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今こそ考えるCRE戦略と保有不動産活用-事業用不動産売買額増加中

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2021年4月13日

2020年事業用不動産の取引額=売買額は2019年比5.2%増加(ジャパンインベストメントマーケットビュー2020年第4四半期)

主要不動産取引推移

上図グラフの通り、世界的な低金利政策が続く中、国内外の投資家が相対的に利回りの高い不動産を購入している。コロナ禍であるものの、不動産売買市場は活発化。リーマンショック以降の2009年と比べて2倍超え。事業用不動産を持つ企業は今後、どう考えれば良いのだろうか。

【 保有不動産の戦略的活用 】なぜ今必要か?

~売り手の目線~

コロナ禍で業績が見通せず、資金調達が必要

施設の老朽化や再開発を理由に保有不動産を売却し賃借化する動きがみられる

オフィスに限らず工場倉庫や商業施設で「セール&リースバック*」事例が増加

IFRS*導入など会計上の要請から、保有不動産戦略を見直している

オフバランスはROA向上など財務指標の面で有効

 

~買い手の目線~

売買実績の少ない立地での売却案件が出てきている

投資家や立地戦略を重視する企業にとって不動産を取得できるまたとない機会

 

私共CBREでは、保有不動産の戦略活用のサポートをさせて頂いております。

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【セールアンドリースバック*】:保有不動産を売却し、新たな所有者と賃貸借契約を締結することで、現状のまま事業を継続する手法。

【IFRS(イファースまたはアイファース)*】:International Financial Reporting Standards。 「世界的な会計基準」づくりとして始まり、現在は110以上の国と地域で採用。日本では強制適用でないものの、トヨタ自動車などグローバルで活動する企業を中心に、IFRS導入が増えている。また、リース会計や収益認識会計など、日本の基準の一部を変更することによってIFRSの基準に近づける動きとなっている。

【オフバランス*】:資産をバランスシート(貸借対照表)から分離する事。資産の『 保有 』と『 利用 』を切り離す財務手法。最近話題になったエイベックスの事例のように不動産のセールアンドリースバックによって売却した後にそのまま賃借する方法や、不動産の証券化によって自社ビルを流動化するなど、コロナ禍を機に不動産の戦略活用での一環としてオフバランス化する動きが目立つ

【CRE】:Corporate Real Estate の略。企業不動産。事業のために保有(賃貸借)している土地、建物の事

保有不動産の活用方法│事業継続を前提としたCRE戦略パターン

ここでは事業継続を前提に、4つのパターンによる保有不動産の活用方法をご紹介します。

1.保有不動産を売却し、新たに賃貸物件を借りる手法

2.現在の場所で事業を行いながら、保有不動産を売却する手法(セール&リースバック)

3.建て替え、または新たに不動産を購入する手法

4.使わなくなった土地またはスペースを収益化する手法

  資金調達の必要あり 資金調達の必要なし
今の場所の必要性なし
今の場所の必要性あり

※上記表は、現在の場所・施設に残る必要性と資金調達の必要性の有無に応じ、1から4の保有不動産活用方法を示しています。上記の番号をクリックして、該当セクションに飛んでいただけます。

 

1.保有不動産を売却して新たに賃貸物件を借りる手法

建物老朽化、再開発などをきっかけに、資金調達の必要性から、保有不動産を売却して賃貸物件を借りるケースです。いくらで売れるかを前提に、支払い賃料や投資額など、将来のコストを勘案して賃貸物件を見つける必要があります。

① 自社ビルの場合

ケース1:売却後、なるべく支払いコストを抑えたい

移転先でのコストを抑えるため、居抜き物件や賃料の割安なエリアへの検討を行います。

ケース2:新たなオフィス構築のために投資又は投資コストを適正化したい。

コロナ禍で、一部もしくは全面的なリモートワークや拠点再編が前提となる中、これからの働き方と経済合理性にマッチしたオフィス作りが必要となります。

例えば、オフィスの分散、あるいはオフィスは維持しつつもソーシャルディスタンスの確保や衛生面に配慮するために、レイアウトや設備工事のための投資が必要となります。一方、出社を前提としない働き方や不動産ポートフォリオの視える化による面積圧縮等の施策も必要です。

