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賃貸物流倉庫・大型貸し倉庫の記事

現地営業マンが語る神戸物流マーケット

シービー・リチャードエリス株式会社
神戸支店 インダストリアル営業本部
佐藤 正

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物流機能が集積する神戸港湾岸部と内陸部

神戸エリアにおける物流機能は、神戸港の湾岸部、及び内陸部(山間部)の流通業務団地等に集積しています。湾岸部において中心となるのは、ポートアイランドや六甲アイランドが代表する阪神間の人工島などです。かつては、中型船が着岸する沿岸のふ頭に昔ながらの倉庫が建ち並んでいましたが、コンテナ貨物が増えてきてからは、大型船が着岸できる人工島に物流機能の中心がシフト。神戸市によって分譲された工場や物流施設専用地に、食品や医療系、機械の業種、物流企業などが進出しています。湾岸部は、阪神高速道路の神戸線、湾岸線へのアクセスに優れており、大阪市内へも30分で到達できることから、主に大阪、神戸を中心とする消費地への配送拠点として機能しています。また、人口150万人を抱える神戸市の居住区にも近接しており、物流施設で必要な人材を確保しやすいというメリットがあるといえます。

一方の内陸部では、神戸流通業務団地や神戸複合産業団地など、神戸市が造成分譲した土地に物流施設が集積しており、食品、アパレル、日用雑貨、卸などの企業進出が見られます。中国自動車道や山陰自動車道へのアクセスに優れているため、神戸市内だけでなく、関西圏や西日本全域への配送を担う拠点にもなっているようです。ただし、一部の流通業務団地を除き、神戸市街地から距離があり周辺に住宅地が少ないため、人材を確保しにくいのが難点だといえるでしょう。

自社倉庫が主流のエリアにマルチテナント型施設が竣工

神戸エリアでは、湾岸部、内陸部ともに自社倉庫や工場に付随した物流施設が多く、賃貸物件が少ないのが特徴です。大阪エリアによくあるような当初から賃貸目的で開発された物件は、ほとんど見当たらないといってもいいでしょう。というのも、神戸エリアは海と山とが接近し平地が少なく、投資家が大型施設を開発できるだけ広い面積の土地を確保しにくいことが一因です。また、行政が湾岸部や内陸部に分譲地域を設けて、積極的に企業誘致を行っています。進出企業は自社で使用することを目的に土地を取得しており、そのために自社倉庫や工場の進出が進んだという経緯があるようです。

1995年の阪神淡路大震災後は、神戸港への入出荷が減少し、港周辺の既存の自社倉庫を賃貸する動きが見られるようになりました。ただし、これらの物流施設は旧式で、しかも輸入商品が製品ではなく材料中心であったころの"ストック型"倉庫がほとんどであり、現在の"スルー型"の物流ニーズには合わなくなってきているのが現状です。

そのような中、来年2月、イヌイ建物さんが神戸では初の大規模マルチテナント型施設を神戸港湾岸にオープンさせます。これまで神戸における物流ニーズは、1,000坪や2,000坪の引き合いが多く、また、5,000坪や1万坪といった大型賃貸ニーズがあった場合でも、受け入れる"器"がなかったため大阪エリアに流出していました。大阪では大型施設の供給が豊富でしたし、阪神だけでなく京都、奈良までも見据えた物流拠点として大阪を選択する企業は、確かに多かったといえるでしょう。今後、神戸でも型施設の供給が増えることで、神戸を拠点とした物流ニーズが喚起されるのかを占う試金石になると思われます。

コンテナ対応の最新設備神戸港の高いポテンシャル

ここで神戸港の特徴についてお話しすると、世界有数の貿易港として栄えてきた神戸港は、1967年に日本初のコンテナターミナルが整備され、1990年代初頭までは日本一、世界でもトップクラスのコンテナ取扱個数を誇っていました。しかし、阪神淡路大震災で港の機能が一時的に停止し、またアジアの各港が急速に拡充されたことにより、ハブ港としての機能が他港にシフトする傾向が見られるようになってきました。復興後も、他港へ移った利用者は完全には戻ってきておらず、神戸港としては非常に苦戦を強いられている状態といえるでしょう。

また昨今は、製造拠点を海外に設ける企業が増えており、日本への荷物は、材料ではなく海外で製造した製品の直接輸入が主流になっています。配送コストを圧縮するため、消費地である大都市、つまり関西よりも首都圏の港で荷揚げされる傾向が強まっており、この点でも神戸港にとっては逆風になっているようです。

一方で、明るい要素もあります。国際競争力を強化すべく、神戸港と大阪港と一体化する「スーパー中枢港湾」のプロジェクトは、官民が一体となって、ITの導入やコンテナターミナルの整備、物流システムの改革を推進し、アジアの主要港をしのぐ低コスト化や充実したサービスの実現を目指すものです。例えば、神戸港に入港した貨物船が大阪港へ移動する場合でも、関税や港使用料の徴収は一度だけになり、利便性が格段に向上してます。神戸港と大阪港が競合するのではなく、互いに一体となって利用者を呼び込もうとするこの構想により、神戸港のポテンシャルがさらに上がることが期待されます。

