高く、香港の82%、日本の78%がそれに続いた。日本のラグジュアリー市場は、進出しているブランド数は中国や香港よりも少ないものの、前段〔図1〕でみた通り市場規模はそれぞれの国よりも大きい。すなわちブランド当たりの売上高は、中国や香港に比べて大きいことを示している。

路面店舗のエリア別出店数の推移

銀座・表参道・心斎橋におけるラグジュアリーブランドの路面店舗の出店数

〔図3〕は、銀座・表参道・心斎橋におけるラグジュアリーブランドの路面店舗の出店数を、時系列で示したものである。1979年には「ブルックス ブラザーズ」が表参道・青山通りで出店、1981年には銀座・並木通りで「ルイ・ヴィトン」が出店した。しかしその後、1991年に銀座・並木通りで「カルティエ」が出店するまでの10年間は新規の出店はほとんどみられなかった。その背景として、バブル景気による地価ならびに賃料の高騰のほか、好立地での空室がほとんどなかったことなどが挙げられる。1996年以降は毎年いずれかのエリアで出店がみられるようになり、特に2002年以降の景気拡大期には、加速度的に出店数が増加した。ピークを迎えた2006〜2007年の出店の中には、比較的高額な賃料で成約した事例も多くみられた。その後、2008年のリーマン・ショックや2011年の東日本大震災を経て出店数は減少したものの、大きな落ち込みがみられたのは2009年と2012年だけで、その後の回復は比較的早かった。2014年には年間の出店数が過去最高を記録するなど、昨今は再び出店数が増加している。2015年の出店数は3月末時点で判明している年内の予定数を含んでいるが、今後、新たな出店が明らかになることで記録を更新する可能性もある。

発祥国別の路面店舗数

銀座・表参道・心斎橋におけるラグジュアリーブランドの路面店舗の出店数
発祥国別 エリア出店割合

ブランドの発祥国別に、銀座・表参道・心斎橋の路面店舗数を集計したのが〔図4〕になる。老舗と言われるラグジュアリーブランドを多く抱えるイタリアとフランスが、それぞれ1位、2位という順当な結果だ。また、ラグジュアリーの時計ブランドを多く抱えるスイスが、3位となっている。

次に、路面店舗数で上位5位までの発祥国について、エリア毎の出店割合を調査した〔図5〕。銀座、心斎橋では、イタリアの割合が最も高かったが、表参道ではフランスがイタリアの割合をやや上回った。なお、表参道では、スイスの出店割合が他エリアに比べて極端に少なく、逆にアメリカの割合が極めて高い。スイス発祥ブランドの多くは、ラグジュアリーの中でも特に高額となる時計である。一方で表参道の購買層は銀座に比べて年齢が若いため、時計ブランドの購買層とは合致せず、結果としてスイスの割合が低いということが考えられる。逆に、表参道の購買層は流行に敏感で新しいものに対しても柔軟であるため、“ニューラグジュアリー”と呼ばれるアメリカ発祥ブランドが多いということが言えるだろう。

カテゴリー別 路面店舗出店割合

カテゴリー別 エリア路面店舗出店割合

最後に、ラグジュアリーブランドを4つのカテゴリー(「ハイエンド」「メインストリーム」「アフォーダブル」「ブリッジ」)に分け、それぞれのエリアへの出店割合を調査した〔図6〕。カテゴリーは主に価格帯や取扱商品によって分類しているが、「ブリッジ」には価格などで分類しづらいデザイナー色の強いブランドや新興ブランドなども含まれる。

銀座は、ラグジュアリーの中でもとりわけ高額な商品を扱う、名実ともにトップブランドが集積している。表参道は、購買層が比較的若いことのほか、おしゃれなエリアという地位を確立していることから、新興ブランドやデザイナー色の強いブランドに支持されている。そして心斎橋は、購買層が広く知名度の高いブランドの集積がみられる一方で新興ブランドの進出がないなど、各エリアの特性が定量的にも確認されている。

今後の展開について

2015年2月の春節期間には、銀座エリアの百貨店売上高が前年比で3倍近く増加した。訪日外国人数の増加基調や国内富裕層の安定した消費を背景に、ラグジュアリーブランド商品の売上が大きく伸びたことが貢献している。2015年の日本のラグジュアリー市場規模は、昨年に引き続き前年を上回ることが予想される。

銀座、表参道、心斎橋のすべてのエリアにおいて、ラグジュアリーブランドの出店意欲は高まりをみせている。中国や香港に比べて日本未参入のブランドが多いほか、大手ラグジュアリーブランド企業の傘下にある日本未参入のブランドも、まだ数多く存在する。今後、新たなブランドが参入することで賃料水準がさらに引き上げられる可能性もある。ただし、いずれのエリアにおいても好立地の路面店の空室は極めて希少であるため、出店エリアが特に限定されるラグジュアリーブランドにとっては、大きな課題となりそうだ。

銀 座

銀座には、店舗展開は決して多くはない老舗ハイエンド・ブランドの路面店舗が多い。ブランドを象徴する出店にふさわしいエリアだと考えるブランドが多いほか、富裕層の買い物エリアであるため固定客への販売を促進しやすく、一度出店したら腰を据えるブランドも多くみられる。2016〜2017年にかけて、晴海通り沿いと中央通り沿いという好立地での大型開発が2棟控えている。これらの施設では、これまで銀座エリアに路面店のなかったラグジュアリーブランドの出店が、多くみられそうだ。また、日本初参入となるラグジュアリー時計やジュエリーブランドも出店の機会を窺っており、今後も日本有数のラグジュアリーブランドが集積するエリアとして発展するだろう。

表参道

カテゴリー別の出店動向〔図6〕が示唆している通り、表参道では、比較的新しいラグジュアリーブランドの出店が多い。情報発信地というエリア特性を活かしてブランドの認知度を向上させ、日本のマーケットへの浸透とビジネスの拡大を狙っているブランドだ。街自体が銀座に比べて若く、ファッション感度の高いブランドが集積している環境が、デザイナー色の強い新興ブランドに支持される理由でもある。今後は、商業施設のテナントの入れ替えなどを中心に、日本初参入やアパレル系のラグジュアリーブランドの出店が予想される。また、セカンダリーエリアに出店しているブランドによる立地改善の移転や、近年ラグジュアリーの集積がみられるみゆき通りへの新たな出店もありそうだ。

心斎橋

心斎橋エリアには、幅広い年齢層がエリアに来訪するため、購買層の広いメインストリームに分類されるブランドが集積している。過去には、知名度の向上を目的とした大規模な出店もみられたが、これらのブランドの出店は一巡した感があり、現在は既存店舗の移転など、利益性を高める出店戦略が中心となっている。今後は、急増する訪日外国人をターゲットとした出店が多くあるだろう。また、昨今ラグジュアリーブランドの集積がみられる御堂筋周防町交差点より南側に、新たなブランドが出店することも期待される。直近では、建て替えられる見通しとなった「大丸心斎橋店本館」の動向に合わせた、ラグジュアリーブランドの移転や新規出店もありそうだ。

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上記内容は オフィスジャパン誌 2015年夏季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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