ひと昔前まで、“レンタルオフィス”といえば、机や事務機器が揃い、オフィス開設のための初期費用が抑えられるため、比較的小規模の企業やITベンチャー企業が多く利用するサービスというイメージが強かった。しかし現在、企業ニーズの多様化に合わせてサービス範囲は拡大、細分化が加速し、提供サイドも利用サイドも規模や業態が多種多様化している。 本稿では、レンタルオフィス事業の展開で日本において実績のあるグローバル企業 リージャス社と、同社が運営する「SPACES 大手町ビル」に入居するユーザーに取材し、レンタルオフィスサービスの現状と、実際にユーザーがどのように活用しているかを紹介する。
下表は、レンタルオフィスと、近年話題となっているコワーキングスペースについての一般的な特徴(利用目的・メリット)を、サービス提供各社のHPを参考に編集部がまとめたものである。表の形式に分けてはいるが、同一施設内に両方の機能を備えたものや、逆に記載された機能の一部を省略したもの、また利用目的も期待されるメリットも両方にまたがるケース等、明確に線引きできるものではないことをお断りしておく。
レンタルオフィスのサービスの拡大には、テクノロジーの進化がモバイルワークを手軽にし、働き方のフレキシビリティが高まっていることも背景の1つにある。また近年の動きとしては、“働き方改革”の一環として、労働時間短縮に寄与するサテライトオフィスとしての利用も見られる。ビジネスニーズの多様化とともに、市場はますます拡大するものと予測される。
サービスオフィス/レンタルオフィス | コワーキングスペース | |
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主な特徴※ | 専有オフィス〔個室〕に、会議室の利用や受付サービス等を付加 | フリーアドレス形式で共有するオフィス〔シェアオフィス〕に、 他社との交流機会を設ける等のサービスを付加 |
利用メリット |
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グローバル企業・ 大手企業 の利用目的 |
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スタートアップ企業・ ベンチャー企業、 個人事業主の利用目的 |
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※大手オペレーターを中心に、サービスオフィスとコワーキングスペースの両方の機能を備えた施設が増加している。利用目的も、両方にまたがるケースが多い。
■各社のホームページよりBZ空間編集部作成