今後は、大型物流施設の供給増に期待

神戸エリアにおける大型物流施設の賃料水準は、神戸港湾岸部の成約賃料が3,000~4,000円/坪という相場観で捉えられます。弊社が『WAREHOUSE MARKET REPORT(WMR)』で発表している神戸エリアの平均賃料は4,300円/坪となっていますが、これは、エリア内で募集される全ての倉庫・配送センターの募集賃料の平均値であるため、中小規模の物件も含めた募集賃料となります。先にも述べたように、神戸の賃貸倉庫の市場、特に中小規模のものは、元々自社使用の施設を賃貸に出したものが主流であり、これらの案件は、相場感やマーケット感というものが基本的に存在しません。貸し手の都合により1件1件が単独で市場に出ているといったイメージになります。また、現在のマーケット状況下においては、募集賃料と成約賃料との乖離も見られ、募集賃料データの平均値を取るWMRではこのような数値となっています。

内陸部の大型物流施設の成約賃料は、2,500~3,300円/坪といったところでしょうか。湾岸部よりも低廉な賃料は魅力ですが、一方で山間部に位置しているため高速料金や燃料代などの輸送コストが高くつく点はデメリットとして挙げられます。

現代の物流ニーズにある程度対応している施設においては、神戸エリアでは全体的に優良の空き物件が少なく品薄感があるため、募集賃料に近い水準で契約に至るケースが多いように見受けられます。5,000坪以上の大型物件については、現在のところ神戸エリアでの供給が少ないため、切実に神戸に拠点が必要となるニーズに対しては希少性があるといえるでしょう。ただし、供給の多い大阪エリアも含めた競争になっている一面も否定できません。両エリアの相場観にそれほど差はありませんが、大阪での空室率が25~30%(延床面積10,000坪以上の大型物流施設対象)であることを考えると、大阪の市場が発端となって賃料の下げ圧力が神戸に及んでくることも考えられます。また、今後神戸で供給が予定されている大型物件の埋まり具合によっては、賃料水準が影響を受けることもあるでしょう。

神戸エリアでは大規模マルチテナント型施設の供給が他府県に比べて少なく、まだまだ開発の余地はあると思われます。ただし、湾岸部において大型の土地を取得するのは難しくなっています。今後、内陸部においても大型物件が開発されれば、その供給に喚起され、物流ニーズはさらに伸びていくのではないかと思われます。

『WAREHOUSE MARKET REPORT』にみるゾーン別賃貸条件

①神戸ゾーン
平均募集賃料 07上半期 07下半期 08上半期 対前期比
倉庫・配送センター 4,550円 4,200円 4,300円 2.4%
事務所兼倉庫 5,540円 4,740円 5,470円 15.4%
②神戸西・明石ゾーン
平均募集賃料 07上半期 07下半期 08上半期 対前期比
倉庫・配送センター 3,400円※ - 4,710円※ -
事務所兼倉庫 4,640円 5,030円 3,290円※ -34.6%
③西宮・伊丹ゾーン
平均募集賃料 07上半期 07下半期 08上半期 対前期比
倉庫・配送センター 6,040円 5,420円 5,360円 -1.1%
事務所兼倉庫 5,420円 4,990円 5,390円 8.0%

④姫路・加古川ゾーン

<table class="tableList grayLight> <thead> <tr> <th class=" x-align-l"="" colspan="5"> <tbody> <tr> <th class="x-width-20 x-align-C"> 平均募集賃料</th> <th class="x-width-20 x-align-C"> 07上半期</th> <th class="x-width-20 x-align-C"> 07下半期</th> <th class="x-width-20 x-align-C"> 08上半期</th> <th class="x-width-20 x-align-C"> 対前期比</th> </tr> <tr> <td> 倉庫・配送センター</td> <td class="x-align-R"> 2,690円※</td> <td class="x-align-R"> 2,690円※</td> <td class="x-align-R"> <strong>2,980円※</strong></td> <td class="x-align-R"> <strong>10.8%</strong></td> </tr> <tr> <td> 事務所兼倉庫</td> <td class="x-align-R"> 4,360円</td> <td class="x-align-R"> 3,760円</td> <td class="x-align-R"> <strong>4,800円※</strong></td> <td class="x-align-R"> <strong>27.7%</strong></td> </tr> </tbody> </table> <p class="x-align-R"> <small>※サンプル数が4棟以下のもの</small></p> <div> <a class="ImgExpand" data-cke-saved-href="/img/page_c/images/50713_img_Vol4_A.jpg" href="/img/page_c/images/50713_img_Vol4_A.jpg" title="神戸 ゾーン別賃貸条件"> <img alt="神戸 ゾーン別賃貸条件" data-cke-saved-src="/img/page_c/images/50713_img_Vol4_A.jpg" src="/img/page_c/images/50713_img_Vol4_A.jpg" width="695" height="579"></a></div> <p></p>

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上記内容は オフィスジャパン誌 2008年秋季号 掲載記事 です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。

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