 

② 自社倉庫の場合

ケース1:自社物流

物流を自社で行う場合、必要な面積が確保できる賃貸物件があるか、配送に適しており、かつ人材が確保できる立地かなどのシミュレーションも重要です。

ケース2:物流アウトソーシング

物流会社に保管・配送を委託する場合、業者の選定や現状のコストとの比較を行う必要があります。

 

2.現在の場所で事業をしながら不動産売却する手法(セール&リースバック。以下S&LB)

 保有不動産を売却し、新たな所有者と賃貸借契約を締結することで、現状のまま事業を継続するケースです。売却の対象は、土地建物、土地のみ、建物のみの3形態があります。

 最近では資金調達や決算対策として譲渡益を計上するために、本社等を売却する事例が増えています。移転先やレイアウト等を十分に検討するための時間的猶予のために、売却後数年間賃借するケースや、保有する土地に物流倉庫を建築、自ら賃借することによって更地よりも売却額を高める戦略的S&LBもみられます。

 

<主なポイント>

◆売却価格や、売却後の支払い賃料はいくらになるのか?

◆賃貸物件として魅力的な立地にあるビル・施設では、短期契約も可能

 

3.建て替えまたは新たに不動産を購入する手法

 ① 建て替えまたは土地購入&開発

 大型開発では競争力や企業価値を高める幅広い提案や、設計等の助言のために、外部コンサルを指名する場合もあります。このケースでは建物取り壊しから竣工の間、仮移転先を確保しなければなりません。また、一部資産売却による等価交換方式等の事業スキームや適格な設計要件の策定によって、建築費の負担を軽くすることができる場合があります。

CBREでは、事業性の検証から設計、設計から竣工までワンストップのご支援が可能です。

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 ② 自社ビルの購入

 建て替えには時間や労力、費用がかかります。そのため、売却と合わせて、新たな施設を購入することで、余分な時間やコストを抑えて、事業を継続することができます。また、事業用資産の買い替え特例を使うことによって譲渡益の繰り延べが可能となる場合があります。

希望にマッチした売り物件は多くないため、日ごろからの情報収集が必要となります。

 

 ③ 1棟借りの賃貸借(現入居)施設の購入

 長期的に拠点を変える必要がなければ、将来支払う賃料総額と比べて施設を1棟まるごとまたは区分所有床として購入するほうが財務面や資産形成で有利になることがあります。所有者との交渉が必要となるため、いくらで買うのか、そのタイミングなど専門家のアドバイスが重要となります。

 

4.使わなくなった土地またはスペースを収益化する手法

 ①土地の有効活用

 工場や老朽化施設の閉鎖により、土地を更地にして有効利用することも一案です。そのため、その土地の賃貸需要や収益性に関する基本調査を行い、多角的な視点でシナリオを作成します。その後、設計から竣工に関する計画を立案します。

 

地方エリアへ広がる物流開発の波

 

 

 ② 自社ビルの余剰スペースを賃貸床として貸し出し

 コロナ禍での出社率の低下により、いままでのオフィス床が使われなくなったケースが目立ってきました。そのスペースを賃貸床として貸し出すことで賃料収入を獲得することができます。その場合、賃貸オフィスビルと同様のスペックが必要となること、さらにテナントの想定や賃料相場の把握、設備や躯体の調査、リニューアルやリノベーションの必要性等を検証します。

今こそ考える保有不動産の活用とCRE戦略

見直しや活用方法のポイントを解説

企業にとって保有不動産は経営にとって重要な資産のひとつであり、事業戦略の一部として考えるべきものです。資金繰りの確保や負債の圧縮といった目的以外に、最近では新たな成長戦略を支える資金調達の手段として、保有不動産を売却する企業が増加傾向にあります。

