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さいごに|ネット時代のリアル店舗

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2018年9月4日

図11▶2030年のリアル店舗数〔n=103〕

回答したリテーラーの約9割がEC販路を持っているものの、多くのリテーラーが、リアル店舗の出店戦略へのEコマースの影響を限定的と考えているようだ。Eコマースが拡大しているとは言え、 EC化率は5%未満というリテーラーが約5割に上ったほか、リアル店舗の市場規模は依然としてEコマースの約7.6倍も大きい。そのため、リアル店舗の売り上げが毀損されるショールーム化を懸念しているリテーラーも2割程度と少ない。ただし、リアル店舗の戦略が、Eコマースを意識したものになりつつあるということは言えそうだ。たとえば、Eコマースでは提供し難い体験のスペースを設けたり、消費者がアクセスしやすい立地に出店することで、手軽に商品を試してもらおうとする動きがみられる。また今後の新規出店についても、現在、郊外型ショッピングセンターや百貨店に出店しているリテーラーの中には、主要エリアの路面店舗や都市型ショッピングセンターに形態を変えようとする動きがみられている。

アンケートの最後に、2030年に担当ブランドのリアル店舗数がどうなるかを訊いたところ、「今よりも増えている」が60.2%と、「今よりも減っている」の23.3%を約37ポイント上回った。しかし、リアル店舗のあり方については、今後大きく変化することを示唆する回答が多くみられた。たとえば、ショールーム型店舗を増やして売り上げはEコマースから得る、あるいはリアル店舗を増やしてソリューションサービスの提供に力を入れるなどの回答が複数あった。また、AIやVRなどテクノロジーの導入が不可欠であり、リアル店舗のデジタル化を推進することで消費者のブラント体験をさらに向上させることができる、という回答も多くみられた。なかには、自動車の自動運転技術が進化することでリアル店舗を訪れる人が増えるため、数を増やす必要があるという回答や、リアル店舗の自動レジ化が進めば、日本でも無人のリアル店舗を全国に出店できるという回答もあった。リアル店舗のショールーム化対策として広まったO2O※5も、新規顧客の来店数を増やす効果が高く即効性があることから、リテーラーの間で浸透しつつある。

とは言え、これらの回答は、Eコマースの普及率が低い現状における予測である。そのため、Eコマースの拡大ペースの加速やイノベーティブなテクノロジーの誕生など、今後のEコマースの市場の発展には注視していきたい。

上記の記事の内容は BZ空間誌 2018年夏季号 掲載記事 掲載当時のものです。

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