ビジネス環境が大きく変わろうとしている今こそ、その変化にあわせて保有不動産活用の見直しを図る必要があります。

昨今では、新型コロナウィルスの感染拡大を背景として、企業が不動産戦略を考える際に考慮すべき要件が大きく変わってきています。例えば、オフィスや物流倉庫も、そのあり方の変革を迫られています

 

オフィスの見直し

オフィス

今後は、出社とリモートワークを組み合わせた働き方が当たり前の姿になると言われています。

本社オフィス、支店や営業所のあり方はいままで通りで良いのでしょうか?多くの企業で、従業員の安全を確保しながら、生産性を維持・向上させることが出来るオフィスの形が模索されています。

 

 

物流施設の見直し

物流

コロナ禍はサプライチェーンに影響を及ぼしています。企業はリスクを軽減するために、在庫の冗長化、仕入先の内製化、生産・供給体制の分散化など、物流網の再構築や改善を図ることが必要となっています。

 

 

 

保有不動産見直しのポイント

生産性・効率性の向上、不動産施設の集約や統廃合によるコスト削減、BCP観点での分散など、対応の選択肢は多く存在します。見直しを検討するためのポイントは、大きくは以下の通りです。

1) 現在の場所・施設は今後も必要かつ適切か?

現在の場所・施設で今後も事業を継続することが良いかどうかを検討します。

例えばオフィスの場合、従業員の通勤時間や交通費等のシミュレーションから立地の適切性に関する検証を行います。

物流に関しては配送に関する現在のネットワークの診断を行った上で、どの立地・拠点数が最適かのシミュレーションを行います。

また当該立地の不動産価格や就業者数や有効求人倍率など雇用確保などの評価によって立地を選定していく必要があります。

 

2) 全体でどれくらいの面積が最適か?

必要面積を検討します。オフィスの場合、使用人数や出社率等だけでなく、どのような働き方を従業員に求めるのかによって所要面積は異なります

また、物流に関しては、在庫や荷量の特性に応じて施設の基本設計やレイアウトなど必要面積を確認しておく必要があります。

 

3) 必要となる資金調達は可能か?

資金調達方法を検討します。融資などの借り入れや、新株発行など投資家からの調達以外に、資産売却という方法があります。

融資や株式発行は審査や投資適正判断など時間がかかる一方、資産売却は素早く資金調達できるといったメリットがあります。虎の子の不動産とはいえ、どのくらいの金額で、どういう用途で売れそうかといった、不動産ポテンシャルを事前に把握しておけば、いざというときに役立ちます。

 上記1)から3)について検討後、全体のスケジュールやコストを算出し、プロジェクトの実現可能性を検証するフィージビリティスタディを行います。現状把握とシナリオ想定、シミュレーションによる複数案について実行可能性、採算性を吟味します。

 

CRE戦略パートナー選びのポイント

保有不動産を活用し期待効果を実現するにあたっては、経験豊富な専門家の助言や協力を得ることが多くの場合必要となります。パートナー選びのポイントは次のとおりです。

1. アドバイザリー能力

(土壌汚染など)様々なリスクを想定し、課題解決に向けた最適なアドバイスができる

 

2. データベースの有無

賃貸施設の稼働や賃料相場など、比較検討のためのデータを豊富に有している

 

3. 幅広いネットワーク

売却が伴う場合、最適な金額で購入しそうな買い手を探しだせる(国内や海外投資家、事業会社など)仕組みや顧客リストをもっているか

 

4. プロジェクト遂行力

シミュレーション&フィージビリティスタディなどに基づき、プロジェクト全体を進めるための実行力を有しているか

 

5. 豊富な実績:様々な経験やスキルを兼ね備えているか

 

私共CBREが、貴社保有不動産の戦略的活用方法をご提案します。

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